山口行治(やまぐち・ゆきはる)
株式会社Aデコード研究所設立準備中。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長(臨床試験データベースシステム管理、データマネジメント、統計解析)。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。「みんなで機械学習」するために、jamoviとjaspというオランダ・アムステルダム生まれの無料兄弟ソフトを紹介している。CAPDサイクル2回転目では、大量の特許データをインターネットから無料で入手してみた。筆者の仕事では、高価な統計解析ソフトと、貴重な臨床試験データを用いているけれども、無料であっても、機能や価値は劣っていないどころか、技術的には最先端でもある。有料サービスでは、デジタル技術の進歩に追いつかないのだ。一時代前のGAFAのサービスであれば、無料サービスでユーザーを獲得し、時代を先回りして、最終的にはゴッソリと利益をあげた。GAFAも超大型企業となり、社会的責任が問われ、規制が強まった。それでも、AI(人工知能)技術の進歩は止まらないので、社会の仕組みそのものを変えないと、無料サービスの利益を社会に還元できなくなる。「みんなで機械学習」して、技術や大量消費が生み出した数限りない社会的課題を、気長に解決してゆきたい。
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