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量子コンピューターの現状と今後
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第247回

8月 11日 2023年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私たちは日常生活の中で、パソコンや携帯電話などを通してコンピューター技術を当たり前のように使っている。しかしその仕組みや論理構造などを理解している人は少ないと思われる。ましてや現代の最先端技術であるスーパーコンピューター、人工知能(AI)、量子コンピューターについては「その何たるか?」を知る人はごく一部に限られている。最近マスコミでもてはやされる「AI万能論」などを見ていると、本質を理解しない軽薄な議論が行われているような気がする。そこで今回は、バンコック銀行の白枝祐介さんがまとめた量子コンピューターのレポートをご紹介したい。量子コンピューターについては時々新聞・雑誌などで取り上げられるが、そもそも仕組みが複雑であり理解するのが難解な代物(しろもの)である。白枝さんはその量子コンピューターをなるべく平易に説明しようと努めた。みなさんの理解に一助になれば幸いです。 記事全文>>

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見たい、知りたい、感じたい
「4か国回遊生活」への道
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第6回

8月 09日 2023年 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番いい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも、沿道の草木を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

私は2023年1月の満65歳の誕生日を機に、新聞社を退職した。通信社時代も含めると40年以上、文字周りの仕事に従事してきた。大学生の時はマスコミ業界に就職する者が多かった、今も続く「マスコミ研究会」に所属し記者をめざしてせっせと文章を書き綴(つづ)っていた。もっと遡(さかのぼ)ると、兵庫県赤穂の行き止まりの寒村の分校にたった1人入学した小1の時に当時、先生が淡いピンク色の紙にフェルトペンとボールペンで枠と縦の線を引いて作ってくれた原稿用紙に、Bの濃さの鉛筆で祖父のことを書き、頑固で一本気なところがあった祖父本人からたいそう褒められたことを今もはっきり覚えているから、書くことは小さい頃からずっと苦にならなかったようだ。 記事全文>>

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臆病者?それとも策士?
問われる植田日銀総裁の真贋
『山田厚史の地球は丸くない』第243回

8月 04日 2023年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

日本銀行の第32代総裁・植田和男の評価が揺れている。前任の黒田東彦(はるひこ)総裁は異次元の金融緩和で経済活性化を狙ったが果たせず、途方もない歪(ゆが)みを市場に残した。「黒田は自ら手を染めた政策を修正することを嫌った。やれるのは新しい総裁だ」と、市場は植田に期待した。だが、就任から100日近くが経っても、植田にその意欲が感じられない。「本気で金融政策の正常化をする気があるのか」と疑いの目が注がれている。総裁は臆病者。そんな声さえ聞かれる。

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集まり散じつ仰ぐは同じき理想の光
「屋台村」開設10周年余話
『四方八方異論の矛先-屋台村軒先余聞』第5回

8月 02日 2023年 社会

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元記者M(もときしゃ・エム)

元新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番いい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は3年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも、沿道の草木を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。

「ニュース屋台村」に執筆いただいている方々、そして執筆を考えていただいている方々へ。けさの東京は、この冬一番の寒さで、わが家の前の神社の境内の水場にも氷が張っておりました。まさに身が引き締まりますが、少々たるんだオヤジの心身にはちょうどいい感じです――。

私たちのニュースサイト「ニュース屋台村」が酷暑のこの夏、開設10周年を迎えるに当たり、開設当初前後の自らの文章を検索していたら、開設後まもない2014年の厳寒の正月に執筆陣や読者の方々に向けて書き送ったものが出てきた。2013年7月にサイトを立ち上げてからちょうど100本目の記事をアップロードしたタイミングに、「ぜひとも引き続きご寄稿ください」と暗に催促したものだ。当時、サイトを立ち上げたはいいがわずか半年で集まる原稿の数は目に見えて減り、開設当初からずっと編集に携わってきた者として「サイト閉鎖前夜」の悲壮感を抱きながら、冷静を保つふりをしつつその実、「なんとかしないと早晩閉村に追い込まれる」とかなり焦っていた。

その後も幾度となく閉村の危機に直面しながら、「ニュース屋台村」は今年7月17日に開設10周年を迎えた。この間、私も含めて計35人の執筆陣がのべ1572本(8月2日現在)の記事を公開してきた。たかが10年。しかし私には「されど10年」の思いが強い。この10年は、記者を生業(なりわい)とし、一貫して文字周りの仕事に従事してきた私にとって、本業を離れてまさに「真剣勝負」「格闘」の孤独な作業の日々だった。 記事全文>>

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機械学習する民主主義
『みんなで機械学習』第25回

7月 31日 2023年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆制作ノート

英国の経済学者エルンスト・シューマッハー(1911~1977年)の「スモール イズ ビューティフル」における中間技術の提案を、「みんなの機械学習」として実現するため、「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」という拙稿を連載している。前稿では、近代的な、論証を重視する微分的思考から、デジタル時代の俯瞰(ふかん)する積分的思考への移行について考えてみた。計算としては、乱数を用いる確率積分の話だ。特に、デジタル分解能で位相制御するデータの世界は、量子の世界のような、人類として未経験の領域になる。「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」は途中の画像以降なので、制作ノートに相当する前半部分は、飛ばし読みしてください。

「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」のゴールは、結論を論理的に構築することではなく、生活世界において、データの世界との共存・共生・共進化に希望を実感することにある。近代的なモノの価値を問う経済から、コト(サービスなど)の意味を重要視する経済への移行を時代背景として、近未来のデータサイエンス テクノロジー アンド アート(データの世界)が、人類の文明論的な変革をもたらす夢物語を、少なくともディストピアとはしない、複数の探索路を切り開こうとしている。物語のゴールにおいては、意味が認知される以前の「データ」そのものが、みんなの機械学習によって、「言語」とは別の、文明の道具になるだろう。 記事全文>>

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「ニュース屋台村」開設10周年を迎えて
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第246回

7月 28日 2023年 社会

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私たちのニュースサイト「ニュース屋台村」は今年7月17日で開設10周年を迎えた。長くもあり、短くもあったこの10年である。この10年の間に延べ35人の方々に執筆いただいた。記事数も計1564本になった。すべて「原稿料なし」で書いていただいたものである。この「ニュース屋台村」にご参集いただいた方々には感謝の言葉しかない。私自身も原稿を書き続けてきた。書くことが専門でもない銀行員の私が「10年書き続けてきた」ことはまさに奇跡である。しかし、書いてきたからこそ分かってきたことも多い。原稿執筆を支援してくれた家族・友人にも深く感謝したい。今回は「ニュース屋台村」開設10周年を迎えて、このニュースサイト設立の経緯や苦労話を書いてみたい。 記事全文>>

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「銀河街の悪夢」から考える支援者を作るために必要なこと
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第260回

7月 26日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆突き刺さる当事者の歌   

障がい者への就労支援をする支援員を育成するためのプログラムを作成する中で、ふと迷いが生じてしまい、自分を勇気づけてきた動画を久しぶりに開いてみた。

それはSEKAI NO OWARIの「銀河街の悪夢」である。

ユーチューブ動画では、2014年5月24日、旧国立競技場の最後の音楽イベントとして行われた「SAYONARA国立競技場 FINAL WEEK JAPAN NIGHT」でのライブパフォーマンスが有名かもしれない。精神疾患に悩む若者がふとんから出られず、やりたくてもやれないもどかしさ、が展開するアニメーションを背景にした演奏だ。

ボーカルのFUKASEが注意欠如・多動症(ADHD)、パニック障害で悩まされ、隔離病棟での入院経験もあるその彼が作った歌は当事者の心境を表現したものとして、いつも心に突き刺さる。

今回もまた、支援者を作る以前に自分の支援を見つめ直すことになった。 記事全文>>

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「物価」について考える(その4)
異次元緩和失敗の原因
『視点を磨き、視野を広げる』第69回

7月 24日 2023年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに

本稿では、日銀の異次元緩和がなぜ失敗したかについて考えたい。前稿で見たように、異次元緩和の理論面を支えたリフレ派の金融政策の特徴は、デフレを貨幣的現象と見なして、日銀による「インフレ目標の設定(明確な約束)」と「大規模な国債購入(具体的行動)」によって、さまざまな経済主体の「インフレ予想」を上げることでデフレ脱却は可能だと考える点にある。

しかし、2年で2%を実現すると宣言した異次元緩和を10年続けても、インフレ目標を達成できなかった。そればかりか、副作用が拡大して膨大な政策コストが積み上がり、国民の将来不安は増している。リフレ派は、政策行き詰まりの原因は消費税率引き上げにあると主張する。しかし失敗の真の原因は、デフレの根本原因を見誤ったことにある。こうした視点に立ち、本稿では「日本経済の構造要因(論点1)」と「需要不足(論点2)」という二つ方向から失敗の原因を探りたい。 記事全文>>

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税源が国家を破壊する兵器ローン
元凶は「安倍爆買い」 逃げ道は「軍事国債」
『山田厚史の地球は丸くない』第242回

7月 21日 2023年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「防衛費を5年で倍増」。そう決めておきながら、財源が決まらない。岸田政権は、増税は不可避とみて「2024年以降の適切な時期に」としていた。ところが今になって「増税はしたくない」と自民党保守派が渋り、なすすべもなく議論は先送りとなった。

財源がないから防衛費の積み増しをやめる、というならそれは一つの見識だが、政府も自民党もそんな気はさらさらない。

防衛費倍増は米国に約束している。増税には党内外に抵抗がある。だが、決断を先延ばししても遠からず(たぶん2年以内には)選択が迫られる。最悪は、何もしないまま「国債」に尻を回すことだ。「軍事国債」を兵器の支払いに充てるという「あってはならないこと」が、なし崩し的に始まろうとしている。 記事全文>>

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「管理」の名の下に議論される入管法と難民の悲劇
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第259回

7月 18日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆共生社会とは遠く   

外国人の収容や送還のルールを定める入管難民法の改正案が成立した。大きな改正点は「難民認定申請が3回目以降で強制送還を可能にした」「ウクライナなど紛争地から逃れてきた人にも難民に準じた在留資格を与える『補完的保護』制度を創設」「在留資格のない人を収容している施設に代わり監理人の監督下で生活する『監理措置』の新設」である。

特に強制送還に関する改正は、立憲民主党などの野党が日本の難民認定率の低さを指摘し、本国で生命が脅かされる保護するべき難民が送り返されてしまう、との懸念を示した。政府の説明で懸念が払拭(ふっしょく)されることなく、結局混乱の中で強行採決の様相となった。

難民や外国人に対する私たちの認識が問われるこの議論だが、そもそも「入管法」という名称から、日本が排他的に外国人を捉え、管理しようとする精神性がうかがい知れ、それは「共生社会」とは遠いことも示しているようにも思える。 記事全文>>

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