引地達也(ひきち・たつや)
コミュニケーション基礎研究会代表。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長などを経て、株式会社LVP等設立。東日本大震災直後から「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。
◆開発コミュニケーション
「開発コミュニケーション」で知られるダニエル・ラーナーのコミュニケーションの体系立て方を知る「コミュニケーション体系と社会体系」は、1960年代の米国の他国に対する「開発」に関する基本的な考え方であり、その行動原理を知る論考である。それはやはり、米国が中南米やイランなどで行ってきた「自立を促す」名目での「介入」から「開発」に移行していく戦略と一致する。今回はこの論考から開発を考えてみたい。
ラーナーが論ずる「米国流の開発」には、米国の持つフロンティア精神と同居するヒューマニズムの考えが根本にあるはずではないかと、ラーナー自身の感情的な立脚点をさがしてみると、「開発」から導かれるリテラシー、そこから続くメディアへの指摘で、ラーナーは「自分自身や自分の家族のための『よりよい選択肢』を想像し、望む可能性を彼らに与えること」 がメディアの役割だと明言していた。
記事全文>>