最新記事
1 168 169 170 171 172 173

「好きな国」「嫌いな国」
『記者Mの外交ななめ読み』第4回

9月 27日 2013年 国際

LINEで送る
Pocket

記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間100冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

トルコ中部の観光地カッパドキアで9月上旬、旅行中の新潟大学の女子学生2人が地元の男に刃物で殺傷される事件があった。現地からの情報などによると、事件は偶発的に起きたようだ。僕は事件発生後のトルコ当局などの迅速な対応に注目した。

カッパドキアでは、地元の人たちによる追悼行事が行われた。およそ1000人の参加者が、日本語で「トルコ日本友好」「ごめんなさい」などと謝罪・追悼のメッセージを書いたプラカードや日の丸の旗を手に行進し、亡くなった女子学生を悼んだという。また、事件の翌日、東京のトルコ大使館は、現場から逃走したとみられる男の身柄を拘束したと発表(その後、誤認逮捕とわかり、別の男が逮捕されたが)。一方、成田空港では急きょトルコに向かうことになった女子学生の両親を、喪章を付けたセルダル・クルチ駐日トルコ大使夫妻が出迎え、「いつも私たちはそばにいます。何かできることがあればおっしゃってください」と声を掛けた。
記事全文>>

コメント

ASEAN Wayとバーゲニングパワー
『ASEANの今を読み解く』第2回

9月 27日 2013年 国際

LINEで送る
Pocket

助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。1998年から2回のタイ駐在で在タイ10年目。現在は主にASEANの経済統合、自由貿易協定(FTA)を企業の利用の立場から調査、解説。著書に「ASEAN経済共同体」(2009年8月/ジェトロ)など多数。

◆ASEANの交渉力の源泉「コンセンサス」

これまで東南アジア諸国連合(ASEAN)は、加盟10カ国が同じ方向を向くことで、中国や日本などASEANのダイアログパートナー(対話国)などとの交渉において「バーゲニングパワー」を発揮してきた。例えば、筆者が参加の機会を得たASEANとある対話国との閣僚会議で、一部のASEAN加盟国と対話国とで意見の不一致があった。その際、直接的に利害が絡む加盟国が自らの意見を述べ、他の加盟各国が利害加盟国を支えるべく次々とその意見に同調、最後に皆、「ASEANのコンセンサスに従う」という言葉で締めくくった。

これらのやり取りで、対話国は完全に守勢に立たされる。ASEANは直接的に利害が絡む加盟国に最大限配慮する形で、非利害加盟国もコンセンサスを形作り、10カ国による「バーゲニングパワー」を発揮するその姿勢は、正直、対抗するのが難しいと感じた。ASEAN Wayと言われる「内不干渉の原則」と「コンセンサスによる意思決定」の根幹を見た気がした。ASEANの意思決定は決して多数決を採らない。多数決はASEAN内で足並みの乱れを露見させ、「バーゲニングパワー」をそぐ懸念があるためである。
記事全文>>

コメント

東京オリンピックでいいのか
『山田厚史の地球は丸くない』第5回

9月 20日 2013年 政治

LINEで送る
Pocket

山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

オリンピックが2020年、東京に来る。「よかった」「うれしい」「大歓迎」とメディアは報じ、同調圧力は高まるばかり。東京五輪はそんなにめでたいことなのか。

都がカネを使うべきは、直下型震災への備えではないのか。国が取り組むべきは海や空気を汚染するフクシマの放射能対策だ。どうしようもない不安をお祭り気分で紛らわす。現実逃避の空気が、この国に充満している。
記事全文>>

コメント

外国為替リスクからの膨大な損失
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第5回

9月 20日 2013年 経済

LINEで送る
Pocket

小澤 仁(おざわ・ひとし)

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住15年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

タイに進出している日系企業のうち2割強の企業は外国為替リスク(以下為替リスク)への対応を十分にしていない、と私は考えている。2008年のタイ商務省のデータに基づいてバンコック銀行日系企業部が行った在タイ日系企業の業績調査によると、当時約4000社あった、実質的に日本企業が会社の経営に関与しているタイ法人のうち約3分の1は、恒常的赤字もしくは債務超過状態であった。このうち08年の1年間に急速に業績が悪化し債務超過に陥った企業の大半は、この年に進行した急速な円高、バーツ安に伴って表面化した為替損失によるものと思える。業績の悪い企業の約3分の1がこうした為替リスクに伴う損失だったことを考えると、全体でみても2割から3割の企業は為替リスクへの対応が十分でないと推定される。

実際、私ども日系企業部の部員がお客様を訪問しても、為替リスクを放置しているお客様は多い。この要因は以下に大別出来る。
1.為替リスクの存在を全く理解していない。
2.現地に取引銀行を持たないため、為替リスクのヘッジができない。
3.為替リスクについては理解しているが、その恐ろしさについて実感していない。
記事全文>>

コメント

顧客との約束 その3
『経営コンサルタントの視点』第3回

9月 20日 2013年 経済

LINEで送る
Pocket

中野靖識(なかの・やすし)

株式会社船井総合研究所上席コンサルタント。メーカーから小売業まで幅広いコンサルティングフィールドを持つ。一般消費者向けの商材を扱う企業の現場レベルでの具体的な販売手法の提案を得意とする。

コンサルティング現場で「企業としての顧客との約束」を再検討していく中で、モノづくりをしている企業の場合には迷いが生じるケースがあります。

昨今のモノづくり企業は、編集力のある会社が「勝つ」傾向が出始めており、「プロダクトアウト」的アプローチを改めて検討しなければならないからです。
記事全文>>

コメント

エンドーライティング (タイランド)
日系進出企業紹介『おじゃまします』第2回

9月 20日 2013年 経済

LINEで送る
Pocket

バンコク週報

1976年10月創刊のタイで発行する日本語新聞。在タイビジネスマンに向けてタイの政治・経済・社会ニュースから人物紹介まで多彩なコンテンツを提供している。

「タイは今年がLED幕開けの年」と話すのは、照明器具メーカー、遠藤照明のタイ子会社「ライティングエンドー(タイランド)」の柳井智裕・代表取締役社長だ。

タイ政府が省エネを重要課題に掲げていることもあり、消費電力が低く耐久性に優れたLED照明への関心が地場企業の間で高まりつつある。
記事全文>>

コメント

悪い冗談? 東京五輪
『カメラ猫の言いたい放題』第1回

9月 20日 2013年 社会

LINEで送る
Pocket

那須圭子(なす・けいこ)

フリーランスのフォトジャーナリスト。1960年、東京生まれ。山口県在住。20年間、山口県上関町に計画される原発建設に反対する人々をカメラで記録してきた。それを知らない占い師に「あなたは生涯放射能と関わっていく」と言われ、覚悟を決めた。人間より、人間以外の生きものたちが好きな変人。

2020年オリンピック・パラリンピックの開催地が決まった9月8日の朝、テレビをつけた私は、「ト・ウ・キ・ヨ・ウ」とロゲ国際オリンピック委員会(IOC)会長が発音する口元を見て、「はぁ~?」と思わず大きな声を出したまま、文字通り開いた口がふさがらなかった。

前夜、安倍首相がIOC総会のプレゼンテーションの場で、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水漏れについて「状況はコントロールされており、(汚染水は)東京には何の影響も与えない」「汚染水の影響は原発の港湾内の0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」などと国際社会に向けて「大ウソ」をついたのを見て、相当驚いてはいたものの、まさかそれを鵜呑みにするほどIOCが愚かだとは思っていなかったのだ。
記事全文>>

コメント

カンボジアで考える、「時代の傷」
『カンボジア浮草日記』第2回

9月 20日 2013年 国際

LINEで送る
Pocket

木村 文(きむら・あや)

元朝日新聞バンコク特派員、マニラ支局長。2009年3月よりカンボジア・プノンペン在住。現地で発行する月刊邦字誌「プノン」編集長。

カンボジアの首都プノンペンで暮らして5年になる。

ここ数年、経済・ビジネスニュースを発信することが多く、内容は右肩上がりのものばかりだ。最近の国民議会選挙をめぐる政局の混乱のように、経済成長や海外投資の勢いを冷え込ませるものもたまにあるが、全体としては「景気のいい」話が多い。
記事全文>>

コメント

間接部門と標準書
『ものづくり一徹本舗』第3回

9月 13日 2013年 経済

LINEで送る
Pocket

迎洋一郎(むかえ・よういちろう)

1941年生まれ、60年豊田合成入社。95年豊田合成タイランド社長。2000年一栄工業社長。現在中国、タイで工場コンサルタントを務める。自称「ものづくり研究家」。

これまで2回にわたり、「標準化の重要性と生産現場における標準化定着への取り組み」についてお話してきた。今回は、会社の間接部門の関わり方について検討してみたい。

製造業の会社は、その規模や業種によって組織のあり方も違ってくる。下に示した会社の組織の主な役割については、一つの事例としてご理解いただきたい。
記事全文>>

コメント

炭素の恩恵
『教授Hの乾坤一冊』第5回

9月 13日 2013年 文化

LINEで送る
Pocket

教授H

大学教授。専門は環境経済学および理論経済学。政府の審議会の委員なども務める。「知性は、セクシーだ」が口癖。趣味は鉄道(車両形式オタク)。

炭素と聞いて人は何を思い浮かべるだろうか。炭(すみ)、石炭、そしてダイヤモンド。最近では気候変動(地球温暖化)の原因である二酸化炭素がすぐに頭に浮かぶだろう。ダイヤモンドに縁の深い人はそう多くはないだろうけれど、炭や石炭そしてそれを燃やすことによって発生する二酸化炭素はほとんどの人々の生活に何らかのかかわりを持っている。ただし、それ以上思い浮かべようとしても、なかなか難しいのではないかと思う。

ところがよく考えてみると、炭素は人間と深いかかわりをもっていることがわかってくる。何せ私たちの身体を作っている有機物は、炭素と水素と酸素の結合したものだ。人間をはじめとする動物は、水と有機物を摂取することによってはじめて生きながらえることができる。
記事全文>>

コメント

1 168 169 170 171 172 173