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プロセスとデータ
『週末農夫の剰余所与論』第16回

6月 16日 2021年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o 株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

下草刈りは少なくとも年2回行う。梅の木5本、栗の木8本など、下草は果樹の肥料になる。下草は雑草であっても、フキやワラビは春の味覚でもある。ウドの花はてんぷらにするとおいしい。昨年と今年、2年続けて梅は不作となった。梅の花が咲くころに、雪や雹(ひょう)が降る異常気候が続いている。農園では、平均気温の上昇だけではなく、突然の寒波や台風など、気象変動が荒々しくなっている。気温データの解析を行う機会があれば、連鎖反応でよくみられる対数正規分布からのズレに注目してみたい。気象変動の不可逆な変化をとらえることができるかもしれない。

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リモートワークで進歩するコミュニケーションの中で
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第212回

6月 14日 2021年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆本当の「豊か」に向けて

 新型コロナウイルスの対策としてリモート業務が推奨される中にあって、その仕組みも「進歩」「発展」の中で新しいコミュニケーションの形がどんどんと社会に広がっている。それが社会の発展なのか、コミュニケーション行為の進展なのか、私たちの幸せにそれらが本当につながっているのか、ということを考えると、立ち止まりつつ考える必要性を感じている。

それは私自身、支援活動をする中で、コロナ禍の影響で外に出られない人、特に感染リスクの高い重度障がい者にとっては、安全な場所にいることがなおさらに求められるから、その場所で支援を受けることを前提にして、社会や周囲とコミュニケーションを維持しながら、社会に接していく必要がある。

本当に豊かなコミュニケーションに向けて緊急事態の中で冷静に「進歩」「発展」とどのように付き合っていくかも課題だ。

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ウェブ無料講座「学びで変わる」で「学び」の在り方を考える
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第211回

6月 07日 2021年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆支援を考えるシリーズ

 一般財団法人発達支援研究所が主催の無料公開講座「成人障がい者の支援を考えるシリーズ」の第1回として「多様な『学び』で変わる支援 ~障がい当事者の可能性を広げる新たな試み~」が5月17日から6月20日まで、オンラインで無料公開されている。

みんなの大学校の学生2人が、同研究所の山本登志哉所長と私からの質問に答える形で、学びについて考える企画。2人の学生の個性豊かなコメントを受けて、私と山本所長が話を展開する内容だ。研究所の説明では、「みんなの大学校」における「学び」の経験についてうかがいながら、そうした社会と当事者のギャップを「つなぐ」コミュニケーションの場としての「学び」のあり方を考えます、と説明している。

私たちの学びが研究所を通じて考え、それを社会に提供し、課題を共有化する喜びは、どんな反応があるのかの期待を膨らませている。

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プレ・プラグマティズム
『週末農夫の剰余所与論』第15回

6月 02日 2021年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o 株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

早春の作業が終わった筆者の農園。昨年春と似た風景になっている。タマネギ3種とニンニクが収穫を待っている。ズッキーニ、ブロッコリ、キャベツ、キュウリ、ナス、金時草など15種の苗と、ヤーコン、サトイモ2種の種イモを植えた。ニラ、ホースラディッシュ、ルバーブは数年ごとに株分けをして植え替えている。完全無農薬なので雑草の管理が大変だ。10年前よりは質(たち)の悪い雑草が減り、雑草であっても食用になるスベリヒユやアカシソが自生している。完熟堆肥(たいひ)を入れているので、過度の酸性土にならないように、貝殻粉末などの有機アルカリで調整している。今年はサルの被害はまだない。毎年の異常気候にもかかわらず、10年以上同じような農園風景なのだから不思議だ。部分的な画像としては全く異なるのに、全体の風景としては自己保存している。

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「世の中捨てたもの」と思っている人へ
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第210回

6月 01日 2021年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆共にまなび ひろがる世界

 首都圏では4月からジワジワと新型コロナウイルスの第三波の不安が広がり、みんなの大学校の前期学期がスタートしたものの、社会全体がどことなく落ち着かない雰囲気のまま。その社会不安はワクチン供給の不透明さや国の政策に関するメッセージの希薄さなどで、寄る辺のない心の状態に置かれてしまっているのと相まって、学びを進めようという学生や関係者が「安心」を保証されなければ、その推進力は鈍化してしまうから、やはり障がい者の学びは社会とともにあるのだと実感している。

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触法障がい者への支援に目を向けることを考える
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第209回

5月 24日 2021年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆支援をしていた人の逮捕

 支援をしていた障がいのある男性が逮捕された。

昼間のテレビニュースの映像ではそのなじみのある顔はその格好から手錠をされている様子で、警察に連行される不安な表情は「詐欺容疑の男逮捕」の見出しが付けられると、たちまち罪人のようにも見えてくる。

しかし、彼は私にとっては支援が必要な施設の利用者であり、気の優しい施設の仲間だった。逮捕容疑はお年寄りに多額の現金を送るよう迫った詐欺とのことだが、彼の性格からはにわかに信じられない。

彼はそのような犯罪をする巧妙な発想も行動も持ち合わせていないはずで、誰かの指示によりなされたトカゲのしっぽに過ぎず、彼の映像をメディアに撮影させるという捜査機関のサービスを考えると、彼が世の中の「ちょうどよいところ」に、はめ込まれ、使われてしまったようにも思う。被害者も気の毒ではあるが、彼もまた障がいによって判断が他者と比べ、正確にできなかったことが今後の公判で明らかになっていくだろうか。

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周辺の人びと
『週末農夫の剰余所与論』第14回

5月 19日 2021年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o 株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

農作業は待ったなし。雹(ひょう)が降る異常気候で予定が立たず、振り回されている。それでも、作業が終わってみると、毎年同じようなことの繰り返しになるのだから不思議なものだ。本シリーズ第12回(※)に紹介したエマヌエーレ・コッチャ(1976年イタリア生まれの哲学者)の『植物の生の哲学-混合の形而上学』(勁草書房、2019年)に続いて、フロランス・ビュルガ (1962年生まれ、フランスの科学哲学研究者)の『そもそも植物とは何か』(河出書房新社、2021年)を紹介しよう。

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新しい環境の悩みが悩みでなくなるまで
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第208回

5月 17日 2021年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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5年前の手紙

 4月から新しく北海道から岡山までの障がいのある人の就労を支援する就労移行支援事業所や自立した暮らしを支援する自立訓練事業所の計17か所と関わり合うことになり、あらためて就労移行という仕事について考えさせられている。

そんな時、過去の書類を整理していたら5年前に就職した当事者からいただいた手紙に目にとまった。精神障がいと高次機能障がいによる身体障がいのあるこの当事者は私が施設長をしていた就労移行を経て、大手企業の障がい者雇用で就職し、周囲は大いに喜んで意気揚々と就職したものの、その1か月後には心が折れてしまう状態になった。

その時に私に電話をかけてきて心配事の一つひとつを話しはしていたが、それでも不安な心が収まらなかったらしく、文書にして私宛に送ってきた手紙である。そこには障がい者が働くことへの支援の要点が示されている。

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新しい就労継続支援型事業所を目指し東京・大田校が出発
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第207回

5月 10日 2021年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆福祉と教育のハイブリット

 4月1日付で就労継続支援B型事業所みんなの大学校大田校が東京都の認可を受けて正式に事業がスタートした。支援が必要な方に向けてウェブ上で学びを提供するみんなの大学校は、就労移行支援事業所みんなの大学校西宮校(兵庫県西宮市)と、今回の東京都大田区の就労継続支援B型事業所みんなの大学校大田校を、障害者総合支援法に基づく福祉サービスを利用する形で福祉事業を行う。

「学び」を核としながらも、障がい者が普通の暮らしができるための社会保障を確保しながら、教育と福祉のハイブリット型を目指す。現在の社会状況や支援が必要な方々のニーズ、それら現実的な対応と適切な支援と地域移行などの課題に真正面から取り組み、よい形を提示したいと考えている。そのためにスタッフは、来ていただく方には必ずや適切な支援と思い描く未来に近づけようとの意気込みで、その積み重ねが「形」になっていくと信じての出発だ。

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データ意味論
『週末農夫の剰余所与論』第13回

5月 05日 2021年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o 株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

ルバーブは酸っぱい野菜で、英国ではジャムやパイにする。日本で育てる場合、茎を赤くするためには、日光を多少制限するとよいらしい。早春に収穫すれば、茎が赤くなくても味は変わらないと思う。筆者の農園では、春に2、3回収穫している。野菜の味は様々だけれども、ルバーブは特に個性的だ。ルバーブとしては、酸っぱい味で茎を守っているつもりかもしれないけれども、私たちはおいしくいただいている。日本でも栽培されるようになったのだから、おいしくいただくということは、予想外に、ルバーブの繁殖領域の拡大戦略でもある。英国野菜はおいしくいただくことができるけれども、筆者にとって、英国の経験主義の哲学はいただけない。大陸の哲学を、もっとおいしく調理できたはずだ。同じようなことを、日本の哲学でも感じている。ギリシャ哲学が受容されたのは、ギリシャ料理を楽しんだギリシャの人びとがいたからだ。絶対無二の真理を求めたとしても、料理は多様だからおいしい。データの世界は本質的に多様であって、データの探求は、哲学よりは調理に近い。

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