引地達也(ひきち・たつや)
仙台市出身。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長などを経て、株式会社LVP(東京)、トリトングローブ株式会社(仙台)設立。一般社団法人日本コミュニケーション協会事務局長。東日本大震災直後から被災者と支援者を結ぶ活動「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。企業や人を活性化するプログラム「心技体アカデミー」主宰として、人や企業の生きがい、働きがいを提供している。
◆忘れ去られる想定
首都直下型地震、南海トラフ地震の被害想定は何度も報道などで語られているはずなのに、それを記憶している人はどれだけいるのだろう。東日本大震災がわずか3年前の出来事なのに、人は嫌なものに耳をふさぐ習性があり、報道で否応なしに、耳にし、目にした瞬間はその深刻さに唖然(あぜん)とするが、すぐに忘れてしまう。想定とは仮想現実だから、日常生活と離れている以上、仕方がないことかもしれないが、次来る震災に備え、守られるべき命を守る用意をするのは、国にも社会にも我々にも責任がある。
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