山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
石破茂首相が、新人議員15人と公邸で催した食事会で、10万円の商品券を手土産として配っていたことが発覚。政治資金規正法違反ではないか、と国会で追及を受けている。カネの匂いがあまりしなかった政治家だけに、「石破、お前もか!」である。「政治とカネ」が問題になっている最中に、初当選議員を集めて10万円を渡す政治感覚にあきれるばかりだ。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
石破茂首相が、新人議員15人と公邸で催した食事会で、10万円の商品券を手土産として配っていたことが発覚。政治資金規正法違反ではないか、と国会で追及を受けている。カネの匂いがあまりしなかった政治家だけに、「石破、お前もか!」である。「政治とカネ」が問題になっている最中に、初当選議員を集めて10万円を渡す政治感覚にあきれるばかりだ。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
国会審議の雰囲気が大きく変わってきた。衆議院で少数与党となった自民・公明は、野党の協力なしに国会を乗り切れない。ヨ党・ヤ党の中間にあるユ党を抱き込んで予算案を通そうと躍起になっている。自民・公明が安定多数を占めていたころは、野党がいくら騒ごうと、最後は数の力で押し切ることができた。そこには議論や妥協の余地はなかった。衆院の勢力がガラリと変わり、高飛車な国会運営はもうできなくなっている。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収を、米国政府は「完全かつ永久的に放棄せよ」と一蹴した。予想された展開ではあったが、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「米国の製造業と安全保障を損なう経済的な自虐行為」と論評した。
さまざまな意味で「米国の現状」を映し出す決定だった。労組まで巻き込む産業の排外主義とロビー活動、目先利得に引きずられる米国政治の劣化、そして「日米同盟とはこの程度」であることが可視化された。
アメリカの製造業が抱える諸問題、保護主義に染まった産業政策、自国第一から自分第一へと傾斜する政治――。論点は多々あるが、今回は「買収拒否」が「日米同盟」そして日本の針路に与えた衝撃を考えてみたい。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
韓国で戒厳令が発動されるなど、誰が考えただろうか。「真夜中のから騒ぎ」に終わったが、まかり間違えば、現職大統領によるクーデター的独裁が始まったかもしれない。思いもよらぬことが、次々と世界で起きている。
トランプが次期米国大統領になったのは、それなりの理由があるだろうが、驚くことは、アメリカという巨大な政治力を持つ大統領が、自らの野望を満たす手段として権力を使おうとしていることだ。娘婿の父親を駐フランス大使に指名するなど身内びいきが目に余る。
現職のバイデン大統領は、2件の刑事裁判で有罪になった次男のハンター氏(54)に恩赦を与えた。「量刑を軽くするようなことはしない」と言っていたのに、退任間際の手のひら返しである。
公私の区別が付かない人が大統領を務める。核のボタンを持ち歩く人が、この程度であることが恐ろしい。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
米国の大統領選挙は、トランプが「接戦州」を全て取り、圧勝した。4年にわたる民主党政権への信任投票だった。充満する不安・不満・いら立ちが噴き出し、「取り残され感」を抱く人々に届く言葉をトランプは持っていた。
トランプは勝った。だが、この希代の政治家は「人々の味方」だろうか。期待を寄せた米国の有権者の判断が、問われることになる。
米国有権者の判断は、世界の人々にも影響が及ぶ。日米関係も例外ではない。「自国第一主義」に沿った身勝手な要求が突きつけられることが十分予想される。
日本は、これまでのように「日米関係に配慮し」付き従っていくのか。過剰な要求には応じない「緊張感を持った外交」に転ずるか。選択を迫られることになるだろう。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
10月27日の総選挙を前に、自民党の劣勢を示す調査結果が相次いでいる。石破政権は勝敗ラインを「自民・公明で過半数維持」としたが、メディアは「自公過半数維持は微妙」と伝える。
報道各社は10月の中旬と下旬に、有権者に聞き取り調査を行い、「自民党のジリ貧」があらわになった。21日発表された朝日新聞の調査では、石破政権の支持率は33%、不支持は39%。前週の調査では支持46%・不支持36%だった。1週間で支持は12ポイント減り、不支持が支持を上回った。
NHKの調査でも直近の支持率は41%、前週より3ポイント減。不支持は3ポイント上がり35%となった。この傾向は共同、毎日などの調査でも同じで、「総選挙が迫るにつれ自民党支持が減っている。珍しい事態だ」と関係者は分析する。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
8月14日午前、テレビ画面にニュース速報が流れた。「岸田首相、総裁選に立候補せず」。一瞬、驚いたものの、ひと呼吸おいて考えれば、「出馬断念」以外に選択肢はなかった。大統領選を断念したバイデンと同じである。本人はまだやりたかっただろうが、出馬しても勝ち目は薄い。敢えて再選にこだわれば自民党内で顰蹙(ひんしゅく)を買うだけである。
世論調査が弾き出す支持率は20%台。6月の国政補欠選挙では3つの選挙区で一つも取れなかった。岸田文雄総裁・麻生太郎副総裁・茂木敏充幹事長が自民党を仕切る3頭政治の足並みはもつれていた。岸田に勝機があったとすれば、麻生が接着剤になって「次は茂木で」と密約を交わし、3派の結束を固めて多数派工作に突き進む以外なかった。仮に、それで勝ったとしても、先に展望はない。
「岸田再選・首相続投」となれば、世間はしらけるだろう。党内政治の手練手管で権力を維持しても「変わらない自民党」への風当たりは強まるだけ。来年7月の参議院選挙でボロ負けし、責任をとって辞める、というのがオチではないか。地方組織からは「岸田で選挙は戦えない」との声が上がっている。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
「私は、日本は独立国ではないと思っています」。自民党元幹事長・石破茂さん(67)の口からこぼれたひとことに、自民党政治家とは思えない正直さを感じた。
「失われた30年」を検証する民間人の学習会でのことだ。バブル崩壊後の日本で、政治が劣化していったのはなぜか、石破さんを呼んで話を聞こうということになった。
率直なやりとりができるよう発言はオフレコ。「ここだけの話」とすることで石破さんは引き受けてくれた。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
およそ政治の表舞台に似つかわしくない人物が、「学歴詐称」で揺れる「小池劇場」に割って入った。朝堂院大覚(ちょうどういん・だいかく)氏。元ナミレイ会長で武道家でもあるが、石油権益や途上国の開発案の裏で名前が取りざたされ、「最後のフィクサー」とも評される怪しげな人である。6月11日に東京都庁クラブで記者会見した。小池百合子氏が一家でカイロに渡った経緯や、カイロ大学での進級試験に落第したことなどを語り、「『カイロ大学中退』と言えばよかった。卒業はウソです」と語った。
ほとんどの大手メディアは無視したが、会見の模様はユーチューブにアップロードされ、小池都知事の学歴詐称疑惑を注視する人たちの間では、「反論しようがない証言」などと言われている。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
全国各地の選挙で「自民党の敗退」が目立っている。
5月26日の静岡県知事選では自民党が推薦した元副知事・大村慎一氏が、立憲民主党などが推す元浜松市長・鈴木康友氏に敗れた。川勝平太前知事が「不適切発言」の責任をとって辞任し、急きょ行われた選挙で自民党は失地回復を狙ったが、果たせなかった。
自民党は4月28日の「国政3補欠選挙」で全敗するなど勢いにかげりが見えていた。保守地盤の厚い静岡県での敗退は、「有権者の自民離れ」を印象づけた。 記事全文>>