引地達也(ひきち・たつや)
特別支援が必要な方の学びの場、みんなの大学校学長、博士(新聞学)。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。
「打ちました!2ベースヒット、2点です!」「残念!アウトです!」。
実況する声がグランド上に響く。その度にベンチに陣取った両軍の「選手」たちが歓声を上げる。そして次に打席に立つ選手に声援を送る――。
桜満開でも花冷えがするサッカー場で行われたのは、誰にでも楽しめるユニバーサル野球。約3メートル四方の野球盤はバネで固定されたバットの留め具をひもで引っ張ることで打つことができるから、微細な力でも選手として打席に立ち、打つことができる仕組みである。
ベンチの歓声を盛り上げる実況と打席に立つ選手の名前を伝えるアナウンスに、太鼓のリズムとメガホンで声援を送る声がそれに続く。巨大な野球盤を囲んだその劇場は誰もが楽しめる演出で盛り上げられ、ユニバーサル野球が参加者の関わり方によってインクルーシブな未来を描くことを示している。 記事全文>>