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日系シェア100%の自動車市場
『夜明け前のパキスタンから』第3回

6月 05日 2015年 国際

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北見 創(きたみ・そう)

日本貿易振興機構(ジェトロ)カラチ事務所に勤務。ジェトロに入構後、海外調査部アジア大洋州課、大阪本部ビジネス情報サービス課を経て、2015年1月からパキスタン駐在。

パキスタンの産業といえば、綿花の生産大国であるため「繊維」というイメージが強い。しかし、日系企業に限定するのであれば、「自動車」が最も重要な産業の一つだ。乗用車では、日系企業がシェア100%を占める貴重な市場となっている。自動車の普及はこれからで、成長が楽しみである。

◆年間20万台弱の市場

パキスタンの自動車産業は、1954年にゼネラルモーターズ(GM)とフォードの現地生産を開始したことが起こりとなっている。後発の日本勢は60年代から輸入販売を開始したが、国産化政策に伴い、スズキ(83年設立)、日産ディーゼル(84年)、日野自動車(85年)、トヨタ自動車(89年)、ホンダ(93年)と、大手メーカーが相次いでパキスタンに進出し、今日まで現地生産を行っている。
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昔の栄華が残る街 イポー
『マレーシア紀行』第7回

5月 22日 2015年 国際

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マレーの猫

エネルギー関連業界で30年以上働いてきたぱっとしないオヤジ。専門は経理、財務。実務経験は長く、会計、税務に関しては専門家と自負。2012年からマレーシアのクアラルンプールに単身赴任。趣味は映画鑑賞、ジャズ、ボサノバ鑑賞、読書。最近は浅田次郎の大ファン、SF小説も

マレーシアでの単身駐在期間が長くはなってきた。それでもこの国のことをあまり知らない私があれこれ書くのは気が引けるが、旅行記第7弾を書くことをお許しいただければと思う。

今回紹介させていただく場所は、マレー半島の中ほど、首都クアラルンプールから約200キロ北の西海岸近くに位置するペラ州の州都イポーという街である。実は業務上のことで昨年11月から約半年以上国内旅行を控えていたが、業務も一段落したため、半年振りに旅行に行くことにした。ちょっとした旅行で気分転換が図れるということ、また一人旅もそれはそれで楽しいものであることを再認識したのであった。
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混迷深まるインドネシアの政権運営
『東南アジアの座標軸』第8回

5月 15日 2015年 国際

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宮本昭洋(みやもと・あきひろ)

りそな総合研究所など日本企業3社の顧問。インドネシアのコンサルティングファームの顧問も務め、ジャカルタと日本を行き来。1978年りそな銀行(旧大和銀)入行。87年から4年半、シンガポールに勤務。東南アジア全域の営業を担当。2004年から14年まで、りそなプルダニア銀行(本店ジャカルタ)の社長を務める。

◆政策の一貫性欠如

最近、インドネシアのジョコ・ウィドド政権が発表する政策の一貫性のなさや、整合性のない施策が目立っています。その事例を紹介します。

昨年11月、大統領就任早々に議員や各省庁の幹部に対して頻繁に行われていたホテルなどでの会合を禁止しました。国家財政にゆとりがなく国民向けに経費節約をアピールしながら蜜室会議を禁止、透明性を促したのです。ところが、そのあおりを受けたホテル業界の陳情があったのか、外部から横やりが入ったのか分かりませんが、4月に禁止令は解除されています。
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初めてのパキスタン出張を安全に
『夜明け前のパキスタンから』第2回

5月 08日 2015年 国際

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北見 創(きたみ・そう)

日本貿易振興機構(ジェトロ)カラチ事務所に勤務。ジェトロに入構後、海外調査部アジア大洋州課、大阪本部ビジネス情報サービス課を経て、2015年1月からパキスタン駐在。

パキスタンへの出張を検討しても、安全面で断念してしまう企業が多い。同国に関する情報が少ないことが渡航のハードルになっている。今回は出張する際の基礎情報と、どういった点に留意すればよいのかを紹介したい。

◆凶悪事件はないが油断は禁物

最近のパキスタン国外の日本企業からのお問い合わせでは、「最近のパキスタンの治安情勢はどうか」「他社は出張禁止にしてはいないか。安全対策はどうしているか」といった質問が多い。やはり市場としてのパキスタンに商機を見いだしているものの、出張に関しての了解が得難いということだろう。
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外交官と新聞記者の「守・破・離」
『記者Mの外交ななめ読み』第11回

4月 17日 2015年 国際

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間150冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

外交官として某国の日本大使館に勤務する知人は、剣道の猛者である。その彼にかつて「打って反省、打たれて感謝」の意味を尋ねたところ、「待っていました」とばかり懇切丁寧に答えてくれた。

僕は小学生当時、先生1人児童1人の分校に通ったが、いずれ中学に上がったときに人並みに何かやっておかないと仲間外れにされるかも知れないという母親の心配から、本校(分校を管轄する大規模な町の学校)の剣道教室に行かされたことがある。練習初日、先生に防具の上からではあったがメンを脳天にまともに打たれた。その日、本校から自転車のペダルをこいで夕方の家路を急いだが、その間もずっと頭のてっぺんに電気が走ったような痛みが残り、悔し涙を流しながら帰ったことを覚えている。結局、剣道はその一日でやめてしまった。
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本気度が問われるジョコ・ウィドド政権の外国企業誘致
『東南アジアの座標軸』第7回

4月 03日 2015年 国際

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宮本昭洋(みやもと・あきひろ)

りそな総合研究所など日本企業3社の顧問。インドネシアのコンサルティングファームの顧問も務め、ジャカルタと日本を行き来。1978年りそな銀行(旧大和銀)入行。87年から4年半、シンガポールに勤務。東南アジア全域の営業を担当。2004年から14年まで、りそなプルダニア銀行(本店ジャカルタ)の社長を務める。

◆積極的投資の呼びかけ

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、3月22日から25日までの日程で日本を公式訪問しました。滞在中に安倍首相との首脳会談、日本経済団体連合会(経団連)、日本商工会議所(日商)幹部との会談、さらに「インドネシア・ビジネスフォーラム」では自らが提唱する海洋国家構想の実現に向けてジャワ島以外の港湾建設計画、発電所建設などの必要性を訴え、日本企業に対してインドネシアへの積極投資を先頭に立って呼びかけました。これに応えるかのように日本政府は1400億円の円借款の供与を発表しています。

その後、大統領一行は日本の次の訪問先である中国に向かいましたが、今回の訪中前の3月11日付の現地報道では、駐インドネシア中国大使の発言として、大統領の海洋国家構想に対して400億ドル(約4兆8千億円)の資金提供を申し出ているようです。
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次代の有望市場へ出張してはいかが?
『夜明け前のパキスタンから』第1回

3月 27日 2015年 国際

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北見 創(きたみ・そう)

日本貿易振興機構(ジェトロ)カラチ事務所に勤務。ジェトロに入構後、海外調査部アジア大洋州課、大阪本部ビジネス情報サービス課を経て、2015年1月からパキスタン駐在。

次の有望市場はどこだろうか――。そう考えたときに、世界第6位の人口規模を誇るパキスタンを挙げるビジネスマンは多くはないはずだ。現在、日本ではアジアの需要を取り込む機運が高まっているが、まだ海外事業に取り組んで日の浅い中堅・中小企業であれば「タイ、インドネシア、ベトナムあたりやないかなあ」という答えが多いはずだ。そうした主要国の後にミャンマーなどの国名が出てくるのであって、「インドまではちょっとなあ」という企業も多いだろう。しかし、すでにアジア、中東に拠点を構え終えた大企業が、徐々にパキスタンを射程にとらえ始めている。

◆パキスタンのチャンスとは

「夜明け前のパキスタン」という題名にしたものの、ミャンマーのように夜明けが訪れるかは分からない。1990年代に在パキスタン日本大使館に勤めていたM氏に話を聞くと、「20年前もいつか急成長する国だと言っていた」そうだが、ついぞ急成長せず、日本企業の進出ラッシュは来ていない。しかし、数字だけみるとこれほど潜在性のある市場はまれだろう。
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ラスベガスで逮捕されたマレーシア人と政府の奇妙な関係
『アセアン複眼』第6回

3月 20日 2015年 国際

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佐藤剛己(さとう・つよき)

企業買収や提携時の相手先デュー・デリジェンス、深掘りのビジネス情報、政治リスク分析などを提供するHummingbird Advisories 代表。シンガポールと東京を拠点に日本、アセアン、オセアニアをカバーする。新聞記者9年、米調査系コンサルティング会社で11年働いた後、起業。グローバルの同業者50か国400社・個人が会員の米国Intellenet日本代表。公認不正検査士、独立行政法人中小企業基盤整備機構・国際化支援アドバイザー(3月末で退任)

今回は、マレーシア人のカジノ界の大物が、米ラスベガスで違法賭博容疑で逮捕され、その後、警察を管轄するマレーシア内相がこの男性を支持する手紙を米連邦捜査局(FBI)に出していた、という話をご紹介したい。いわゆる「政商」はアセアンでは数多く「活躍」。その存在は見え易く、また異様な存在感醸している。英字メディアでも細かく見ていくと、小さな事件から政治と裏社会のつながりの片鱗(へんりん)を垣間見ることができて、なかなか興味深い。

◆サッカー・W杯開催中の逮捕劇

2014年7月9日、ラスベガスのシーザーズパレス・ホテルのヴィラで、マレーシア・ギャンブル界の大物ポール・プア・ウィセン(Paul Phua Wei Seng)氏と息子のダレン・プア・ワイキット(Darren Phua Wai Kit)氏がFBIに違法賭博の疑いで捜査された(逮捕は14日)。FBIの捜査員がホテルの部屋に入った当時、親子と仲間らは、彼らが運営するオンラインのサッカー賭博サイトと、テレビ画面に映るサッカー・ワールドカップ(W杯)のオランダ対アルゼンチンの試合のライブ放送に見入っていた、という。
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高まる想定外の税務リスク
『東南アジアの座標軸』第6回

3月 06日 2015年 国際

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宮本昭洋(みやもと・あきひろ)

りそな総合研究所など日本企業3社の顧問。インドネシアのコンサルティングファームの顧問も務め、ジャカルタと日本を行き来。1978年りそな銀行(旧大和銀)入行。87年から4年半、シンガポールに勤務。東南アジア全域の営業を担当。2004年から14年まで、りそなプルダニア銀行(本店ジャカルタ)の社長を務める。

◆取れるところから取る慣行が横行

 インドネシアの2015年度補正予算が2月13日の国会本会議で可決、成立しました。なかでも注目すべきは税収目標です。2014年の経済成長率が5.02%と13年の5.78%からかなり減速しているなかで税収目標を1489兆3千億ルピア(約14兆円)と、当初予算の1380兆ルピアから大幅に引き上げました。その内訳は、所得税679兆4千億ルピア、付加価値税(VAT)・ぜいたく税576兆5千億ルピアなどです。

他方、資源関係からの税外収入は269兆1千ルピアとなり、当初予算の410兆3千ルピアから減額しています。昨年度は税収目標1072兆ルピアに対して徴収率は85%と目標を達成していません。インフラ整備、社会保障拡充のため歳入の80%近くを占める税収増加を目指すジョコ・ウィドド大統領は、所管する財務省に対して税収目標の引き上げとその達成を厳しく指示していますから、税務当局の徴税(税務否認)は一層強化されます。
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インドネシア・ジョコ政権100日の光と影
『東南アジアの座標軸』第5回

2月 13日 2015年 国際

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宮本昭洋(みやもと・あきひろ)

りそな総合研究所など日本企業3社の顧問。インドネシアのコンサルティングファームの顧問も務め、ジャカルタと日本を行き来。1978年りそな銀行(旧大和銀)入行。87年から4年半、シンガポールに勤務。東南アジア全域の営業を担当。2004年から14年まで、りそなプルダニア銀行(本店ジャカルタ)の社長を務める。

◆政権誕生から100日の成果

インドネシアのジョコ・ウィドド政権が誕生して100日が経ちました。政権の実行力に対して現地メディアは概ね好評価を与えています。就任早々に発表した燃料補助金の削減、さらに1月からのガソリンの燃料補助金の廃止により、日本円に換算して2兆円程度の予算を捻出してインフラ投資に充当できる財源が確保できました。

また、外国投資の窓口である投資調整庁(BKPM)にワンストップサービス化を早々に指示、各省庁にまたがる許認可権の一元化を図るため、22省庁のスタッフを同庁に駐在させる試みが2月にスタートしました。さらに海洋資源保護のため外国船の違法操業や密漁を断固取り締まるよう指示し、何隻もの外国の密漁船が爆破されたり撃沈されたりしており、国民からも喝采の声が出ています。このような施策を政権100日の光の部分だとすれば、同時に影の部分も見えてきました。
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