バンコク週報
1976年10月創刊のタイで発行する日本語新聞。在タイビジネスマンに向けてタイの政治・経済・社会ニュースから人物紹介まで多彩なコンテンツを提供している。
「タイは今年がLED幕開けの年」と話すのは、照明器具メーカー、遠藤照明のタイ子会社「ライティングエンドー(タイランド)」の柳井智裕・代表取締役社長だ。
タイ政府が省エネを重要課題に掲げていることもあり、消費電力が低く耐久性に優れたLED照明への関心が地場企業の間で高まりつつある。
また、日本では東京電力福島第一原発事故以降、省エネが不可欠となったことで、LED照明を導入した日本本社がタイ現地法人に対し切り替えを指示。このため、日系ゼネコン、サブコンでLED需要が増えている。柳井社長によると、「従来の照明器具とLEDの消費電力の差を実際にみてもらうと、9割が導入に関心を示す。今後のタイ市場はLEDが中心となる」とのことだ。
◆成長するタイ市場
1967年創業の遠藤照明がタイに海外初となる生産工場を立ち上げたのは89年6月。タイ投資委員会(BOI)から投資恩典を受けるにあたり、製品の100%を日本に輸出することにした。しかし、91年ごろから始まったバンコクの建設ラッシュを目の当たりにし、タイでの販売を検討。BOIから売上の2割までなら国内販売を認めるとの許可を得て、国内販売をスタートする。
ただ、本格的な販売開始は柳井社長が着任した96年から。当初1%程度だったタイ国内販売は、今では6~7%にまで成長した。
業務用照明器具を主力とする遠藤照明の取引先は、ゼネコン、サブコンが中心。これに、デパート、レストラン、ホテルなどが加わる。ただ、日系ゼネコンが建設するタイ工場でのLED使用率が高まる一方、地場工場での普及が伸び悩んでいる。中国製の安価な照明器具のシェアがいまだ大きいからだ。品質は気にせず、明かりがつけばいいと考えるタイ人は少数派ではないようだ。このため、いかに品質の差を理解してもらうかがタイ地場企業に対する営業の鍵になるという。
◆第3工場が年末竣工
タイでの生産基地は現在、サムットプラカン県の第1、第2工場のみ。年間約15万台を生産する。今年末には生産能力25万台の第3工場が竣工する予定だ。
第3工場には、短納期出荷ができるよう、完成品の自動倉庫を併設し、タイだけでなく、フィリピン、マレーシア、シンガポールなど東南アジア諸国連合(ASEAN)各国での需要増に備える。これまで基本的には、受注後生産に入っていたが、それでは納品までに数カ月の期間が必要となる。自動倉庫建設により、完成品の出荷比率が全体の1割から3、4割に引き上げられる見通しだ。
遠藤照明が製造するLED照明器具のバリエーションは約4000種で業界最多。タイではこのうち35%を製造しており、残りは日本と中国から輸入することで注文に対応している。
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