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まばらでゆらぐデータの世界
『みんなで機械学習』第26回

8月 28日 2023年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆制作ノート

英国の経済学者エルンスト・シューマッハー(1911~1977年)の「スモール イズ ビューティフル」における中間技術の提案を、「みんなの機械学習」として実現するため、「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」という拙稿を連載している。前稿までは、「機械学習の学習」と題して、機械学習法の技術的内容について、筆者流の理解を展開した。機械学習法は、コンピューターがデータを学習する方法で、一般的に、データ解析の予測アルゴリズムを反復的に使って、データの前処理を自動化する技術として解釈できる。大ブレイクしたディープラーニングの技術内容も、同様に解釈できる。機械学習法は、データの前処理とデータ解析を一体化して、データサイエンティストによるプログラミングの負荷を大幅に削減している。しかし、個別的な大量のデータの場合は、データの発生場所に直結する特定の個人や組織が、データの意味や価値を試行錯誤しながら発見する必要があるので、みんなで探索的な機械学習することになるだろう。 記事全文>>

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新たな発見と感動の連続
「4か国回遊生活」タイ再訪編
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第7回

8月 16日 2023年 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番いい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも、沿道の草木を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

「ハッピーバースデー」

バンコク近郊のスワンナプーム空港に到着後、両手の指紋のチェックなどを終えて入国審査官からパスポートを戻された妻は、こう声を掛けられた。私が16年ぶりにタイに入国したその日は、妻の誕生日だった。思いがけないお祝いの言葉にうれしそうな妻の表情を見て、これは幸先のいいスタートだと思った。退職後の念願だった「4か国回遊生活」の第一歩は、こうして始まった(前回第6回「見たい、知りたい、感じたい―『4か国回遊生活』への道」ご参照)。 記事全文>>

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見たい、知りたい、感じたい
「4か国回遊生活」への道
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第6回

8月 09日 2023年 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番いい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも、沿道の草木を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

私は2023年1月の満65歳の誕生日を機に、新聞社を退職した。通信社時代も含めると40年以上、文字周りの仕事に従事してきた。大学生の時はマスコミ業界に就職する者が多かった、今も続く「マスコミ研究会」に所属し記者をめざしてせっせと文章を書き綴(つづ)っていた。もっと遡(さかのぼ)ると、兵庫県赤穂の行き止まりの寒村の分校にたった1人入学した小1の時に当時、先生が淡いピンク色の紙にフェルトペンとボールペンで枠と縦の線を引いて作ってくれた原稿用紙に、Bの濃さの鉛筆で祖父のことを書き、頑固で一本気なところがあった祖父本人からたいそう褒められたことを今もはっきり覚えているから、書くことは小さい頃からずっと苦にならなかったようだ。 記事全文>>

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集まり散じつ仰ぐは同じき理想の光
「屋台村」開設10周年余話
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第5回

8月 02日 2023年 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番いい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも、沿道の草木を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

「ニュース屋台村」に執筆いただいている方々、そして執筆を考えていただいている方々へ。けさの東京は、この冬一番の寒さで、わが家の前の神社の境内の水場にも氷が張っておりました。まさに身が引き締まりますが、少々たるんだオヤジの心身にはちょうどいい感じです――。

私たちのニュースサイト「ニュース屋台村」が酷暑のこの夏、開設10周年を迎えるに当たり、開設当初前後の自らの文章を検索していたら、開設後まもない2014年の厳寒の正月に執筆陣や読者の方々に向けて書き送ったものが出てきた。2013年7月にサイトを立ち上げてからちょうど100本目の記事をアップロードしたタイミングに、「ぜひとも引き続きご寄稿ください」と暗に催促したものだ。当時、サイトを立ち上げたはいいがわずか半年で集まる原稿の数は目に見えて減り、開設当初からずっと編集に携わってきた者として「サイト閉鎖前夜」の悲壮感を抱きながら、冷静を保つふりをしつつその実、「なんとかしないと早晩閉村に追い込まれる」とかなり焦っていた。

その後も幾度となく閉村の危機に直面しながら、「ニュース屋台村」は今年7月17日に開設10周年を迎えた。この間、私も含めて計35人の執筆陣がのべ1572本(8月2日現在)の記事を公開してきた。たかが10年。しかし私には「されど10年」の思いが強い。この10年は、記者を生業(なりわい)とし、一貫して文字周りの仕事に従事してきた私にとって、本業を離れてまさに「真剣勝負」「格闘」の孤独な作業の日々だった。 記事全文>>

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機械学習する民主主義
『みんなで機械学習』第25回

7月 31日 2023年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆制作ノート

英国の経済学者エルンスト・シューマッハー(1911~1977年)の「スモール イズ ビューティフル」における中間技術の提案を、「みんなの機械学習」として実現するため、「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」という拙稿を連載している。前稿では、近代的な、論証を重視する微分的思考から、デジタル時代の俯瞰(ふかん)する積分的思考への移行について考えてみた。計算としては、乱数を用いる確率積分の話だ。特に、デジタル分解能で位相制御するデータの世界は、量子の世界のような、人類として未経験の領域になる。「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」は途中の画像以降なので、制作ノートに相当する前半部分は、飛ばし読みしてください。

「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」のゴールは、結論を論理的に構築することではなく、生活世界において、データの世界との共存・共生・共進化に希望を実感することにある。近代的なモノの価値を問う経済から、コト(サービスなど)の意味を重要視する経済への移行を時代背景として、近未来のデータサイエンス テクノロジー アンド アート(データの世界)が、人類の文明論的な変革をもたらす夢物語を、少なくともディストピアとはしない、複数の探索路を切り開こうとしている。物語のゴールにおいては、意味が認知される以前の「データ」そのものが、みんなの機械学習によって、「言語」とは別の、文明の道具になるだろう。 記事全文>>

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「ニュース屋台村」開設10周年を迎えて
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第246回

7月 28日 2023年 社会

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私たちのニュースサイト「ニュース屋台村」は今年7月17日で開設10周年を迎えた。長くもあり、短くもあったこの10年である。この10年の間に延べ35人の方々に執筆いただいた。記事数も計1564本になった。すべて「原稿料なし」で書いていただいたものである。この「ニュース屋台村」にご参集いただいた方々には感謝の言葉しかない。私自身も原稿を書き続けてきた。書くことが専門でもない銀行員の私が「10年書き続けてきた」ことはまさに奇跡である。しかし、書いてきたからこそ分かってきたことも多い。原稿執筆を支援してくれた家族・友人にも深く感謝したい。今回は「ニュース屋台村」開設10周年を迎えて、このニュースサイト設立の経緯や苦労話を書いてみたい。 記事全文>>

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「銀河街の悪夢」から考える支援者を作るために必要なこと
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第260回

7月 26日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆突き刺さる当事者の歌   

障がい者への就労支援をする支援員を育成するためのプログラムを作成する中で、ふと迷いが生じてしまい、自分を勇気づけてきた動画を久しぶりに開いてみた。

それはSEKAI NO OWARIの「銀河街の悪夢」である。

ユーチューブ動画では、2014年5月24日、旧国立競技場の最後の音楽イベントとして行われた「SAYONARA国立競技場 FINAL WEEK JAPAN NIGHT」でのライブパフォーマンスが有名かもしれない。精神疾患に悩む若者がふとんから出られず、やりたくてもやれないもどかしさ、が展開するアニメーションを背景にした演奏だ。

ボーカルのFUKASEが注意欠如・多動症(ADHD)、パニック障害で悩まされ、隔離病棟での入院経験もあるその彼が作った歌は当事者の心境を表現したものとして、いつも心に突き刺さる。

今回もまた、支援者を作る以前に自分の支援を見つめ直すことになった。 記事全文>>

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「管理」の名の下に議論される入管法と難民の悲劇
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第259回

7月 18日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆共生社会とは遠く   

外国人の収容や送還のルールを定める入管難民法の改正案が成立した。大きな改正点は「難民認定申請が3回目以降で強制送還を可能にした」「ウクライナなど紛争地から逃れてきた人にも難民に準じた在留資格を与える『補完的保護』制度を創設」「在留資格のない人を収容している施設に代わり監理人の監督下で生活する『監理措置』の新設」である。

特に強制送還に関する改正は、立憲民主党などの野党が日本の難民認定率の低さを指摘し、本国で生命が脅かされる保護するべき難民が送り返されてしまう、との懸念を示した。政府の説明で懸念が払拭(ふっしょく)されることなく、結局混乱の中で強行採決の様相となった。

難民や外国人に対する私たちの認識が問われるこの議論だが、そもそも「入管法」という名称から、日本が排他的に外国人を捉え、管理しようとする精神性がうかがい知れ、それは「共生社会」とは遠いことも示しているようにも思える。 記事全文>>

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デジタル分解能のディストリビューション
『みんなで機械学習』第24回

7月 13日 2023年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆制作ノート

英国の経済学者エルンスト・シューマッハー(1911~1977年)の「スモール イズ ビューティフル」における中間技術の提案を、「みんなの機械学習」として実現するため、「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」という拙稿を連載している。前稿では、チャットGPT以降の第4次AI(人工知能)ブームに、第2次AIブームの国産技術で味付けして、DTx(デジタルセラピューティックス)にも言及して、日本が先回りするシナリオを紹介した。「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」は途中の画像以降なので、制作ノートに相当する前半部分は、飛ばし読みしてください。

「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」のゴールは、結論を論理的に構築することではなく、生活世界において、データの世界との共存・共生・共進化に希望を実感することにある。近代的なモノの価値を問う経済から、コト(サービスなど)の意味を重要視する経済への移行を時代背景として、近未来のデータサイエンス テクノロジー アンド アート(データの世界)が、人類の文明論的な変革をもたらす夢物語を、少なくともディストピアとはしない、複数の探索路を切り開こうとしている。物語のゴールにおいては、意味が認知される以前の「データ」そのものが、みんなの機械学習によって、「言語」とは別の、文明の道具になるだろう。 記事全文>>

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長野の悲劇を繰り返さないための「私たち」の仕事
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第258回       

7月 12日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆みられないソーシャルワークの介在

長野県中野市で警察官を含む男女4人が殺害される事件はあまりにも痛ましく、言葉が見つからない。メディアから伝えられる容疑者の人間像は雑駁(ざっぱく)であるものの、社会との接触では「苦手さ」を感じていたことがうかがえる。その状況を「解消しよう」とする家族の気遣いも見られるものの、そこにソーシャルワークの介在はみられない。

存在していたであろう「歪(ゆが)み」のような状態をケアすることへは、一般的な反応として抵抗があったのだろう。この抵抗感は地方にはよくあることで、だから、都会に比べ地域住民の結びつきが強い地域では、関係のこじれを修復し、対人の苦手を克服するのは難しい。 記事全文>>

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