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「アスリート・ファースト」って何だ!
『山田厚史の地球は丸くない』第53回

9月 04日 2015年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

新国立競技場を巡るドタバタの中で、盛んに飛び交うようになった言葉が「アスリート・ファースト」。平たく言えば「競技者のことを一番に」ということだろう。

建設費1550億円。決めた関係閣僚会議の見直しの方針に「アスリート・ファースト」があった。安倍首相も「アスリート・ファーストで」と念を押した。「だったら、今まではなんだったんだよ」と突っ込みを入れたくなる。アスリート・ファーストではなかった、と言っているのと同じだ。そこで思い出したシーンがある。
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フランス人は10着しか服を持たない
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第53回

8月 28日 2015年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住17年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私の若い頃、フランスは憧れの国であった。マネやピサロなどパリ市内や郊外の風景を光と共に表した美しい絵画は(それまでの重苦しい宗教画と大きく異なり)、青春時代の希望に満ちた若者の心を打つものであった。

エディット・ピアフやバルバラの暗くけだるいシャンソンの響きには、歌詞の意味も分からずに酔いしれた。映画の世界も「太陽がいっぱい」「シェルブールの雨傘」「男と女」「さらば夏の日」などフランス映画全盛の時代であり、アラン・ドロンやカトリーヌ・ドヌーヴの美しさに圧倒されたものであった。
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「三現主義」を貫く
『ものづくり一徹本舗』第25回

8月 28日 2015年 経済

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迎洋一郎(むかえ・よういちろう)

1941年生まれ、60年豊田合成入社。95年豊田合成タイランド社長。2000年一栄工業社長。現在中国、タイで工場コンサルタントを務める。自称「ものづくり研究家」。

私生活や仕事上では、いろいろな人たちとのお付き合いがある。いろいろな人たちとお付き合いをしていると、話の行き違いやすれ違い、議論での衝突、さらには経験話への感服などがあり、人生は面白かったり、落胆したりである。人生さまざまな出来事に遭遇するが、こと仕事となると「人との付き合い方」も成功に結びつかなければ悔いが残るものである。「人の話をどう受け止めれば正しく理解できるか」。今回は、最近の経験も含めてこのお話を紹介してみたい。

◆台風の夜のスズメ捕り

これは今から40年ほど前の私の実体験の話である。中学時代の同期会が故郷の長崎・佐世保で催され、50人前後の同級生が集まった。楽しく皆で語らった後、まだ帰りたくないと言う男性10人ぐらいが2次会と称し車座で雑談を始めた。場が盛り上がってきたところで、K君が一同に向かって「スズメを効率的に沢山捕まえる方法を教えてやろうか」と提案してきた。
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安保法制とTPPはリバランスでつながる
『山田厚史の地球は丸くない』第52回

8月 21日 2015年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

会合のたびに「大筋合意か」と伝えられてきた環太平洋経済協力連携(TPP)は、どうやら暗礁に乗り上げたようだ。あいまいな表現をするのは、TPPは各国に「守秘義務」を課し、交渉内容は国会にさえ報告されないからだ。
 とはいえ、12か国が参加し20を超える分野で政府関係者が交渉しているのだから、情報は漏れてくる。伝えられるところによると、最大の障害は「知的財産権」だった。著作権や特許権、具体的には薬品特許やディズニー映画の放映権などを何年後から無料開放するか。「知的財産」で儲けたい先進国とカネを吸い上げらえるのがイヤな途上国の対立が解けなかった。

◆先進国の都合で進められてきた経済交渉

TPPは、経済から国境を無くし関税や制度を一つにしようという試みだ。競争力をむき出しにしてビジネスをしようという自由貿易の考えが土台にある。対等な競争では分(ぶ)がない途上国は不安だ。先進国に度量があった頃は、途上国の主張をのむこともあったが、グローバル化で多国籍企業が世界市場を席巻する昨今、甘い話はできない。その対立をTPPは超えられなかった。
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10年ぶりのシンガポールで感じたこと
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第52回

8月 14日 2015年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住17年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

シンガポールを訪問したのは10年ぶりである。もちろんシンガポールの観光旅行など初めてである。なぜ「もちろん」などという言葉を使うのかと言えば、2回目の米国赴任から帰国した1994年以降、世界各地、日本各地を多く訪問してきたがいずれも業務出張で、観光地に立ち寄ったことなどない。そんなわけで、シンガポールも東海銀行やバンコック銀行のオフィスを訪問した以外に空港の風景しか覚えていない。

空港内の風景はうっすら覚えている。シンガポール市内には5回ほどしか行ったことがないが、シンガポール空港には20回近く行っているからである。94年に米国赴任から帰国したあと、私は東海銀行国際企画部次長などの職務を兼務し、国際部門や資金証券部門の再構築の仕事を行っていた(ニュース屋台村拙稿5月22日付「わが同朋の死を悼んで」をご参照下さい)。
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金曜日には気をつけて
『実録!トラブルシューティング』第17回

8月 14日 2015年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、これまでも何度か紹介してきた日系企業とタイ企業との合弁会社のトラブルについて、またまた警察を巻き込んだケースを紹介します。

ある金曜日の午後、留置所から電話をかけてきたのは、タイ側の合弁パートナーとのトラブルを抱えていた日本側の現地法人社長のTさんです。「普段通りに仕事をしていたら突然警察官が会社にやって来て、車で留置所に連行されてしまった!」と必死の声です。連行された根拠はタイ側パートナーの訴えによるものとのこと。T社長がタイ側パートナーに借金をして、その借金が返済されていないという訴えだそうですが、警察に捕まるという事態に発展するとは思いもよりませんでした。
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怒れ愛国者諸君!! 盗聴されて抗議できない同盟関係
『山田厚史の地球は丸くない』第51回

8月 07日 2015年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「仮に事実であれば、同盟国の信頼関係を揺るがしかねないものであり、深刻な懸念を表明せざるを得ない」

これが精いっぱいの表現らしい。安倍首相が電話した相手はバイデン米副大統領だった。ウィキリークスが暴露した盗聴へのリアクションがこれだ。米諜報(ちょうほう)機関が日本政府や大手企業の要人を盗聴していた。
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成長している最中に実は破滅の芽
『経営コンサルタントの視点』第18回

8月 07日 2015年 経済

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中野靖識(なかの・やすし)

株式会社船井総合研究所上席コンサルタント。メーカーから小売業まで幅広いコンサルティングフィールドを持つ。一般消費者向けの商材を扱う企業の現場レベルでの具体的な販売手法の提案を得意とする。

日本国内では、7月後半からいきなり真夏に突入したような状況になり、6月には天候不順で冷夏になることを心配されていましたが、むしろ記録的な猛暑になりそうです。
6月までの動きを見て、業界によっては盛夏商品の生産調整を実施せざるを得ない状況でもありましたので、単純に暑くなって良かったとは言いにくい状況です。

経済産業省の商業動態統計6月分速報によると、平成27年6月の商業販売額は38兆4360億円、前年同月比0.9%の増加で、卸売業、小売業別にみると、卸売業は26兆9790億円、同0.9%の増加、小売業は11兆4570億円で同0.9%の増加となったそうです。
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携帯電話依存症になっていませんか
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第51回

7月 31日 2015年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住17年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

日本に出張で帰ると、私には奇異に映る光景が幾つかある。日本の電車では老若男女を問わず、乗客が席を取り合う。バンコクの電車では老人や女性がいると皆、率先して席を譲るのが当り前である。ところが日本では、若い学生であってもドアが開くと走って席を目指す。そしてすぐに携帯電話を取り出す。よくよく見ると、座席に着いている人の8割程度の人が携帯電話をいじっている。それとなく観察してみているとメールやラインを送っている人、ゲームをしている人、ブログを読んでいる人など様々なようである。しかし無言で黙々と携帯電話に向かっている姿は、私には気持ち悪く映る。

◆スマホ登場で激変した日常の風景

私にとってもっと解せないのは、レストランやカフェで若い男女が向かい合って座っているに、2人はほとんど話もせず携帯電話をいじっているのである。これでは何のためのデートなのかわからない。ひょっとしたら2人テーブルで向かい合いながら、メールで会話のやりとりをしているのではないかと勘ぐってしまう。
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FT買って何するの? 日経の買収は喜んでいいのか
『山田厚史の地球は丸くない』第51回

7月 24日 2015年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

今日(24日付)の朝刊に「日経が英FT買収」という白抜き見出しが躍った。FT(ファイナンシャル・タイムズ)はビジネスリーダー必読の経済紙である。失礼だが、日本経済新聞など足元に及ばない権威あるグローバルな媒体だ。

部数は電子版を含めて73万7000部という。買収金額は8億4400万ポンド(約1600億円)。高いか安いかは日経がFTをどう生かすか次第だろう。
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