小澤 仁(おざわ・ひとし)
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住16年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。
日本にいるとあまり実感がないかも知れないが、今や日本の製造業はジリ貧状態にある。日本の屋台骨を支えているのは唯一、自動車産業のみである。しかし、日本の自動車産業も生き残りが可能か否かの瀬戸際に立たされているように思える。日本を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車や本田技研工業も当然、大変な危機感をもって自社の経営戦略を立てていることは私も十分承知している。今回は、外部の眼から見た日本の自動車産業の問題点を、私なりに検討してみたい。
◆米のものまねから始まった日本の自動車産業
2014年3月22、23の両日にわたりTBS系列で放映された「リーダーズ」というテレビドラマは日本の自動車産業の興盛期をつづったものであり、特にトヨタ自動車及び関連会社にお勤めであった方々からは大きな支持を得た番組である。そこには、アメリカで開発された自動車を国民化したいという熱い思いの人々が描きだされ、創意工夫の中で夢を実現していった話が展開されている。
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