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戻ってきたトランプ
米国「革命前夜」どうする日本
『山田厚史の地球は丸くない』第275回

11月 08日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

米国の大統領選挙は、トランプが「接戦州」を全て取り、圧勝した。4年にわたる民主党政権への信任投票だった。充満する不安・不満・いら立ちが噴き出し、「取り残され感」を抱く人々に届く言葉をトランプは持っていた。

トランプは勝った。だが、この希代の政治家は「人々の味方」だろうか。期待を寄せた米国の有権者の判断が、問われることになる。

米国有権者の判断は、世界の人々にも影響が及ぶ。日米関係も例外ではない。「自国第一主義」に沿った身勝手な要求が突きつけられることが十分予想される。

日本は、これまでのように「日米関係に配慮し」付き従っていくのか。過剰な要求には応じない「緊張感を持った外交」に転ずるか。選択を迫られることになるだろう。 記事全文>>

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石破解散と自民党の「内戦」
「安倍政治」は終わるか?
『山田厚史の地球は丸くない』第274回

10月 25日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

10月27日の総選挙を前に、自民党の劣勢を示す調査結果が相次いでいる。石破政権は勝敗ラインを「自民・公明で過半数維持」としたが、メディアは「自公過半数維持は微妙」と伝える。

報道各社は10月の中旬と下旬に、有権者に聞き取り調査を行い、「自民党のジリ貧」があらわになった。21日発表された朝日新聞の調査では、石破政権の支持率は33%、不支持は39%。前週の調査では支持46%・不支持36%だった。1週間で支持は12ポイント減り、不支持が支持を上回った。

NHKの調査でも直近の支持率は41%、前週より3ポイント減。不支持は3ポイント上がり35%となった。この傾向は共同、毎日などの調査でも同じで、「総選挙が迫るにつれ自民党支持が減っている。珍しい事態だ」と関係者は分析する。 記事全文>>

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総裁選断念 岸田首相の大罪
戦後を戦前に変えた米国追従
『山田厚史の地球は丸くない』第269回

8月 16日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

8月14日午前、テレビ画面にニュース速報が流れた。「岸田首相、総裁選に立候補せず」。一瞬、驚いたものの、ひと呼吸おいて考えれば、「出馬断念」以外に選択肢はなかった。大統領選を断念したバイデンと同じである。本人はまだやりたかっただろうが、出馬しても勝ち目は薄い。敢えて再選にこだわれば自民党内で顰蹙(ひんしゅく)を買うだけである。

世論調査が弾き出す支持率は20%台。6月の国政補欠選挙では3つの選挙区で一つも取れなかった。岸田文雄総裁・麻生太郎副総裁・茂木敏充幹事長が自民党を仕切る3頭政治の足並みはもつれていた。岸田に勝機があったとすれば、麻生が接着剤になって「次は茂木で」と密約を交わし、3派の結束を固めて多数派工作に突き進む以外なかった。仮に、それで勝ったとしても、先に展望はない。

「岸田再選・首相続投」となれば、世間はしらけるだろう。党内政治の手練手管で権力を維持しても「変わらない自民党」への風当たりは強まるだけ。来年7月の参議院選挙でボロ負けし、責任をとって辞める、というのがオチではないか。地方組織からは「岸田で選挙は戦えない」との声が上がっている。 記事全文>>

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石破茂「日本は独立国ではない」
政治家が口閉ざす「日米同盟の闇」
『山田厚史の地球は丸くない』第266回

6月 28日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「私は、日本は独立国ではないと思っています」。自民党元幹事長・石破茂さん(67)の口からこぼれたひとことに、自民党政治家とは思えない正直さを感じた。

「失われた30年」を検証する民間人の学習会でのことだ。バブル崩壊後の日本で、政治が劣化していったのはなぜか、石破さんを呼んで話を聞こうということになった。

率直なやりとりができるよう発言はオフレコ。「ここだけの話」とすることで石破さんは引き受けてくれた。 記事全文>>

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東京都知事選 「小池劇場」最終章
変節 親自民 仲間の離反
『山田厚史の地球は丸くない』第265回

6月 14日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

およそ政治の表舞台に似つかわしくない人物が、「学歴詐称」で揺れる「小池劇場」に割って入った。朝堂院大覚(ちょうどういん・だいかく)氏。元ナミレイ会長で武道家でもあるが、石油権益や途上国の開発案の裏で名前が取りざたされ、「最後のフィクサー」とも評される怪しげな人である。6月11日に東京都庁クラブで記者会見した。小池百合子氏が一家でカイロに渡った経緯や、カイロ大学での進級試験に落第したことなどを語り、「『カイロ大学中退』と言えばよかった。卒業はウソです」と語った。

ほとんどの大手メディアは無視したが、会見の模様はユーチューブにアップロードされ、小池都知事の学歴詐称疑惑を注視する人たちの間では、「反論しようがない証言」などと言われている。 記事全文>>

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「政治の潮目」変わったか?
岸田・小池・蓮舫の現在地
『山田厚史の地球は丸くない』第264回

5月 31日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

全国各地の選挙で「自民党の敗退」が目立っている。

5月26日の静岡県知事選では自民党が推薦した元副知事・大村慎一氏が、立憲民主党などが推す元浜松市長・鈴木康友氏に敗れた。川勝平太前知事が「不適切発言」の責任をとって辞任し、急きょ行われた選挙で自民党は失地回復を狙ったが、果たせなかった。

自民党は4月28日の「国政3補欠選挙」で全敗するなど勢いにかげりが見えていた。保守地盤の厚い静岡県での敗退は、「有権者の自民離れ」を印象づけた。 記事全文>>

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世界の中心で「脱平和国家宣言」
岸田はなにしにアメリカへ
『山田厚史の地球は丸くない』第261回

4月 19日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

岸田首相にとって訪米は、「ご機嫌な息抜き」ではなかったか。段取りは事前に決まり、互いを称(たた)え合うだけの首脳会談、議員が立ち上がって拍手するスタンディングオベーションが繰り返された上下両院合同会議での演説。日本政府は「大成功」とご満悦だが、先方が喜ぶ言葉を並べれば、万雷の拍手が返ってくるのは当然だろう。

大統領専用車「ビースト」の車内で撮った2ショットが、ホワイトハウスから世界に発信された。装甲車並みに分厚い鉄板で覆われたビーストに乗せてもらえるのは「気の許せる友人」の扱いだという。笑みを浮かべるバイデンの隣で、無邪気に喜ぶ岸田のゆるみきった表情。この無防備さが、首脳会談の本質をさらけ出した。 記事全文>>

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どうする「北朝鮮との外交」
「転機」迎えた拉致問題
『山田厚史の地球は丸くない』第260回

4月 05日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

日本政府は、北朝鮮と密かに接触し「日朝首脳会談」を模索しているらしい。その兆候は北朝鮮側から発信された。

今年元日に起きた能登半島地震に、金正恩朝鮮労働党総書記が、被害を見舞う電報を岸田文雄首相に送った、と北朝鮮メディアが報じた。「被災地の人々が一日も早く立ち直り、安定した生活を取り戻せるよう祈ります」と深い同情と哀悼の意を表明したという(1月5日付)。

林芳正官房長官は1月6日の記者会見で「感謝の意を表したい」と述べながらも返信については、明言しなかった。

悪口雑言を得意とする北朝鮮が、丁重なお見舞いを寄せるなど、きっと何かがある、と多くの人は感じただろう。 記事全文>>

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成果があった政倫審
見えた政治家の倫理観
『山田厚史の地球は丸くない』第258回

3月 08日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「政治倫理審査会」とは、読んで字の如(ごと)く、である。政治家の倫理感が丸わかりになる審査会だった。たいした期待はしていなかったが、いまの政治家は、この程度の人物なのか、ということがよく理解できた。自民党派閥を舞台にした裏ガネづくりは、いつ、どこで、だれが、どんな意図でなされたか、など肝心なことはさっぱりわからなかった。それはそうだろう。政倫審はウソついたら偽証罪になる国会喚問とは違う。疑いをかけられた政治家の「弁明の場」として設けられた。 記事全文>>

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兵器輸出を認めますか
大事なことは「密室で」
『山田厚史の地球は丸くない』第256回

2月 09日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

武器は輸出しない。殺傷力のある兵器を外国に売って儲けるなんて、めっそうもない。それが、平和主義を憲法に掲げた日本のやり方だった。ところが今、急旋回している。

自民党は公明党と話をつけ、殺傷能力のある兵器を輸出できるよう法律の「運用基準」を変える、という。こんな大事なことを、国民の声が届かない「与党協議」で決めてしまっていいのか。「裏ガネ」で皆が騒いでいるうちに「日本の針路」がねじ曲げられようとしているのだ。 記事全文>>

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