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「国際特許」なんてありません
『知的財産:この財産価値不明な代物』第3回

3月 18日 2016年 経済

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森下賢樹(もりした・さかき)

プライムワークス国際特許事務所代表弁理士。パナソニック勤務の後、シンクタンクで情報科学の世界的な学者の発明を産業化。弁理士業の傍ら、100%植物由来の樹脂ベンチャー、ラストメッセージ配信のITベンチャーなどを並行して推進。「地球と人にやさしさを」が仕事のテーマ。

3月16日、世界知的所有権機関(WIPO)が2015年の特許の国際出願件数を発表しました。中国の華為技術(ファーウェイ)が2年連続で首位、日本勢は三菱電機、ソニー、トヨタ自動車、パナソニック、日立製作所、シャープが20位までに入っています。韓国はサムスン電子が4位、LG電子が7位でした。

とまあ、時事ネタでスタートしましたが、そもそも「国際出願」とは何でしょうか。国際出願をすれば「国際特許」が得られるのでしょうか。実は「国際出願」は存在しても、「国際特許」なるものは存在しません。
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原発推進派の憂鬱 震災から5年―再稼働推進は「カラ元気」?
『山田厚史の地球は丸くない』第64回

3月 11日 2016年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

今日は3月11日。5年前のこの日、東日本大震災が起き、津波が大勢の命を奪い、福島第一原発が爆発した。

「被害」は終わっていない。いまでも10万人が住み慣れた土地から離れ暮らしている。「震災関連死」は宮城、岩手、福島の3県で3405人という。数字の裏には、病を抱えながら施設を転々したり、頼る人もなく食事も介護もままならないでいたりする高齢者など、理不尽な思いで生涯を終えた人たちがいる。
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先送り発想は衰退の始まり
『経営コンサルタントの視点』第20回

3月 11日 2016年 経済

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中野靖識(なかの・やすし)

株式会社船井総合研究所上席コンサルタント。メーカーから小売業まで幅広いコンサルティングフィールドを持つ。一般消費者向けの商材を扱う企業の現場レベルでの具体的な販売手法の提案を得意とする。

ここ最近、日本国内では為替、株価の話題が多くなっていますが、日銀のマイナス金利政策の影響で、普通預金や定期預金、住宅ローンの金利を引き下げる動きが出ている一方、円相場と株価は大きく乱高下。日本国債も資産リスクが拡大し、差し引きしてみると、実質的な国内経済活動そのものにはいまだに良い影響が出せるほどではないようです。

経済関連のニュースの傍らで、「保育園落ちた」という匿名投稿が大きな話題になっていますが、子供を持ちにくい状況が改善されないと、将来の国力に影響する深刻な問題です。
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アジアでのM&Aリスクと留意すべき点
『国際派会計士の独り言』第2回

3月 11日 2016年 経済

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国際派会計士X

オーストラリア及び香港で大手国際会計事務所のパートナーを30年近く務めたあと2014年に引退し、今はタイ及び日本を中心に生活。オーストラリア勅許会計士。

最近、日本企業の直接海外投資、特にアジアや欧米の企業の合併・買収(M&A)による投資が急増しています。製造業だけでなく、例えば成熟した国内市場から新たな市場を獲得・拡大したい東京海上日動や明治安田生命などの幾つかの保険会社による欧米保険会社買収、サントリーに代表される酒類を含む飲料食品会社による海外大手買収、日本郵便によるオーストラリア運輸業大手買収など大型化するとともに、M&Aを手がける業界も内需型企業を中心に多岐にわたっています。日本での業績回復による余裕資金を一つの背景として、超円高時期に行われた海外M&Aの流れは、円安に転じてからも続いていると言えます。

◆リスクは買収後もある

海外M&Aは、グリーンフィールド投資(法人を新しく設立し、設備や従業員の確保、チャネルの構築や顧客の確保を一から行う投資)に比べて新規市場での事業拡大までの時間と手間を節約できるほか、事業ポートフォリオの見直しなどがしばしば利点や目的と言われています。
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中国の崩壊はいつ来るのか?
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第64回

3月 04日 2016年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住18年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

最初に断っておくが、私は中国の専門家ではない。中国語が理解できるわけでなければ中国人の友人がいるわけでもない。しかし、日本やタイの経済・社会を話す時に中国のことを無視して話すことができないほど、中国の存在感は急速に増してきている。

一方で、江沢民以降、中国国内の不満を抑えるために始まった反日キャンペーンや隣国ゆえに発生する軍事外交上の軋轢(あつれき)から、日本人の中にも強烈な嫌中感情が芽生えた。更には中国の公式発表の経済データの信頼度の低さから、本当の中国の姿が分からなくなってきている。
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移民・難民は「貧困の可視化」
『山田厚史の地球は丸くない』第63回

2月 26日 2016年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹

「米国労働者を破壊しかねない為替操作には断固たる措置を取る必要がある」

ヒラリー・クリントン氏は地方紙に寄稿し、日本や中国を名指して「通貨価値を人為的に下げることで商品を安く抑えてきた」と非難した。
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不適切会計と監査
『国際派会計士の独り言』第1回

2月 26日 2016年 経済

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国際派会計士X

オーストラリア及び香港で大手国際会計事務所のパートナーを30年近く務めたあと2014年に引退し、今はタイ及び日本を中心に生活。オーストラリア勅許会計士。

筆者は30年近くパートナーとしてオーストラリア、中国などアジアパシフィックにある大手国際会計事務所で、主に日系進出企業のプロフェッショナルサービスに従事してきました。それらを通じて得た知識や経験を基に、筆者なりの視点で書かせてさせていただきたいと思います。

昨今、経済界を震撼(しんかん)させたオリンパスや東芝の不適切な会計問題がメディアを賑わしました。ここでこれらの問題と直接関係し、その一つの局面として捉えられる監査を行う監査人に求められるものと、その課題について私見をまとめたいと思います。
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目の前の「バブル崩壊」に備えよう
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第63回

2月 19日 2016年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住18年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

30年近く国際金融の最前線に立って仕事をしてきた私の持論のひとつに「金融緩和は資産バブルを引き起こすが、長期的な経済成長にはほとんど寄与しない」というものがある。金融緩和による資産バブルはその後にバブルの崩壊という悲劇を生み出す。1980年初頭の中南米危機、87年のブラックマンデー、97年のアジア通貨危機、2008年のリーマン・ショックとほぼ10年サイクルでこうした危機が訪れている。

加えて世界経済のグローバル化、情報や資金循環の高速化、さらに世界的な資金量の増加により、バブル崩壊時のインパクトは従来以上に大きくなり、かつ全世界へと波及する。今年初めより変調をきたし始めた世界経済はまさにこの金融緩和の負の回転が回り始めたことに起因する。01年に端緒をきった日本の金融緩和と08年のリーマン・ショック以降に始めた欧米の金融緩和が世界経済に与えた影響を見ることにより、その逆回転事象が起こるバブル崩壊のインパクトを予測してみたい。
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中国に呑まれる日本 鴻海を選んだシャープ
『山田厚史の地球は丸くない』第62回

2月 12日 2016年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

我が家のテレビはシャープ亀山工場製である。新聞社を退職した時に買った。そのころのシャープには勢いがあり、独自の液晶技術は、電気店で並ぶ各社の製品の中で、ひときわ鮮やかな色彩を放っているように見えた。

その液晶投資が命取りとは残念である。技術を経営に生かせず、多額の有利子負債が重荷になったという。救済は、政府の肝いりである「産業再生機構」の主導で進む、と思っていた。ところが台湾に本社を置く鴻海(ホンハイ)精密工業が乗り出し、シャープを傘下に組み込むという。
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「夏休み」で処理できない欠勤
『実録!トラブルシューティング』第26回

2月 12日 2016年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、「緊急夏休み届」に関するトラブルについてご紹介します。タイの労働者保護法では、1年以上勤務した労働者には6日以上の年次有給休暇(夏休み)の付与が義務付けられています。A社では、勤続年数を問わず1年以上勤務した全社員に一律年間6日間の夏休みを与え、消化しきれない場合は翌年への繰り越しは合計で12日までとし、繰り越せない分の有給休暇の買い取りは無し、と定めています。

◆皆勤手当のために考えた裏ワザ

ここで、タイ人社員から変わった問い合わせがありました。「事故や病気などで会社に行けない場合に緊急夏休みを取得したい」とのことです。タイでは労働者には年に30日まで特別休暇と呼ばれる傷病休暇があります。
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