山口行治(やまぐち・ゆきはる)
在野のデータサイエンティスト。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。職業としては認知されていない40年前から、データサイエンスに従事する。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。
電気自動車は500馬力とか1000馬力のものまであるらしい。騎馬民族は、紀元前から1馬力、1「馬脳」を乗りこなしてきた。4頭立ての駅馬車は、馬の自由度を制限しているので、4馬力1馬脳程度だろうか。2020年には実現するという、加速・操舵・制御を全てシステムが行い、システムが要請したときにはドライバーが対応する「レベル3自動走行システム」の頭脳は、馬の頭脳(馬脳)の何頭分に相当するのだろうか(「戦略的イノベーション創造プログラム自動走行システム研究開発」〈2016年10月20日、内閣府〉、下線は著者)。コンピュータにとっての自然は「データ」であるという、強いデータ主義者の立場から、AI(人工知能)技術の将来展望について考えてみたい。
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