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所変われば品変わる
『実録!トラブルシューティング』第8回

3月 27日 2015年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、タイで仕事をしていく際の様々な細かな問題をご紹介します。タイ語が読めない・しゃべれない大抵のタイへの赴任者にとって、ちょっとしたことが思いにもかけないような大事となることはよくあります。

まずは、名刺に関するトラブルです。弊社の名刺は建築士である創業者がデザインした会社のロゴを使用しているのですが、そのロゴはタテヨコ比が黄金比(1:1.618)となっている少し特殊なものです。日本で一般的な名刺のサイズは4号(9.1センチx5.5センチ)です。このサイズの名刺から黄金比を作成するには横を2ミリほどカットする必要があります。日本の印刷屋では一言伝えるだけで済みますが、タイでは出来上がるまで4カ月もの時間を要しました。

完成したのは以下の名刺です。キリッと締まったデザインと黄金比率の落ち着きでお客様からも好評を頂いております。

もちろん追加発注の際に、「前回と同じものを」と注文すると、サイズの部分はまた一から説明し直さなければいけないのはご愛嬌(あいきょう)です。

タイの印刷屋では社印の作成なども取り扱っていますが、日本本社の凝ったデザインやロゴをスタンプにするのも一苦労です。「Adobeイラストレーターのバージョンが違うのでデータの加工ができません」などと言われると、意気消沈してしまいます。

◆どんな手続きでも事前に確認する習慣を

タイでの銀行や役所での手続きで気をつけなければならないのは、日本と比べて担当窓口の方の裁量の範囲が非常に広いため、支店や担当者によって対応や求められる条件が違います。「担当者の裁量の範囲が広い」と言うときれいに聞こえますが、実際問題としては担当官の虫の居所によって求められる書類が異なるというような、日本人にとっては信じられないような出来事はタイでは日常茶飯事です。

日本人駐在員が個人で銀行口座を開設する際に、ワークパーミット(労働許可証)の提示が必要なのかどうか、このような重要な問題も支店によって異なることがあります。会社の近所の○x銀行の対応が良いからと、自宅の近所でも同じ○x銀行に口座を開いてみたら、けんもほろろにあしらわれたなんていうことも起こりえます。もちろん、逆もまたしかり。
そして相手側の担当者だけでなく、こちらの担当者によってももちろん対応は異なります。大きな声では言えませんが、どうにも進まないお役所手続きも、毎日役所に日参している弊社のスタッフが行くと、突然スムーズに進むなんていうこともままあります。

タイでの法人設立後には、VAT(付加価値税)を納付する事業所として日本の国税庁にあたる財務省歳入局に登録をするのが一般的です。登録の際に会社登記場所の家主の同意書、家主のIDカード、事業所の地図などが必要となります。

こちらも歳入局の場所によって求められる書類が異なり、混乱の元となっています。こんな「担当者の裁量」のおかげで毎日トラブルには事欠きません。少しでもトラブルを減らすためには、どんな手続きでも全て事前に確認をする習慣を身に着けることが最善の予防策です。

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