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新潟の民間の「やる気」を結んで仲間づくりを行う
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第157回

3月 18日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆遠隔結んでの講義

障がい者をはじめとする特別支援な方々への「学び」の場として機能しようと2019年度開学する法定外シャローム大学は2月6日に初めての入学試験を終えた。論文試験と面接試験で入学試験を実施したが、論文のテーマは「シャローム大学で学びたいこと」で、そこに書かれていた学びへの渇望は、読む側の心も熱くする思いが綴(つづ)られており、私も身の引き締まる思いがした。

学ぼうとする意志は強いほど、それは純粋で美しくもある。それを受け止める側として、確実に準備を進めなければいけない。その準備の一つとして進めているのが、名古屋と新潟を結んでの遠隔講義である。インターネットのテレビ会議システムを使って、名古屋市の法定外見晴台学園大学、新潟市のKINGOカレッジ新潟を結んで水曜日午前に行われる授業だ。
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地方銀行の課題解決に向けて―「小澤塾」塾生の提言
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第139回

3月 15日 2019年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

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バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住21年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

バンコック銀行日系企業部には、新たに採用した行員向けに「小澤塾」と名付けた6カ月の研修コースがある。この期間、銀行商品や貸し出しの基本などを、宿題回答形式で、英語で講義を行う。この講義と並行し、日本人新入行員として分析力、企画力などを磨くため、レポートの提出を義務づけている。今回は、昨年12月に「小澤塾」を卒業した小野寺智也さんのレポートをご紹介する。

1.はじめに

金融機関を取り巻く環境は数年来大きく変化しており、日銀の異次元金融緩和による金利の低下は、金融機関の収益面に大きな影響を与えている。これまでのビジネスモデルであった「預金を集めて貸す」ことで成り立つ時代は過ぎ、今後は各金融機関が独自の取組みで収益環境を改善させなければならない。こと地方銀行(以下「地銀」という)においては、金利の低下に加え、営業基盤である各都道府県の人口減少などが波及し、より厳しい収益環境に置かれているのが現状である。このレポートでは、地銀が置かれている現状を整理し、今後地銀が目指すべき方向性について、各金融機関の取り組み事例をもとに検証していく。

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ワークパーミットが必要・不要のケースに要注意
『実録!トラブルシューティング』第64回

3月 12日 2019年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、前回第63回に引き続きタイのイミグレーション(入国管理局)でのビザ、ワークパーミット(WP、労働許可証)に関するトラブルについてご紹介します。本稿第59回「ワークパーミットの法改正」でも取り上げた、駐在員事務所の所長のワークパーミットに関するトラブルの事例です。

第59回でご紹介した通り、外国人就労管理に関する緊急勅令により、タイで働く駐在員事務所の所長はワークパーミットの取得が不要になったとお伝えしていました。ところが、最近になって、不要になったと聞いていたはずのワークミットの取得を迫られたというご相談がありました。

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自宅の風呂で逝った精神疾患の母を語る歌手
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第156回

3月 11日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆ステージで自然と言葉に

歌が必要な場所にプロミュージシャンが出向き演奏するプロジェクト「ケアステージHUG」は昨年秋から順調に開催回数を重ねている。今年1月は埼玉県上尾市の就労移行支援事業所「チャオ上尾」で歌手の田山ひろしさん、逢川まさきさんに登場してもらい、歌とトークを披露した。

私も同席したその場所で、参加者を前に田山さんは自分と精神疾患であった母親との思い出話となった。私も、それまで田山さんの家族の疾患について知識として知っていたが、その情景を言葉で描写されると、過去の出来事はリアリティーを増し、心に迫ってくる。
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世界経済に漂う中国の影
『山田厚史の地球は丸くない』第135回

3月 08日 2019年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

季節は春めいてきたが、経済の雲行きが怪しい。「戦後最長」と見られていた景気拡大が、実は1月に下降に転じていたことが明らかになった。6年余り続いた「アベノミクス景気」は、実感ないまま幕を閉じる。

主因は中国にある。日本企業の好調な決算は中国の旺盛な需要に支えられてきた。ところが昨年来、異変が起きている。日本からの輸出が冷え込み、今年はさらに悪化が予想される。米国も「息切れ」が目立ち、世界経済を牽引(けんいん)してきた米中のブレーキで、地球規模の景気後退が心配されている。
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日本の銀行はなぜキャッシュレスに出遅れたか
電子マネーがデビットカードを凌駕する唯一の国
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第8回

3月 06日 2019年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

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オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

 

日本はもともと、資金決済のオンライン化がいち早く進んだ国だった。1973年に全国銀行の内国為替システムが稼働を開始し、手形・小切手決済の多くがオンライン決済に移行した。家計の決済も、公共料金の自動引き落としや給与の振り込みが広く利用されてきた。

だが、日々の買い物には現金決済が多く残った。現金の取り扱いは、店舗だけでなく銀行にも多額のハンドリングコストがかかる。にもかかわらず、銀行によるキャッシュレスはなかなか進まなかった。最近のキャッシュレスも非銀行系企業が主導する。なぜこうなったのだろうか。

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仮面ライダーたちが示した平成時代という空気
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第155回

3月 05日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆平成ライダー大集結

映画鑑賞からその内容をディスカッションしレポートを書いてもらう授業の題材として、去年秋に続いて新春も「仮面ライダー」を選んだ。平成最後の仮面ライダー映画、正式タイトルは「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」である。

映画のキャッチコピーは、「仮面ライダークウガから仮面ライダージオウまでの平成仮面ライダー20人が一堂に会した迫力満点のビジュアル。堂々と構える仮面ライダーの背景には、幾多の感動を人々に与えてきた名場面の数々が映し出されています」で、父親になったお父さん世代に向け「人々の心に刻まれた彼らの勇姿はまさに平成仮面ライダーの歴史そのものともいえる」との言葉も添えられる。

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資本主義の現状:『新・日本の階級社会』を考える―(2)
『視点を磨き、視野を広げる』第28回

3月 04日 2019年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

ワーキングプア1千万人の衝撃

前回は、橋本健二の『新・日本の階級社会』を参考に、各種調査の結果から導き出される日本型「階級社会」と呼ぶべき現実を認識した。橋本は、同じ労働者階級でありながら正規社員と非正規社員の間には大きな格差(収入で2倍、貧困率で5倍の差)が生じていることに注目し、後者を「アンダークラス」と名付ける。ワーキングプアと言い換えてもいいだろう。1千万人近い労働者が、年収186万円で働き、貧困率は38.7%、男性の66%、女性の56%が未婚で、資産ゼロ世帯が31.5%あるという現実は衝撃的だ(*注1)。
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専攻科の思いや青年学級の伝統を受け継ぐために
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第154回

3月 01日 2019年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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一般財団法人福祉教育支援協会専務理事・上席研究員(就労移行支援事業所シャロームネットワーク統括・ケアメディア推進プロジェクト代表)。コミュニケーション基礎研究会代表。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般社団法人日本不動産仲裁機構上席研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長など経て現職。

◆かつてのコミュニティー

特別支援学校を卒業した方への学習の機会を切り開く活動をする中で、大先輩の教育者や福祉関係者から聞くお話は私自身の方向性を決める上で多くの示唆を含んでいる。その先人が歩んだ歴史を噛(か)みしめようとすると、その際に必ず出てくる言葉が「青年学級」である。

当事者の周辺か、長年福祉に携わった方でしか分からない、この言葉は私も福祉に携わる前には知らない言葉であった。青年学級の歴史を知った今、この歩みを再度検討しなければ今後の発展はない、とも考えている。

それは、かつて日本の7割以上の地方自治体にあった学習機会であり、学習が苦手な人、もしくは障がい者などで学習の機会がない人向けに機能していたコミュニティーであった。

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ウイルス・人工知能・人類の共存・共生・共進化:データエチカ(2)
『住まいのデータを回す』第17回

2月 26日 2019年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

前稿の最後は、「ウイルスと共に生活するような……本質的にランダムな世界を記述する方法で、『共存・共生・共進化』について考えて、ある一つの概念またはキーワードにたどり着くことを目指す……それはスピノザが語らなかった『所与』に関する非決定論の世界となるだろう」と結んだ。「共存・共生・共進化」を一つの概念またはキーワードで表現するときに、最も重要なのは「共生」であって、ウイルスを中心にして生命とは何かという問いを再考したい。
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