引地達也(ひきち・たつや)
コミュニケーション基礎研究会代表。就労移行支援事業所シャロームネットワーク統括。ケアメディア推進プロジェクト代表。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長など。東日本大震災直後から「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。
◆失望はしないが
東京都知事選の投開票日が7月31日に迫る中で、各候補者の口から、またそれぞれの情報発信から伝わってこない問題がある。それが障がい者政策である。今回の候補者はほとんどが障がい者問題の専門家ではないのだから、障がい者政策を期待していたわけではない。そもそも、候補者は現状が分かっていないはずで、現状が分かっていないことは候補者の問題ではなく、社会の問題である。
だから失望もないのだが、これを繰り返して、自治体が対策をとらないままでいるのではよくないとも思う。待機児童の問題は、保育園に落ちた子どもの関係者が「日本死ね」とブログに記し、ソーシャルメディアで拡散し、国会で取り上げられ、メディアも報道したことで、待機児童問題は当事者の問題から、広く世間が共有するべき問題となった。
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