引地達也(ひきち・たつや)
仙台市出身。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長などを経て、株式会社LVP(東京)、トリトングローブ株式会社(仙台)設立。東日本大震災直後から被災者と支援者を結ぶ活動「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。企業や人を活性化するプログラム「心技体アカデミー」主宰として、人や企業の生きがい、働きがいを提供している。
◆ドイツで開発されたHP作成ツール
毎日新聞記者時代の自分が執筆した記事「インターネットで実物に接近」(1996年1月)を読み返す機会があり、内容に思わず苦笑いした。民事係争中だった昭和天皇の肖像画を使ったコラージュが、原告のホームページに掲載された、という内容。「インターネット」がまだ一般用語ではなかったから、記事では「世界的なパソコンネットワーク『インターネット』を通じて原告が開設するホームページにはだれからもアクセスが可能」と説明している。
当時、記事を書きながら、原告である富山大教授の「インターネットで世界がつながる」という説明に、自分の想像が行き届かなかったのを思い出す。想像が出来ないまま「最先端」のイメージと未知の「インターネット」という言葉だけにひかれ、まだモニターが箱型テレビのような富士通のFMVを購入したが、インターネット接続の困難さがクリア出来ず、結局記事を書き、フロッピーデスクに保存するだけの「ワープロ化」していた頃の話である。
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