引地達也(ひきち・たつや)
特別支援が必要な方の学びの場、みんなの大学校学長、博士(新聞学)。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。◆テーマは「未来を創造する」
文部科学省が障がいの有無にかかわらず、誰もが必要な時に学ぶことができる生涯学習社会の実現を目指し、全国各地で地域の団体と共催し「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」を開催している。全国8ブロックに分かれての開催のうち関東甲信越ブロックでは、みんなの大学校と共催し、2月26日に東京都国分寺市の本多公民館をメーン会場にハイブリッドで行う予定だ。
メーンテーマは「障害者の生涯学習の未来を創造する~『学び』を通じた共生社会の新たな流れ~」。これまでの障がい者の生涯学習を振り返った上で新しい学びと共生社会の在り方について考える。基調講演と四つの分科会、「学び」の主役である障がい当事者の声を発信する機会も大事にし、障がい者の生涯学習の未来を考えていきたい。
◆生涯学習を展望
コンファレンスは午前と午後に分かれ、総合司会はみんなの大学校の学生委員長である水越真哉さんが行う。午前の部は基調講演として「生涯学習を展望する―障害児者の学びの意義-青年学級などの展開から―」と題し宮﨑英憲・東洋大学名誉教授(全国特別支援教育推進連盟理事長)が登壇する。
午後の分科会は四つに分かれて各論を展開する予定で、分科会1は「障害者の生涯学習活動の支援者・伴走者をひろげていくために」として障がい者の生涯学習の担い手となる人材育成の在り方を検討する。助言者は春口明朗氏(特定非営利活動法人Ohana顧問)、報告は山崎達彦(東京都立あきる野学園教諭・進路指導主任)、梶野光信(東京都教育庁主任社会教育主事/文部科学省「障害者の生涯学習の推進を担う人材育成の在り方検討会」委員)、加藤征彦(東京都国分寺市恋ケ窪公民館館長)、桂田稔彦(国分寺市くぬぎ教室スタッフ)の各氏。
◆特別支援学校でも
分科会2は「特別支援学校における生涯学習を見据えた実践と地域とのつながり」。特別支援学校3校の授業づくりや卒業生支援などの事例を参考に、学校と卒業後の学びの場をつなぐ方策を考える。
助言者は宮﨑氏(前出)、報告者は大沼健司(東京都立青峰学園主幹教諭)、岡本彩花(千葉県立市川大野高等学園教諭)、後松慎太郎(秋田大学教育文化学部附属特別支援学校教諭)の各氏。
分科会3は「公民館でつながるなかま~しょうがいを越えた出会いと学び~」として、公民館における障がい者青年学級の活動が育んできた価値を見直そうというのがねらいだ。助言者に永澤義弘氏(立正大学非常勤講師、元群馬県邑楽町公民館長)。
報告者は藤田和良(邑楽町中央公民館館長)、菅田政志(東京都東大和市中央公民館ビートクラブ音楽講師)、関野大樹(東大和市中央公民館ビートクラブスタッフ)、加藤功治(東京都町田市障がい者青年学級ひかり学級課外活動コース班長)、望月智子(町田市障がい者青年学級ひかり学級課外活動コース副班長)、大山文子(町田市障がい者青年学級ひかり学級課外活動コース)、近藤美佐子(町田市障がい者青年学級ひかり学級課外活動コース)、塚原玲奈(町田市障がい者青年学級ひかり学級課外活動コース)、辻桂子(町田市障がい者青年学級ひかり学級課外活動コース)の各氏。
◆カフェと地域共生
分科会4は「カフェを介した『地域共生』の実践」として特別支援学校でのカフェの取り組みから地域への広がり、カフェと芸術活動、地域行事、高校生や地域・行政を巻き込んだカフェの新しい形まで発展している。様々な事例から障がい者にとどまらず地域住民の学びにつながる「カフェの現在・未来」を参加者と共に考える。
助言者は兼松忠雄氏(全国喫茶コーナー交流会事務局長)。報告者は深澤和仁(山梨県立高等支援学校 桃花台学園教頭)、西島博子(山梨県立高等支援学校桃花台学園食品コース主任)、成田雪子(そらまめ食堂店長・栃木県真岡市)、北沢桃子(愉快Galley COOCA管理者・神奈川県平塚市)の各氏。当事者の声は後日、その考え方とともに詳細を伝えたい。
申し込み方法は、特設ホームページからお願いします。
https://www.kyoseishakai-conference.com/kanto-koshinetsu2022
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