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中国が仕掛けた罠から逃れられないジレンマ
「4か国回遊生活」ラオス再訪編
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第8回

8月 23日 2023年 国際

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番いい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも、沿道の草木を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

妻の生まれ故郷のラオスはこの時期、雨期に当たる。しかし日本の梅雨のような降り方ではなく、昼間だと激しい勢いで短時間降ったかと思うと、見る見るうちに雲が散って再び強い日差しが照りつける、ある程度先行きの予想がつくわかりやすい天候だ。

ラオス滞在中にこうしたスコールにたびたび遭ったが、何度か経験するうちに雨が降りだしそうなタイミングがわかるようになった。地面をたたきつけるような激しい雨は、汚れた道路をデッキブラシで一気に洗い流すような勢いで、雨上がりは深呼吸したくなるほどすがすがしい。熱帯モンスーン気候特有のこの時期の気象は、時に50度近くまで気温が上がる暑期や乾期より、私は好きだ。 記事全文>>

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G7広島は「世界分断サミット」
戦争に備え 中国を敵視
『山田厚史の地球は丸くない』第238回

5月 26日 2023年 国際

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

広島で開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、「戦争に備えよ」という空気を醸し出した。ウクライナのゼレンスキー大統領は飛び入り参加で「反転攻勢」を訴え、G7が対ロシア戦にどう協力するが大きなテーマとなった。中国に対しても台湾海峡、経済安全保障、核開発を巡り危険視する発言が相次いだ。広島会合は、G7諸国とロシア・中国が対峙(たいじ)する「新冷戦」に世界が入ったかのような「分断サミット」となった。 記事全文>>

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タイにまた政治の季節がやってきた
5月14日総選挙へ
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第239回

4月 14日 2023年 国際

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

人間は生来、賭け事が好きなようである。もちろん自分のごひいきが勝つことが前提になる。日本のテレビ番組を見ていると、いまだにWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に関する報道、特に大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手の話題で持ちきりである。日本代表の優勝シーンを何度も放映する。WBCの前はサッカーのワールドカップで日本全国が盛り上がった。自分の生活とはあまり関係ないにもかかわらず、人々は自分の思いをその勝負の世界に投影させる。

選挙についても同じようなことが言える。日本の衆参の国会議員選挙の際のテレビ報道を見ているとそれがわかる。主要テレビ各局は選挙速報を流し、当選確実並びに当選の速報のスピードと正確さを競う。見ている方も見ている方である。チャンネルを切り替えながら、各局の獲得議席予想を比較して勝負を楽しんでいる。何を隠そう、私自身のことである。しかし私だけではないに違いない。なぜなら全てのテレビ局が選挙速報しか流していないからである。ふだんテレビをよく見ている人たちはみんな選挙が好きなのである。こんな「みんなが好きな選挙」が私の住むタイでまもなく行われる。 記事全文>>

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台湾有事と主治医C先生の帰境
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第3回

12月 08日 2022年 国際

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記者M(きしゃ・エム)

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。新型コロナ禍に伴う在宅勤務が2年以上続く現在の日課は、15キロ前後のウォーキング。いまのところ、歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。歩きながら四季の移ろいを体感しつつ、沿道の草木を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

今年は、ロシアのウクライナ侵攻(2月)、ペロシ米下院議長の台湾訪問(8月)、中国共産党大会(10月)などを背景に、「台湾有事」という言葉がメディアでかつてないほど頻繁に飛び交った。ただ正直なところ、わが身への影響を考えると、しょせんは「他人事(ひとごと)」だと思っていた。だが最近、台湾有事がまるでバタフライ効果が逆流したように、私自身の日常に意外な形で影響する出来事があった。

「12月に台湾に帰ることになりました。予備役として軍事訓練を受けなければならないんです」

11月半ば、2か月に一度診てもらっているS病院の糖尿病内科部長C先生の診察室に入ると、いきなりこう切り出された。生まれも育ちも台湾のC先生は日本語がきわめて流ちょうである。

私はここ15年ほど血糖値が高めに推移し、2年前までずっとかかりつけの開業医S先生に診てもらっていたが、コロナ禍に伴う在宅勤務で食生活に油断が出たためか血糖値がさらに高くなってしまった。毎日服用している治療薬の処方箋(せん)だけもらおうとS先生のクリニックを訪れたところ、たまたま診察当番だった若いアルバイト医師から一方的に、「このままだと大変なことになりますよ。糖尿病内科のある大きな病院できちんと診てもらったほうがいい」と脅され(当時の私は脅迫されたような印象を持った)、紹介状のあて先として書いてくれたのが、C先生だった。 記事全文>>

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バイデンは親会社の社長? 首脳会談から見える日米同盟の現実
『山田厚史の地球は丸くない』第213回

5月 27日 2022年 国際

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

他人の家を訪れる時、普通は玄関から入る。勝手口から入る人はいない。日米首脳会談のため日本にやってきたバイデン大統領は、玄関口である羽田空港から入らず、在日米軍横田基地(東京都福生市など)に降り立った。米国の軍や政府関係者が勝手に使う米国専用の出入り口だ。

ヘリコプターに乗り換え、これも東京都23区内で唯一の米軍ヘリポート基地「赤坂プレスセンター」(東京都港区六本木7丁目)に到着。分厚い鉄板で覆われた大統領特別車で都心に繰り出した。 記事全文>>

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ウクライナ戦争から私たち日本人が学ぶべきこと
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第218回

5月 20日 2022年 国際

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

ロシアがウクライナへ軍事侵攻を始めてから2か月以上が経過した。核を保有する軍事大国であるロシアがウクライナ侵攻を決行したのが2月24日。「軍事力で全く劣勢にあるウクライナは大国ロシアの前に1か月も持たないのではないか」。こうした大方の予想を裏切り、ウクライナ側の抵抗は続く。日本のマスコミは連日、ロシアの極悪非道な戦争犯罪を糾弾する。また政府・自民党からはウクライナ戦争の教訓として「軍事費の増額」や「自衛隊の活動領域の見直し」などの議論が出ている。

こうした議論の方向性を見ると、「またしても日本人は重大危機に際して思考停止状態に陥ってしまった」としか私には思えないのである。誤解を招くといけないので、あらかじめ宣言をしておこう。私は決して「不戦論者」でも「理想主義者」でもなく強烈な「愛国者」である。だからこそ日本が間違った方向に進むことに強い危機感を持っている。「第3次世界大戦」や「核戦争」が実際に起こる可能性すらある現在のウクライナ戦争。私たちはこの戦争から何を学び、何を準備するべきなのだろうか? 今回はウクライナ戦争について、マスコミではあまり取り上げられない視点での論考を試みたい。 記事全文>>

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中国・習近平「3選」賭けた総力戦-強権はコロナを制圧できるか
『山田厚史の地球は丸くない』第211回

4月 28日 2022年 国際

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

中国がコロナウイルスとの闘いで苦戦している。上海の都市封鎖は1週間で終わるはずだったが、1か月経った今も解除できない。ウイルスは首都・北京に広がった。封鎖には至っていないが、2000万人を対象にしたPCR検査が始まり、陽性者が次々と見つかっている。

湖北省武漢で発見された新型コロナウイルスは地球規模の感染を巻き起こし、死者はこれまでに米国で101万9000人、ブラジルで66万2000人、インドで55万2000人、ロシアで37万5000人に上っている。あちこちの国でおびただしい死亡が確認されたが、中国は4月26日現在、わずか4825人。

人口が10分の1にも満たない日本でも死者は2万9472人に上る(4月27日現在)。死者が5000人にも満たない中国の「感染防止対策」は群を抜く成功だったと見ていいだろう。 記事全文>>

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タイ政局は視界不良
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第215回

4月 01日 2022年 国際

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

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バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

タイの元陸軍司令官で現在のプラユット・チャンオチャ首相が軍事クーデターにより「国家平和秩序評議会」議長として実権を掌握したのが2014年5月22日。同年8月25日には、当時のプミポン国王(ラーマ9世)の任命を受けて正式に第37代首相に就任した。それからまもなく8年が経つ。その後、16年10月13日にプミポン国王が崩御すると、同年12月2日にワチラロンコン国王(ラーマ10世)が即位。17年には新憲法が公布され、かねて懸念されていた政治的混乱もなく、プラユット政権はワチラロンコン国王への引き継ぎを無事に完遂した。19年3月には民政移管のための下院議員選挙が行われたが、当初の予想を覆してソムキット元副首相たちによって結党された「国民国家の力の党(以下PPRP)」が第1党となり、プラユット首相が続投した。しかしそのソムキット元副首相も民政移管後に跋扈(ばっこ)し始めた金権政治家たちによって20年7月に放逐された(拙稿21年5月7日付第193回「コロナ禍の中で透けて見えるタイ政治の深層」ご参照)。

新型コロナウィルスによって人々の活動が制限されてきたため、タイ政局はしばらく、あまり動きがないまま推移してきたように見える。しかし現政権の任期満了を来年3月に控え、タイはまた政治の季節を迎えようとしている。今回は、少しずつ動き始めたタイの政局について考察してみたい。 記事全文>>

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ウクライナ「相互依存」の終わり-自ら傷つく「経済制裁」の危うさ
『山田厚史の地球は丸くない』第207回

2月 25日 2022年 国際

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「力による原状変更は許されない」。耳にタコができるほど聞いた言葉だが、ロシアのウクライナ侵攻で、なんとも空疎な言葉になってしまった。

ロシアのプーチン大統領は、その振る舞いを「国際法違反ではないか」と記者会見で聞かれた時、「では、あなたに聞きたい。西側の国は国際法を守っていると思うか?」と切り返した。

オレのやり方は国際法なんて関係ない、アメリカはもっとひどいことをやっているじゃないか、と居直っているように見えた。確かに一理ある。イラクやアフガニスタンに攻め込んで、容赦ない空爆で命を奪ったあの行為は「力による原状変更」以外の何物でもない。 記事全文>>

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ウクライナも台湾も 戦争を回避する方法
『山田厚史の地球は丸くない』第205回

1月 28日 2022年 国際

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

ウクライナと台湾。新たな戦争の火種がここにある。欧州とロシアが対峙(たいじ)するウクライナ、米中激突の最前線となった台湾海峡。緊張は高まるばかりだが、戦争を回避する方法があるらしい。

日本では「台湾有事に備えろ」という論議が盛んだ。しかし「どうすれば台湾有事は避けられるか」という議論はほとんど聞かない。

政治家は危機を煽(あお)って防衛力増強を主張し、そうした言動を取り上げて戦争気分を囃(はや)すメディアが目立つ。勇ましい言動をする政治家が脚光を浴び、戦争の危機を煽る雑誌や本は売れる。

そんな中で「戦争回避の戦略を考える」というワークショップが都内で開かれた。元防衛官僚で、小泉政権で内閣官房副長官補を務めた柳沢協二氏が理事長を務めるNPO国際地政学研究所の主催だ。東京・市ヶ谷の会場に行ってきた。

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