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ペナンの英国国教会の聖堂で考える
『マレーシア紀行』第2回

2月 07日 2014年 国際

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マレーの猫

エネルギー関連業界で30年以上働いてきたぱっとしないオヤジ。専門は経理、財務。実務経験は長く、会計、税務に関しては専門家と自負。2012年からマレーシアのクアラルンプールに単身赴任。趣味は映画鑑賞、ジャズ、ボサノバ鑑賞、読書。最近は浅田次郎の大ファン、SF小説も

マレーシアでの駐在期間が比較的短く、この国のことをあまり知らない私があれこれ書くのは気が引けるが、旅行記第2弾を書くことをお許しいただければと思う。

今回私が紹介させていただく場所は、マレーシア国内では比較的観光地としても有名なペナン(Penan)島。現在も世界中から多くの観光客が訪れている島である。日本人でもマレーシア観光に来られた方は、ご存じの方が多いのではないかと思うが、同島は南北約24キロ、東西12キロのインド洋に浮かぶ大きな島で、人口は約70万人である。
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「日ASEAN友好協力40年」を振り返る
『ASEANの今を読み解く』第5回

1月 24日 2014年 国際

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助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。専門は ASEAN経済統合、自由貿易協定(FTA)。2013年10月までタイ駐在。同年12月に『ASEAN経済共同体と日本』(文眞堂)を出版した。

◆稼ぎ頭に成長したASEAN

2013年は、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)との対話が始まって40周年を迎えた記念すべき年であった。1年を通じて様々な交流事業が行われたが、安倍首相は「ASEAN外交5原則」を掲げ、この1年でASEAN加盟10カ国を全て歴訪した。「ASEANの年」の総仕上げが12月に東京で行われた日ASEAN特別首脳会議であった。ここでは「日ASEAN友好協力ビジョン・ステートメント」と「地球・地球規模課題に関する共同声明」を発出した。

この40年にわたる友好協力の歴史は、1973年に第1回日・ASEAN対話(合成ゴムフォーラム)に始まる。以降、日本とASEANとは官民合わせて多数の対話のチャネルを持つに至るなど、その関係は確実に深化した。
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タワウでしのぶ和僑のたくましさ
『マレーシア紀行』第1回

12月 20日 2013年 国際

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マレーの猫

エネルギー関連業界で30年以上働いてきたぱっとしないオヤジ。専門は経理、財務。実務経験は長く、会計、税務に関しては専門家と自負。昨年からマレーシアのクアラルンプールに単身赴任。趣味は映画鑑賞、ジャズ、ボサノバ鑑賞、読書。最近は浅田次郎の大ファン、SF小説も

マレーシアでの駐在期間がまだ短く、この国のことをあまり知らない私があれこれ書くのは気が引けるが、今回旅行記を書くことをお許しいただければと思う。

マレーシアの紀行文は、昔にさかのぼると昭和初期に詩人の金子光晴がマレー半島を旅してその時のことをまとめている。またノンフィクション作家の山崎朋子が『サンダカン八番娼館』を書き、その後映画にもなったので、マレーシアのサンダカンという地名は日本人にもなじみがあるのかもしれない。
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「嫌タクシン派」衰えず―再び不安定化したタイ政情
『東南アジア観察記録』第1回

12月 06日 2013年 国際

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記者H

日本のメディア勤務。経済記者として20年。現在、東南アジア経済と政治を勉強中。趣味はゴルフと自転車、山歩き。「週末は書を捨て原っぱへ」がモットー。

タイ政情が再び不安定化している。2000年代前半、タイ経済を立て直し、政治的、社会的に圧倒的な人気と権力を掌握した元首相タクシン・シナワット氏をめぐる国内対立が再燃したのだ。今年11月に火を噴いた反タクシン・反政府デモは、タクシン氏に強く反発する勢力の力がいまだ衰えていないことを改めて示した。

◆唯一の対立軸

ここ数年のタイ政治の対立軸は、イデオロギーや政策ではなく、「タクシン」というただ一点に尽きると言っていい。11月に始まった反政府デモは、有罪判決を受け、“国外逃亡中”の身となっているタクシン氏を無罪放免とし、帰国を実現させるという法案が下院で強行採決されたことが直接のきっかけとなった。
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首相内外記者会見の舞台裏
『記者Mの外交ななめ読み』第6回

11月 22日 2013年 国際

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間100冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

安倍晋三首相が17日、ラオス、カンボジア訪問を終了し、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国をやっと一巡した。ビエンチャン発の日本の報道各社の首相同行記者のリポートは、ラオスのトンシン首相との首脳会談の内容よりも、安倍首相が就任からほぼ1年かけてASEAN10カ国すべてを訪問し終えた意味合いや意義付けに紙面の多くを割いていた。

18日付の朝刊各紙の見出しだけを見ても、「首相、ASEAN詣で 全10カ国訪問 経済・安保 中国を牽制」(朝日)、「ASEANで復権模索 首相10カ国歴訪 中国をけん制」(毎日)、「首相 ASEANに足跡 1年で全10か国訪問 安保・医療で中国けん制」(読売)と酷似しており、各社の官邸記者クラブ詰め記者がぞろぞろ同行しなくても、一人の代表取材で済みそうな、横並びの内容だった。このうち読売は、19日付で社説でも取り上げ、「ASEAN外交 安保・経済で戦略的な連携に」と論陣を張った。
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「硬」「軟」を織り交ぜASEANに接近する中国
『ASEANの今を読み解く』第4回

11月 15日 2013年 国際

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助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。専門は ASEAN経済統合、自由貿易協定(FTA)。2013年10月までタイ駐在。今年12月に「ASEAN経済共同体と日本」(文眞堂)を出版する。

◆ASEANに期待を裏切られたフィリピン

2012年、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国のカンボジアは、南シナ海問題を巡る加盟国同士の対立から、ASEAN外相会議で共同声明をまとめることは出来なかった。さらに、11月のASEAN関連会合で、議長国カンボジアがいったんは「ASEANと中国とは、南シナ海問題の国際化に反対することで合意した」と発表したものの、フィリピンやベトナムなど他のASEAN 加盟国にそれを否定されるなど、議長国として失態を演じた。

南沙諸島に対する中国の実効支配の動きを牽制(けんせい)すべく「ASEAN」に期待したフィリピンであるが、その期待を裏切られ、「一つのASEAN」として声をあげるのは困難であることを痛感、自ら動き始めた。
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大使の品格
『記者Mの外交ななめ読み』第5回 

10月 25日 2013年 国際

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間100冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

アメリカの次期駐日大使に指名されたキャロライン・ケネディさん(55)がまもなく正式に大使に就任して日本に赴任する。第35代大統領ジョン・F・ケネディの長女。駐日大使としては初の女性である。アメリカの大使は約7割がキャリア外交官で、残り3割は政権が任命する「政治任用」である。ケネディさんの場合、2008年の大統領選での民主党内の候補者指名争いでオバマ氏を支持したことが最大の「功績」とされ、大使ポストが論功行賞に使われたケースと指摘する声が多い。

しかし、はっきり言って、そんなことはどうでもよい。「大使の任務は特別な訓練を受けてきた外交官にしか務まらない」というのは、外交官の勝手な思い込みである。要は、大使としての外交手腕を発揮し、日米関係の緊密化に貢献する働きをすればよいのだ。むしろ、名家出身の女性大使の一挙手一投足が日米双方から注目され、実際本当に緊密なのかどうかよくわからなくなってきている日米の関係にさらに前向きな変化をもたらせばよいのである。
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傾いた「一つのASEAN」の看板
『ASEANの今を読み解く』第3回

10月 25日 2013年 国際

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助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。1998年から2回のタイ駐在で在タイ10年目。現在は主にASEANの経済統合、自由貿易協定(FTA)を企業の利用の立場から調査、解説。著書に「ASEAN経済共同体」(2009年8月/ジェトロ)など多数。

◆禍根を残した2012年のASEAN外相会議

10カ国がまとまることでバーゲニングパワーを発揮してきた東南アジア諸国連合(ASEAN)であるが、前回述べた通り、南シナ海のスプラトリー諸島(南沙諸島)の領有権を巡り、2012年7月のASEAN外相会議で、当時、議長国であったカンボジアと、中国と領有権争いを演じているベトナム、フィリピンとが対立、ASEAN設立以来初めて共同声明が採択されない事態となった。ASEAN間で、それも共同歩調を合わせて対処するはずの対域外国問題で会議が決裂したことは、「ASEANの脆弱(ぜいじゃく)性」を世界に知らしめることになった。

議長国は、特に対外問題でASEANの声が「一つ」になるよう調整を図る役割を担う。カンボジアは加盟10カ国の中では最も遅い1999年にASEANに加盟した。議長はアルファベット順で輪番制になっており、特別な事情がない限り10年に1度しか回ってこない。そのことから、議長国としての「カンボジアの未熟さ・経験不足」を指摘する声もある。
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「好きな国」「嫌いな国」
『記者Mの外交ななめ読み』第4回

9月 27日 2013年 国際

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間100冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

トルコ中部の観光地カッパドキアで9月上旬、旅行中の新潟大学の女子学生2人が地元の男に刃物で殺傷される事件があった。現地からの情報などによると、事件は偶発的に起きたようだ。僕は事件発生後のトルコ当局などの迅速な対応に注目した。

カッパドキアでは、地元の人たちによる追悼行事が行われた。およそ1000人の参加者が、日本語で「トルコ日本友好」「ごめんなさい」などと謝罪・追悼のメッセージを書いたプラカードや日の丸の旗を手に行進し、亡くなった女子学生を悼んだという。また、事件の翌日、東京のトルコ大使館は、現場から逃走したとみられる男の身柄を拘束したと発表(その後、誤認逮捕とわかり、別の男が逮捕されたが)。一方、成田空港では急きょトルコに向かうことになった女子学生の両親を、喪章を付けたセルダル・クルチ駐日トルコ大使夫妻が出迎え、「いつも私たちはそばにいます。何かできることがあればおっしゃってください」と声を掛けた。
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ASEAN Wayとバーゲニングパワー
『ASEANの今を読み解く』第2回

9月 27日 2013年 国際

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助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。1998年から2回のタイ駐在で在タイ10年目。現在は主にASEANの経済統合、自由貿易協定(FTA)を企業の利用の立場から調査、解説。著書に「ASEAN経済共同体」(2009年8月/ジェトロ)など多数。

◆ASEANの交渉力の源泉「コンセンサス」

これまで東南アジア諸国連合(ASEAN)は、加盟10カ国が同じ方向を向くことで、中国や日本などASEANのダイアログパートナー(対話国)などとの交渉において「バーゲニングパワー」を発揮してきた。例えば、筆者が参加の機会を得たASEANとある対話国との閣僚会議で、一部のASEAN加盟国と対話国とで意見の不一致があった。その際、直接的に利害が絡む加盟国が自らの意見を述べ、他の加盟各国が利害加盟国を支えるべく次々とその意見に同調、最後に皆、「ASEANのコンセンサスに従う」という言葉で締めくくった。

これらのやり取りで、対話国は完全に守勢に立たされる。ASEANは直接的に利害が絡む加盟国に最大限配慮する形で、非利害加盟国もコンセンサスを形作り、10カ国による「バーゲニングパワー」を発揮するその姿勢は、正直、対抗するのが難しいと感じた。ASEAN Wayと言われる「内不干渉の原則」と「コンセンサスによる意思決定」の根幹を見た気がした。ASEANの意思決定は決して多数決を採らない。多数決はASEAN内で足並みの乱れを露見させ、「バーゲニングパワー」をそぐ懸念があるためである。
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