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医療的ケア児とその家族が安心する社会のためにすること
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第263回

10月 18日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆耳を澄まして

2021年9月に施行された「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」(医療的ケア児支援法)は、「医療的ケア児の日常生活・社会生活を社会全体で支援」することを基本理念として、国や自治体に具体的な措置を義務付けている。施行から2年が経過し、各自治体ではどのような取り組みをし、そして医療的ケア児とその家族は支援によりこれまでの苦労が軽減されたのであろうか。

東京都大田区での関係者会議を傍聴し、この道筋はいまだ道半ばであるばかりではなく、対応する自治体からは尊重するべき「医療的ケア児」やその家族の声が聞けなかったのが気になった。これまで声を挙げにくかった彼・彼女らの声は「小さく」「少ない」のは当然だから、それに耳を澄ますことが必須である。政策を遂行するにはまずはその声にたどり着く、聴く、の工夫が求められる。 記事全文>>

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波風雲の技術
『みんなで機械学習』第29回

10月 16日 2023年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆制作ノート

英国の経済学者エルンスト・シューマッハー(1911~1977年)の「スモール イズ ビューティフル」における中間技術の提案を、「みんなの機械学習」として実現するため、「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」という拙稿を連載している。前稿では、ビッグデータの限界と、スモールデータの活用について考えてみた。近代合理主義は17世紀に始まり、限界や問題点が明らかになっても、21世紀まで存続している。スモールデータの機械学習が、新しいデータ文明の始まりとなることを期待して、近未来への希望をつないでいる。「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」は途中の画像以降なので、制作ノートに相当する前半部分は、飛ばし読みしてください。 記事全文>>

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岸田首相のテレサ・テン
「時の流れに〜」が招いた日本の不幸
『山田厚史の地球は丸くない』第248回

10月 13日 2023年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「岸田政権、もう2年だよ」「えっ、もうそんなになったのか」

この手の会話をよく耳にする。それほど印象の薄い政権だが、やっていることは、中国を敵視する「安保政策大転換」や「原発推進へのUターン」といった未来への針路を危うくする政策だ。希薄な存在感と強面(こわもて)政策。このギャップをどう考えたらいいのか。

岸田文雄は「気配のない政治家」である。意識して「気配と消す」というほど周到とは思えない。存在感が希薄、首相という輪郭が見えないまま、透明人間のように状況に溶け込む。「気配を感じさせない政治家」と言った方がいいかもしれない。 記事全文>>

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コロナ禍前とは違うコロナ禍後の労働市場
対照的な男女の労働力人口比率に潜む光と陰
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第70回

10月 09日 2023年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

2020年、新型コロナショックが労働市場を直撃した。とくに打撃を受けたのが、非正規の職員だった。飲食業や宿泊業など、パート、アルバイトに多くを依存する産業が軒並み売り上げを落とし、雇用を削減した。

あれから3年半。コロナ禍の収束とともに、就業者数はコロナ禍前の水準をほぼ回復した。

潜在的な労働力を示す労働力人口比率(注)も、上昇を続けている。同比率は、2010年代前半にかけて50%台後半まで低下したものの、その後は反転。コロナ禍による足踏みがありながらも、現在は1990年代なかばの水準まで回復している(1968年65.9%→2012年59.1%→2023年8月63.1%)。しかし、同比率の男女別、年齢階層別の内訳を見ると、手放しでは喜べない現実も浮かび上がる。 記事全文>>

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「一期一会」の大切さを気づかせてくれた米国での体験
「小澤塾」の厳しさの根底にあるもの
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第251回

10月 06日 2023年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

バンコック銀行(バン銀)の提携銀行からの出向者がバンコクでの任期を終えたため先日、帰任者に対する送別会が開かれた。バン銀日系企業部ではこうした日本人だけの送別会が年に4、5回は開催される。日本では鎬(しのぎ)を削るライバル銀行同士であったとしても、バン銀に入れば「顧客のために最善を尽くす」をモットーに、みんなが協力して顧客に対してベストサービスを提供する。提携銀行の出向者たちは「同じ釜の飯を食う」仲間たちである。異なった銀行から集まった行員が一堂に会し、酒を飲みながら本音で語れる機会などほとんどない。 記事全文>>

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データでサイン
『みんなで機械学習』第28回

10月 03日 2023年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆制作ノート

英国の経済学者エルンスト・シューマッハー(1911~1977年)の「スモール イズ ビューティフル」における中間技術の提案を、「みんなの機械学習」として実現するため、「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」という拙稿を連載している。前稿では、経済予報と生活予報について考えてみた。経済予報の場合、景況感指数のように予測性がある経済指標が各種公表されているのでイメージしやすい。地域特性や業界特性を、経済データからどのように推測するのか考えてみた。生活予報はイメージしにくいけれども、以前は四季の移ろいに応じた、家族や集落の行事によって営(いとな)まれていたことを、地域のデータから読み取って予測し、広報することを考えてみた。「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」は途中の画像以降なので、制作ノートに相当する前半部分は、飛ばし読みしてください。 記事全文>>

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与那国 要塞化する島
日本の最西端 いま何が起きている?
『山田厚史の地球は丸くない』第247回

9月 29日 2023年 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「南西諸島の防衛力強化」が、盛んに言われるようになった。沖縄といえば米軍基地だが、宮古島、石垣島など離島にミサイルを配備しているのは自衛隊だ。

「台湾有事」が囃(はや)され、「海洋進出の動きを強める中国」などと不安を煽(あお)り、「抑止力の強化」が当然のように叫ばれているが、現地の人々はどう受け止めているのか。それが知りたくて、日本西端の島・与那国島(よなぐにじま)を訪れた。 記事全文>>

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銀行員の基本的技術を習得するために
「小澤塾」のノウハウ(下)
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第250回

9月 22日 2023年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

バンコック銀行日系企業部には、新たに配属された新入行員向けの研修プログラムがある。通称「小澤塾」と呼ばれる研修プログラムで、早いもので開始以来12年になる。前回(第249回)、「小澤塾」の研修プログラムの構成をご紹介したが、以下に改めて記載させていただく。

【小澤塾の研修プログラム・概要】

①銀行商品(預金・貸し出し・CMS〈キャッシュ・マネジメント・システム=資金管理〉・外国為替・海外送金・クレジットカード・年金信託)の理解と融資(貸し出し)の基本的考え方の理解

②経営・マーケティング関連の本3冊の読書と講義での発表

③日本の地域分析を通した科学的手法の取得とそれに基づいた産業(半導体・自動車・飛行機・鉱山・漁業など)や世界の地域経済(アフリカ・中東・インドなど)の分析レポートの作成

前回はこのうち①と②について詳述した。今回は、日本人だけを対象にした③について説明する。 記事全文>>

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経済予報と生活予報
『みんなで機械学習』第27回

9月 20日 2023年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆制作ノート

英国の経済学者エルンスト・シューマッハー(1911~1977年)の「スモール イズ ビューティフル」における中間技術の提案を、「みんなの機械学習」として実現するため、「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」という拙稿を連載している。前稿では、新たに第4章「機械学習との共存・共生・共進化-まばらでゆらぐ多様性」を書き始めた。生態系が「まばら」であること、すなわち、生態系における共存・共生・共進化は、まばら(スパース)な関係によって非線形な複雑系が安定化しているという、データ論として都合のよい入り口を見つけた。データの世界は、ランダムな数の分布に意味がある世界だ。数学では、確率は実数によって定義されていても、コンピューターは、整数の疑似乱数しか作ることができない。疑似乱数であっても、ランダム行列にして、固有値(eigenvalue)分解すれば、実数(場合によって複素数)の世界に戻るので不思議だ。もちろん、コンピューターで計算しうる固有値は、整数でしかないけれども。こういう意味不明な話も、量子コンピューターでは、複素数の世界を実際に計算できてしまうので、本当に意味不明になる。「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」は途中の画像以降なので、制作ノートに相当する前半部分は、飛ばし読みしてください。 記事全文>>

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自民党の「新しいお姫さま」
岸田首相「女性重視」の内実
『山田厚史の地球は丸くない』第246回

9月 15日 2023年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「高い実務能力と選挙対策への知見を培ってきた。こうした能力や知見を生かしていただきたい」

一瞬、冗談かと思った。岸田首相は、小渕優子氏を自民党選挙対策本部長に抜てきした理由を、記者会見でこう述べた。

選挙対策への「高い能力と知見」が小渕氏にある? 真っ先に思い浮かんだのは、ドリルで破壊されたハードディスクの一件である。 記事全文>>

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