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エボラ出血熱とイスラム国
『山田厚史の地球は丸くない』第33回

11月 07日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

あなたは今も「エボラ出血熱なんて自分には関係ない」と思っていますか。

アフリカの出来事なんて他人事、と考えていた先進国の眼をアフリカに向けたのが、エボラ感染者がスペインやアメリカで見つかったこと。病気の広がりは、菌やウイルスそれ自体が持つ感染力より、増殖させる社会環境にある、といわれる。共同体の崩壊、貧困層の拡大、都市への人口集中。アフリカで進む暮らしの激変に牙を?(む)いた病原が、地球規模の往来で世界に伝播(でんぱ)する。エボラの感染はグローバル経済の病ではないのか。先進国の若者を引き付けるイスラム過激派組織「イスラム国」とどこか似た構図が気になる。

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先が見えないからこそビジョンを描く
『経営コンサルタントの視点』第14回

11月 07日 2014年 経済

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中野靖識(なかの・やすし)

株式会社船井総合研究所上席コンサルタント。メーカーから小売業まで幅広いコンサルティングフィールドを持つ。一般消費者向けの商材を扱う企業の現場レベルでの具体的な販売手法の提案を得意とする。

日本国内では、米国が量的緩和の終了を提示する中、日銀による追加金融緩和が発表され、株価上昇と同時に円安が進みました。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がリスクを取る投資をするという意思決定がなされたことも株価上昇に寄与しているものと思われます。

経済産業省が平成26年8月の商業統計調査結果を公表していますが、商業販売額全体は36兆8470億円、前年同月比1.6%の減少で、卸売業、小売業別にみると、卸売業は25兆3920億円、同2.8%の減少、小売業は11兆4540億円、同1.2%の増加となったと記載されています。

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手軽なホームページの見せ方と付き合い方
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第29回

11月 07日 2014年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

仙台市出身。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長などを経て、株式会社LVP(東京)、トリトングローブ株式会社(仙台)設立。東日本大震災直後から被災者と支援者を結ぶ活動「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。企業や人を活性化するプログラム「心技体アカデミー」主宰として、人や企業の生きがい、働きがいを提供している。

◆ドイツで開発されたHP作成ツール

毎日新聞記者時代の自分が執筆した記事「インターネットで実物に接近」(1996年1月)を読み返す機会があり、内容に思わず苦笑いした。民事係争中だった昭和天皇の肖像画を使ったコラージュが、原告のホームページに掲載された、という内容。「インターネット」がまだ一般用語ではなかったから、記事では「世界的なパソコンネットワーク『インターネット』を通じて原告が開設するホームページにはだれからもアクセスが可能」と説明している。

当時、記事を書きながら、原告である富山大教授の「インターネットで世界がつながる」という説明に、自分の想像が行き届かなかったのを思い出す。想像が出来ないまま「最先端」のイメージと未知の「インターネット」という言葉だけにひかれ、まだモニターが箱型テレビのような富士通のFMVを購入したが、インターネット接続の困難さがクリア出来ず、結局記事を書き、フロッピーデスクに保存するだけの「ワープロ化」していた頃の話である。

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ASEAN経済共同体の進捗(その3)
『ASEANの今を読み解く』第15回

11月 07日 2014年 国際

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助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。国際貿易投資研究所(ITI)客員研究員。専門は ASEAN経済統合、自由貿易協定(FTA)。2013年10月までタイ駐在。主な著書に『ASEAN経済共同体と日本』(2013年12月)。今年10月末に『ASEAN大市場統合と日本』(文眞堂)を出版した。

8月末にミャンマーの首都ネピドーで開催されたASEAN経済相会議(AEM)において、ASEAN経済共同体(AEC)実現に向けた進捗(しんちょく)状況が報告されたが、その主なものを3回シリーズで紹介する。今回はその最終回となる第3回で、最も遅れている措置の一つと言われている非関税障壁の撤廃について報告する。

◆非関税障壁撤廃の取り組み遅延が貿易自由化を阻害する懸念

ASEAN経済共同体(AEC)の枠組みで、最も順調に進んでいる代表が、ASEAN自由貿易地域(AFTA)の関税削減・撤廃である。2013年12月時点で、AFTAの自由化率(全品目に対する関税撤廃品目の割合)は、ASEAN先行加盟6カ国で99.2%、後発加盟4カ国でも72.6%に達している。ASEAN全体みれば86.6%であるが、2015年1月には一気に97%弱にまで高まる予定である。

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前途多難なインドネシア新政権
『東南アジアの座標軸』第1回

11月 07日 2014年 国際

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宮本昭洋(みやもと・あきひろ)

りそな総合研究所など日本企業3社の顧問。インドネシアのコンサルティングファームの顧問も務め、ジャカルタと日本を行き来。1978年りそな銀行(旧大和銀)入行。87年から4年半、シンガポールに勤務。東南アジア全域の営業を担当。2004年から14年まで、りそなプルダニア銀行(本店ジャカルタ)の社長を務める。

◆視界不良の季節

インドネシアでは雨季入りが遅れています。今は乾季の最盛期にあり、年間を通じて最も暑い時期です。アパートの高層階からジャカルタ市内を眺めると、眼下には交通渋滞を尻目に、ようやく始まった地下鉄(MRT)工事現場で大型の重機が土ぼこりを巻き上げています。

また、視線を街全体に向けると、街が巨大なドーム状の光化学スモッグに包まれて視界は極端に悪くなっています。北京ではよく話題になるPM2.5の大気汚染は、この国ではほとんど話題になりませんが、間違いなくこの物質も大量に浮遊しているはずです。この「視界不良」こそが、現在のインドネシアの状況を如実に物語っています。
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ジンタナさんの退職と日本人クレーマー
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第32回

10月 31日 2014年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住16年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

バンコック銀行のシーロム本店にある日本語カウンター「JAPAN DESK」の創始者の1人であるジンタナさんが退職する。

この記事を読み進めていただく上で読者の皆様の誤解を避けるために、バンコック銀行の日本人向けサービスについて若干説明させていただきたい。私がバンコック銀行に転職したのは2003年4月。前任には同じ東海銀行から出向、転職された新井寿さんがおられ、バンコック銀行の日系企業向け取引の礎を築き上げられていた。その基盤の上に更に準備を行い、04年10月より日系企業部という組織が発足した。この組織の英文呼称として当初使用したのが、一般的になじみのある「JAPAN DESK」であった。

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どうしてバレたの? 架空輸出
『実録!トラブルシューティング』第2回

10月 31日 2014年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、タイ投資促進委員会(BOI)の恩典を受けている大手自動車部品メーカーA社の実例をご紹介したいと思います。タイではBOIにより、外資の投資を促進するための法人税や、機械設備や原材料・半製品の輸入関税免税措置の仕組みがあります。このメーカーは、BOIの恩典の一つである原材料の輸入関税を免除されるという恩典を受けていました。

そもそもの発端は、タイ人副社長がこともあろうに、輸入材料を横流しして小遣い稼ぎをしていたことから始まります。原材料は、BOIよりタイ国内で加工生産した製品を輸出することを条件として輸入時の関税を特別に免除されています。当然のことながら、適正な在庫管理とBOIへの報告が義務付けられています。さて、横流しして足りなくなってしまった在庫をどうしましょうか?

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4つの権力、自覚と分業
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第28回

10月 31日 2014年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

仙台市出身。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長などを経て、株式会社LVP(東京)、トリトングローブ株式会社(仙台)設立。東日本大震災直後から被災者と支援者を結ぶ活動「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。企業や人を活性化するプログラム「心技体アカデミー」主宰として、人や企業の生きがい、働きがいを提供している。

◆メディア出身というもの

小渕優子経産相、松島みどり法相が10月20日、辞任した。「観劇会」と「うちわ」というどちらも柔らかい顔を持つ有権者との接点に絡む「政治とカネ」の問題が追及され、どちらも大臣であること以前に政治家であることへの「経済面での」自覚が足りず、大臣室からの退場に追い込まれた。

つまり、有権者との関係に金銭を介在させないこと、への徹底した自覚が欠如し、そして自らの給与、そして政党助成金の交付、税の優遇措置など、自分が国家からお金で護(まも)られている、という認識が甘かった。なぜ、自覚がないのか。その問いを考えたときに、2人の出身と私の強い実感を伴った実体験が重なってくる。キーワードは「メディア出身」である。

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ボルネオ島の猫の街クチン
『マレーシア紀行』第6回

10月 31日 2014年 国際

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マレーの猫

エネルギー関連業界で30年以上働いてきたぱっとしないオヤジ。専門は経理、財務。実務経験は長く、会計、税務に関しては専門家と自負。2012年からマレーシアのクアラルンプールに単身赴任。趣味は映画鑑賞、ジャズ、ボサノバ鑑賞、読書。最近は浅田次郎の大ファン、SF小説も

マレーシアでの単身駐在期間が長くはなってきたが、それでもこの国のことをあまり知らない私があれこれ書くのは気が引けるが、旅行記第6弾を書くことをお許しいただければと思う。今回紹介させていただく場所は、首都クアラルンプールからはちょっと遠いが、東マレーシア(ボルネオ島)の玄関口であり、サラワク観光の拠点でもあるサラワク州の州都クチンである。クチンはマレー語で猫という意味なので、街中様々なところに猫の置物があり、また猫博物館まであったのには驚かされてしまった。

◆現在も強大な自治権を持つ地域の中心地

まずクチンの歴史について述べる前に、地理的な説明をさせていただく。場所としてはクアラルンプールのあるマレー半島ではなく、東マレーシア(ボルネオ島)の西のインドネシアとの国境近くにある都市である。クアラルンプールからは飛行機で行くのだが、観光地として有名なコタキナバルよりはずっと近く、東マレーシアの空の玄関口と言える場所に位置している。そのためクアラルンプールからは、1時間30分程度で到着することができた。

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教育は格差の根源? 「近代」を撃つイスラム国
『山田厚史の地球は丸くない』第32回

10月 24日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

カナダの国会で起きた銃乱射事件。米国に高まる地上軍投入の気運。中東の過激派組織「イスラム国」を巡る緊張は高まり、世界のどこでもテロが起きかねない状況になった。イスラムは怖い。そんなイメージが広がっている。

◆過酷な現世を忘れる精神安定剤

イスラム教徒とテロを結びつける発想は日本の警察にもある。3年前、警視庁から流出した公安情報にその一端が現れている。「テロ対策」として都内に住むイスラム教徒をリストアップし、身辺を監視していた。

なじみ薄い人にとってイスラム教は凶暴な宗教と受け取られがちだ。過激派は女性を差別し、自爆テロも辞さない。人質の首を切断するシーンをネットで公開する。イスラムは何をするかわからない、という刷り込みが世界に広がった。

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