п»ї 経済 | ニュース屋台村
1 12 13 14 15 16 90

「地政学」について考える(その4)-米中対立
『視点を磨き、視野を広げる』第55回

10月 21日 2021年 経済

LINEで送る
Pocket

古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

はじめに

米中対立の行方と日本の選択について考えたい。前稿では国際政治学者の佐橋亮著『米中対立――アメリカの戦略転換と分断される世界』を参考にしたが、佐橋は米中国交回復後の過去40年間の米中関係は、米国が主導し中国は受動的であったとする。要約すれば――国交回復後の米国は中国の発展を支援した(「関与と支援」)。その背景には中国への三つの期待(市場化改革、政治改革、国際秩序への貢献)があった。しかし、期待は裏切られ、経済成長を続けた中国は経済力、軍事力で米国に対抗しうる超大国となった。この状況に不信と危機感を抱いた米国は長年の関与政策からの転換を図り、それに反発する中国と対立するに至った――となる。

記事全文>>

コメント

新首相・岸田文雄を信用できます?
『山田厚史の地球は丸くない』第198回

10月 15日 2021年 経済

LINEで送る
Pocket

山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

歩き方は、のっしのっし。風貌(ふうぼう)は、端正なお坊ちゃん。印象として、悪い人ではなさそう。でも、この人に国政を任せて大丈夫だろうか。そんなおぼつかなさを感じさせる新首相である。

国会は10月14日、解散した。衆議院選挙は19日に公示され、本格的な選挙戦が始まる。前回から丸4年。有権者はやっと国政に「一票」で参加できる。

 衆議院選挙は政権選択選挙だ。問われるのは「岸田政権を支持するか」。有権者は判断に迷うのではないか。政権の実像がまだはっきりしない。

新首相は国会で所信表明演説を行い、各党から代表質問を受けたが、答弁は紋切り型。予算委員会などで丁々発止の論議はない。なによりも不安なのは、岸田文雄という政治家が、なにを考えているかよくわからない。この首相は、どこを目指し、なにをしようとしているのか。ギラギラした野心は見えない。ただ首相になりたかっただけなのか。政権の核心にモヤがかかったまま、総選挙に突入する。

記事全文>>

コメント

やさしく理解する世界の水資源問題と日本への影響
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第203回

10月 08日 2021年 経済

LINEで送る
Pocket

小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

はじめに

「人間は水と空気がなければ生きていけない動物だ」と言われる。一方で私たち日本人は「水と空気はただ(無料)だ」と思っている。しかし世界に目を転じると、水が入手できずに生命の危険に瀕している人たちが何億人と存在しているのである。前回第202回のニュース屋台村「正しく理解しよう!CO2問題と日本の立ち位置」(2021年9月24日付)で世界における地球温暖化問題の対応について取り上げたが、水資源問題も世界的には極めて関心の高い課題である。世界的に水資源の枯渇が危惧(きぐ)される中で、日本は果たして無傷でいられるのであろうか? 今回はデータを活用した科学的分析を試みることにより、水資源問題の現状と今後の課題を考えてみたい。

記事全文>>

コメント

「人口オーナス時代」の成長率を試算する~年率0.8%超の生産性向上が必要に(4)【連載企画:人口動態と労働市場(全5回)】
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第48回

10月 06日 2021年 経済

LINEで送る
Pocket

山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

前回、労働力の「自然減」は今後25年間で全体の約2割に達し、「社会増」で打ち返すのが難しくなると述べた。理由は、①生産年齢人口(15~64歳)の減少加速と、②高齢人口のスローダウンである。少子化の影響は、ついに高齢人口にも及んでくる。

ただし、総人口の減少とともに総需要も縮小するので、「自然減」をすべて埋めなければならないわけではない。問題は、労働力の減少スピードが総人口の減少を凌駕(りょうが)し、労働供給力の縮小が需要を上回る速さで進むことだ。この結果、人手不足が深刻になる。

では、どれほどの「社会増」と「生産性向上」があれば、私たちは子や孫の世代に豊かな社会を引き継ぐことができるだろうか。簡単に試算してみよう。

記事全文>>

コメント

分裂の危機・連合から女性会長-労働運動はだれのもの?
『山田厚史の地球は丸くない』第197回

10月 01日 2021年 経済

LINEで送る
Pocket

山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「労働運動のナショナルセンター日本労働組合連合会(連合)は、10月6日に開かれる大会で、3期6年務めた神津里季生会長の後任に、芳野友子副会長(55)を充てる方針を決めた。芳野氏は、ものづくり産業労組連合(JAM)が出身母体、選任されれば連合史上初の女性会長となる」

そんなニュースが9月28日、一斉に流れた。連合の神津会長は知られた顔だが、「芳野友子」という名を知っていた人は、ほとんどいなかったのではないか。

記事全文>>

コメント

正しく理解しよう!CO2問題の現状と日本の立ち位置
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第202回

9月 24日 2021年 経済

LINEで送る
Pocket

小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

1.はじめに

 2021年8月、気候変動に関する政府間パネルの第6次評価報告書(第1作業部会)が公表された。同報告書は、地球温暖化による気候の広範囲かつ急速な変化は、これまで何世紀もの間前例のなかったものであると警告し、世間で大きな注目を集めている。世界はすでに二酸化炭素(CO2)削減へ向けた取り組みを加速させているが、日本は他国に大きく出遅れてしまっている。今回はCO2問題を基本から説明するとともに、世界の取り組みを紹介することにより日本の立ち位置を考えてみたい。

記事全文>>

コメント

「地政学」について考える(その3)ー米中対立(1)
『視点を磨き、視野を広げる』第54回

9月 21日 2021年 経済

LINEで送る
Pocket

古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに――米中新冷戦

今回は米中対立を地政学的な視点から考えてみたい。地政学が示すのは、覇権国に対して新興の大国が挑戦すると最終的に戦争に至るという歴史上の教訓だ。現在の覇権国米国と新興国中国の対立の構図は同じである。であれば中国は「第1次世界大戦前のドイツ」になるのだろうか。いや、核兵器がある現代においては、大規模な戦争は両国、さらに言えば全世界の破滅につながる。両国はそれを自制する分別をもっているはずである。したがって東西の覇権国がにらみ合った米ソ冷戦のような状態が続くと見て、現在の米中対立を「米中新冷戦」だとする捉え方が一般的である。

記事全文>>

コメント

株価3万円と中国恒大集団の危機-世界は地雷原だらけだ
『山田厚史の地球は丸くない』第196回

9月 17日 2021年 経済

LINEで送る
Pocket

山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

東京証券取引所の日経平均株価(225種)が9月14日、終値で3万670円10銭をつけ、バブル経済以来の最高値となった。

菅義偉首相が退陣、まもなく決まる新首相は積極財政でカネを撒(ま)く、新型コロナは最悪期を脱した、経済復興が始まる――。そんな期待感から「日本株買い」で海外から兜町(かぶとちょう)に資金が流れ込んでいる、という。

コロナ禍の日本経済はゼロ成長近辺でさまよっている。中国やアメリカなどに比べ、回復力は弱い。内需が低調だから。リストラだらけで、賃金が上がらない。消費は低調、国内市場が湿っているから、企業は設備投資に消極的。悪循環のまっただ中にある。

記事全文>>

コメント

「本当の人口オーナス」が始まる 高齢層の働き方は?(3)【連載企画:人口動態と労働市場(全5回)】
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第47回

9月 13日 2021年 経済

LINEで送る
Pocket

山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

「人口動態と労働市場」の第3回として、高齢者の労働参加をみてみよう。高齢の就業者は、近年着実に増えてきた。しかし、長寿に見合った増え方だったかといえば、そうではない。働く期間の延びは、寿命の伸びに追いつかない。

生産年齢人口(15~64歳)の減少スピードは、今後一段と加速する。高齢人口の増加スピードも大幅に鈍る。これまで女性、高齢者の就労増で人手不足を回避してきた日本経済だったが、この姿は続かない。

生産年齢人口が減少に転じて25年。いよいよ「本当の人口オーナス」が始まる。

記事全文>>

コメント

タイのデルタ株感染急拡大の教訓-コロナ禍の日本への提言
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第201回

9月 10日 2021年 経済

LINEで送る
Pocket

小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私の暮らすタイでは、今年4月から新型コロナウイルスのデルタ株の感染急拡大の脅威にさらされてきた。デルタ株の感染が始まったころのタイの様子については、「ニュース屋台村」の拙稿第192回「感染急拡大 タイのコロナ狂騒曲」(2021年4月19日)と第193回「コロナ禍で透けて見えるタイ政治の深層」(21年5月7日)で報告させていただいた。しかしその後のデルタ株の感染拡大の勢いはすさまじいものがあった。その感染力のすごさを再確認するためにも、まずは感染者数などの主要計数(2週間ごと)を見ていただきたい。

記事全文>>

One response so far

1 12 13 14 15 16 90