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暴れなくていいんだよ 東日本大震災と障がい児
フラッシュバックをめぐるルポタージュ(その2)
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第19回

7月 18日 2014年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

仙台市出身。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長などを経て、株式会社LVP(東京)、トリトングローブ株式会社(仙台)設立。一般社団法人日本コミュニケーション協会事務局長。東日本大震災直後から被災者と支援者を結ぶ活動「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。企業や人を活性化するプログラム「心技体アカデミー」主宰として、人や企業の生きがい、働きがいを提供している。

◆崩壊寸前

「どうにかしてくれ」

美由紀さんは、東日本大震災後に「暴れだした」久人君のその行為の根っこにあるのは、心の叫びであると受け止めている。他者とのコミュニケーションが苦手な息子にとって、そのように表現するしか、自分を表現する手立てがないのだ。震災による環境の変化を「恐れ」と受け止め、それを発露する術を知らない久人君に美由紀さんはただひたすらに「大丈夫だからね」と言うしかなかった。

「緊急事態」として状況を知った保健師からの紹介で病院を訪れたが、明確な答えはなく、そこで受けた処方箋(せん)でも効果はなく、修羅場の日々は続いた。
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東大医学部の闇と光
『山田厚史の地球は丸くない』第25回

7月 11日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

医者を育てる教育ってなんだろう。そんなことを考えさせるのが、東京大学医学部で続発する研究不正に決起した医学生5人の行動だ。説明を求めた公開質問状に、大学は「心配しないで勉強してなさい」という対応だった。東大はどんな医者を育てようというのか。

◆研究データ改ざん、関係者に口止め

東大理科3類、通称「理3」は、同世代の0.01%の頭脳集団にのみ門戸が開かれる受験の最難関である。数学五輪に出場するような俊才が集まり、放っておいても勉強する若者たちだ。だが、受験の勝者が良い医者になるか、というと微妙である。善悪の判断がずれた医師や研究者ほど恐ろしいものはない。

ノバルティス製薬の事件や理化学研究所の論文ねつ造が社会問題化しているが、似たような構造が東大で表面化した。
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タカマツマシナリー(タイランド)
日系企業紹介『おじゃまします』第14回

7月 11日 2014年 経済

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バンコク週報

1976年10月創刊のタイで発行する日本語新聞。在タイビジネスマンに向けてタイの政治・経済・社会ニュースから人物紹介まで多彩なコンテンツを提供している。

◆手動・自動CNC旋盤が高い評価 高いカスタマイズ性、かつ低価格

CNC旋盤など工作機械の製造・販売保守サービスで顧客企業から高い評価を受けている高松機械工業(石川県白山市)。50年にわたり顧客にとって最適な機械を提供してきた同社は2003年、タイに自社製品の販売・メンテナンスを行う現地法人「タカマツマシナリー(タイランド)」を設立した。その後06年にはタイ工場を立ち上げている。

高松機械工業の主力製品は、円筒状工作物をコンピューター管理された刃物で切削するCNC旋盤だ。同社は日本で約30機種の旋盤を製造販売している。タイでの売れ筋はそのうち5~6機種だ。高松機械工業の高松宗一郎・取締役兼海外営業部長によれば、日本では8~9割が自動化されているが、タイは2~3割程度で主力はまだ手動機。さらにこれに低価格という条件がつくという。
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暴れなくていいんだよ 東日本大震災と障がい児
フラッシュバックをめぐるルポタージュ(その1)
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第18回

7月 11日 2014年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

仙台市出身。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長などを経て、株式会社LVP(東京)、トリトングローブ株式会社(仙台)設立。一般社団法人日本コミュニケーション協会事務局長。東日本大震災直後から被災者と支援者を結ぶ活動「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。企業や人を活性化するプログラム「心技体アカデミー」主宰として、人や企業の生きがい、働きがいを提供している。

◆押し黙る医師

子供が暴れる―。津波から逃れ、与えられた命。その命のエネルギーを、その障害のある子供たちは、あまりにも非日常と化したあの日の恐れなのか、あるいは不安なのか、暴力という破壊行為で表現し、家を、家族を、母を、その兄弟を破壊する。

いわゆる、それは強い心的外傷を受けた事後に突然その過去を思い出し、人によってはパニック状態となる心理現象とされる「フラッシュバック症候群」と呼ばれるが、確かなことはまだ不明だ。
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加速する「タイプラスワン」戦略(その3)
『ASEANのいまを読み解く』第11回

7月 11日 2014年 国際

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助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。専門は ASEAN経済統合、自由貿易協定(FTA)。2013年10月までタイ駐在。同年12月に『ASEAN経済共同体と日本』(文眞堂)を出版した。

◆局地的な「タイプラスワン」拠点

これまで2回にわたって「タイプラスワン」戦略の動きを報告した。しかし、カンボジアやラオスはその候補ではあるが、それら両国の国土全体がその対象とは言えない。例えば、カンボジアには現在までに32カ所の経済特区(SEZ)がある。うち稼働しているのは8つ。しかし、製造業を担うに足るある程度十分なインフラが整備された環境を備えるSEZは決して多くはない。

具体的には、日本の政府開発援助(ODA)で支援したシアヌークビル港SEZやプノンペンSEZなどごく一部。多くのSEZは、賃料自体は安価なものの、上下水処理設備の敷設がなかったり、バックアップ用電源がなく停電リスクは入居企業自ら負わねばならなかったりするなどリスクがある。その結果、自ら製造に専念出来る環境にまで整備する必要がある。
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優れたマネジャーの条件とは何か?
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第24回

7月 04日 2014年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住16年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

日本ではほとんど知られていないが、グーグルには「優れたマネジャーであるための8つのルール」が存在する。私が日本でほとんど知られていないと断言するのは、グーグルの日本語検索で「グーグル」「ルール」をキー検索しても該当する記事が出てこないからである。今回は、このグーグルがはじき出した8つのルールについてお話ししたい。

グーグルは2009年から2年間にわたり、優れたマネジャーの特徴を明らかにするための「プロジェクト・オキシジェン(Project Oxygen)」を立ち上げ、膨大なデータを解析し、独自なモデルを構築した。その研究成果については11年3月11日付の米紙ニューヨークタイムズに公表された。まずは、このニューヨークタイムズに掲載された「グーグルの8つのルール」の内容をご紹介しよう。
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人生に彩りを与えてくれた名作の数々
『えいがと私』第2回

7月 04日 2014年 文化

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マレーの猫

エネルギー関連業界で30年以上働いてきたぱっとしないオヤジ。専門は経理、財務。実務経験は長く、会計、税務に関しては専門家と自負。2012年からマレーシアのクアラルンプールに単身赴任中。趣味は映画鑑賞、ジャズ、ボサノバ鑑賞、読書。最近は浅田次郎の大ファン、SF小説も

マレーシアでの単身駐在期間が長くなるにつれて、最近は趣味や自分の過去について時々思い巡らすことが多くなってきた。これから書く話は、私の全く個人的な趣味の話であり、映画が自分の人生にどのような影響を与えたかということについての回想録のようなものである。今回は「えいが(映画)と私」の第2回として、私の大学生時代から30代半ばごろまでの間に見た映画について、私の思いを書かせていただく。

◆サラリーマン社会に通底する「仁義なき戦い」

大学入学後は、高校時代とは通学ルートが変わってJR(当時は国鉄)新宿駅経由となったため、渋谷に行く機会が減ったことや、映画以外の多くのことに興味を持つようになったためだったと思うが、映画を見る回数は高校時代と比較してかなり減っていったように思う。
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憲法9条、旗竿はまだ握っている
『山田厚史の地球は丸くない』第24回

6月 27日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

公明党の山口那津男代表が憲法解釈の変更で集団的自衛権は可能と表明したことを伝える紙面に、「軍にODA解禁」という大見出しが踊っていた。援助政策の大転換である。

民生支援に限定されていた政府の途上国援助(ODA)を軍事目的にも広げる、という提言が外務省の有識者懇談会(座長=薬師寺泰蔵・慶大名誉教授)から出された。サッカーのワールドカップ(W杯)に人々が釘付けになっている間に、国家の暴走に拍車がかった。
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何の目的で海外進出するか事前によく考えよ
『ものづくり一徹本舗』第17回

6月 27日 2014年 経済

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迎洋一郎(むかえ・よういちろう)

1941年生まれ、60年豊田合成入社。95年豊田合成タイランド社長。2000年一栄工業社長。現在中国、タイで工場コンサルタントを務める。自称「ものづくり研究家」。

1995年、私はトヨタ合成が初めてタイに竣工(しゅんこう)した製造工場の初代社長として赴任した。このとき既に海外進出に長い歴史を持つトヨタ自動車の海外生産技術部門や調達部門の幹部の方々、さらにはグループ会社の方から多くの助言とご指導をいただいた。そのおかげで、なんとかタイ進出を成功に導くことが出来た。今回は、そのときの体験の一部を紹介したい。

◆甘かった進出計画のもくろみ

「海外進出する際は何の目的で進出をするか、よく考えてから事を成せ」。当たり前の話であるが、当時準備にかかわった私をはじめ本社の企画部門や技術部門の人間は、このことを真剣に突き詰めていなかった。
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記憶にとどめておきたい昭和戦後史
『読まずに死ねるかこの1冊』第12回

6月 27日 2014年 文化

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間120冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング

東京・新宿にある国立競技場の解体作業がこのほど始まった。正式には「国立霞ヶ丘陸上競技場」というが、ラグビー愛好者らは花園(大阪)、秩父宮(東京)と並ぶ「聖地」として、「こくりつ」と呼ぶ。僕のいくつかあるウオーキングコースの中の一つは、1964年(昭和39年)に東京オリンピックの開会式が行われたこの施設の脇を通るが、ここが完成したのが、僕が生まれた58年(昭和33年)だと知ったのは不勉強なことに、解体作業が始まる前に行われた今年5月の見学ツアーに参加した時だった。

◆神々しく輝いて見えた聖火ランナー

形あるものが消失してしまうのは、はかなく哀(かな)しい。自分と同い年のこの施設には、大学対抗陸上やラグビー日本選手権などを観戦するために何度か訪れたことがある。「ラグビーフリーク」と自他ともに認める大学当時の友人は、常にゲームの中心に絡み続けることが求められるポジション「ナンバーエイト」にちなんで息子に「英斗(えいと)」と名付け、大学卒業以来ほぼ毎年、大学選手権や日本選手権の決勝のたびに上京し「こくりつ」で観戦してきた。彼ほどの愛着はないにせよ、僕はいまも時折その脇を歩きながら、数々の劇的な名場面を生み、それを見つめ、大観衆の歓喜とため息を包み込んできたこの競技場に、いたわりのまなざしを送っている。
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