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今更ながら考える「子育て論」
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第212回

2月 18日 2022年 社会

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私には3人の子供と4人の孫がいる。大変ありがたいことに3人の子供たちはすでに独立し、それぞれ伴侶を得て自分たちの家庭を築いて生活している。昨年末に68歳になった私はとっくに子育ての年齢を終えている。 現在は私の子供たちが自分の子供(私の孫)たちの子育てに精いっぱい頑張っている。私の友人の中には「孫に対しては責任がないので、どんなことでも許せてすごくかわいい」と宣(のたま)う人がいる。

残念ながら私はそういう気分にはなれない。孫を見ていてもついついその教育法に口を挟みたくなるが、じっとがまんをしている。私もこの年までだてに生きてきたわけではない。わざわざ自分の子供に嫌われるような「私の教育論を押しつけること」は控えるように心がけている。

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日本人の知らない世界の漁業の現状と日本漁業の凋落
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第211回

2月 04日 2022年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

「日本は四方を海に囲まれた島国であり、古来より漁業を生活の生業(なりわい)としている世界に冠たる漁業大国である」。日本人の多くはこのように考えているに違いない。一方で近年、サンマやスルメイカ、サケの記録的な不漁というニュースが大きく報道され、2019年にはこれら3魚種の日本の漁獲量は過去最低水準となっている。他にもクロマグロやウナギ、ホッケの漁獲量減少も深刻な状況である。かつて世界一を誇った日本の漁業生産量も遠洋漁業を中心に落ち込み、現在ではピーク時の約4割、世界10位の位置まで凋落(ちょうらく)してしまっている。他方で、世界的な水産物の乱獲は水産資源の枯渇に拍車をかけているといわれており、各国が水産資源管理に関する取り組みを積極的に実施するなど、漁業に対する世界的な関心も高まっている。

今回は、バンコック銀行の新入行員向けプログラム「小澤塾」の卒業生である新妻孝則さんがまとめた「世界の漁業国の現状と日本漁業の凋落」を紹介する。

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7つの目標と30の習慣―コロナに打ち勝つ小さな知恵
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第210回

1月 21日 2022年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

◆藤井聡太と大谷翔平

前回1月7日付の「ニュース屋台村」第209回では「コロナも悪いことばかりじゃない?」と題して、コロナがもたらした「不自由」を逆手にとって、私自身が新たな挑戦を試みていることを紹介させていただいた。しかし、ピンチをチャンスに変えているのは決して私だけではない。年末年始には過去のテレビ番組が頻繁に再放送されたが、NHKスペシャルで将棋の藤井聡太四冠と野球の大谷翔平選手の特集がそれぞれ取り上げられた。その番組によると、彼らも不自由な時間を活用して新たな次元への飛躍を実践したようである。

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コロナも悪いことばかりじゃない?-新年の抱負
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第209回

1月 07日 2022年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

2022年もコロナとともに始まった。コロナと「共生」してもうすぐ2年になる。いつになったらこのコロナは収まるのであろうか? 「ニュース屋台村」でも以前ご紹介したが、20年9月時点の欧米のインターネット上の論文を分析したところ、「コロナの感染収束時期について政治経済の専門家は21年、医療関係者は22年、感染症専門家は23年が大勢」であった。人間はついつい自分に都合の良いほうに物事を解釈する「正常性バイアス」という性質を持っている。このためコロナ収束についても楽観的見通しが多く存在した。しかし現在は楽観論だけでなく、コロナ収束にあと数年かかるという慎重な声も聞こえてくるようになった。

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私たちの年金は本当に支払われるのだろうか?
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第208回

12月 17日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

前回12月3日付の拙稿第207回「増え続ける日本政府の借金!誰がこれを払うのか?」で日本の財政問題を取り上げた。1400兆円にまで膨張した日本政府の借金は、いずれ私たち国民が何らかの形で払うことになる。その弁済方法は「相続税、消費税などに徴税強化」「ハイパーインフレによる国民資産との相殺」そして「年金などの不払い」の三つになるだろうということも指摘した。このうち年金については、

①現在の1年あたりの年金給付額が53兆円と日本のGDP(国民総生産)の約1割を占めるほど膨大な金額であること

②年金の運営母体が実質日本政府であり、被保険者である国民からの保険料徴求が税金に準じるものになっていること

③年金給付が国民から徴求する保険料収入だけでは足りず財政支出で補填(ほてん)されているが、その国庫負担額が国家財政の歳出項目の最大のものになっていること

などから水膨れした日本政府の借金の影響を受ける可能性が最も高い。

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増え続ける日本政府の借金!誰がこれを払うのか?
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第207回

12月 03日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私たちは日ごろ生活を送る中で「他人からお金を借りること」がある。生活資金を親から借りたり、住宅取得資金を銀行から借りたりする。しかしこうした「借りたお金は返さなければいけない」ことは誰でも知っている。人として生きていく上での当たり前の規則である。ところがこうした常識が「国の借金」となると全く当てはまらなくなる。日本国民は「国の借金はいずれ雲散霧消してしまうものだ」と信じているようである。さもなければ「多額の借金があるという事実から目を背けている」だけなのかもしれない。しかし国の借金といえども、いずれ誰かが借金の返済を迫られるのである。

矢野康治(こうじ)財務事務次官が月刊「文芸春秋」11月号に、「このままでは国家財政は破綻する」という記事を寄稿した。衆議院選挙前の10月19日にこの記事が公表されると、マスコミの間では一時、蜂の巣をつついたような騒ぎとなり「国家財政の健全化」議論に一石を投じた。今回の衆議院選挙ではコロナ禍の中とはいえ、与野党ともに財政資金の大判振る舞いを公約としていたからである。中には「国家公務員が公の場で自分の考えを述べるのがけしからん」といった国家主義的発言をした政治家まで現れた。

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日本の衰退30年-その間に中国は何をしてきたのか?
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第206回

11月 19日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

日本は名目GDP(国内総生産)では依然として世界第3位の経済大国であるが、過去30年その総額はほとんど伸びなかった。その結果、日本の1人当たりの購買力平価GDPは世界193か国中33位で、韓国の後塵(こうじん)を拝することになってしてしまった。一方、中国は過去30年にわたり急速に経済発展を遂げており、2010年には日本を抜いて米国に次ぐ世界第2位の経済大国となった。2020年の中国と米国の名目GDPの差は約6兆ドルまで縮まっており、2028年にも中国が米国を抜くとも言われている。

しかし、日本のマスメディアの記事を見ていると、中国の大手不動産会社である中国恒大集団の支払い不履行問題や、世界的なエネルギー危機から「中国経済の破綻(はたん)」を予想する論調が目につく。私たち日本人は本当に中国の実像を理解しているのであろうか? 私の知る中国人の支配者階級の人たちは、必死になって日本を研究し日本を追い越していった。京セラの創始者である稲盛和夫氏の主宰する経営学の勉強会「盛和塾」が、日本よりも中国で人気を博したことからもこのことはわかるであろう。いまや中国の名目GDPは日本の3倍である。今こそ私たち日本人は冷静に中国を分析し、必要なものは中国から学ばなければいけない時に来ている。今回は、中国の過去30年の発展の要因をデータから読み取っていきたい。

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喫緊の課題 日本の教育制度改革を考える
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第205回

11月 05日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

過去30年にわたる日本経済の長期の低迷は、コロナ禍による経済苦境と相まって日本の賃金の低さを浮き彫りにした。身近に迫った生活苦の恐れから、ようやく多くの日本人がこの「相対的貧困」という事実に気づくこととなった。しかし日本人の貧しさの原因を「中国元凶の資源高」や「悪い円安」などの一過性の問題にすり替えようとする論調がマスコミの中で後を絶たない。そもそも日本の貧しさの根本要因は「日本の製品やサービスが世界的な競争力を失った」ことにある。さらに「円安誘導などで実質ダンピング(価格引き下げ)を行ってきた延命策のコストを日本国民全体で分担させられてきた」結果、日本人総体が貧しくなってきたのである。いまや日本の1人当たりの購買力平価GDP(国内総生産)は世界193か国中33位となっており、2018年には隣国の韓国に抜かれてしまった。

日本人が豊かさを取り戻すためには、なによりも日本の製品やサービスの競争力を向上させることが必要である。民間レベルでは経営方針の見直しや人事制度の改革など複合的な施策の動員が必要となる。一方、日本全体としては30年間全く効果を生み出さなかった政府の成長戦略の抜本的見直しが必要である。その中心的施策の一つが「日本製品やサービスの競争力向上」を担保するための教育制度改革にあると私は考えている。今回は日本の教育の現状を振り返るとともに、改革の要諦について考えていきたい。

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世界の農業事情から考察する日本の農業の展望
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第204回

10月 22日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

バンコック銀行日系企業部には、新たに採用した行員向けに「小澤塾」と名付けた6カ月の研修コースがある。この期間、銀行商品や貸し出しの基本などを宿題回答形式で、英語で講義を行う。この講義と並行して、日本人新入行員として分析力、企画力などを磨くため、レポートの提出を義務づけている。今回は、金融庁からバンコック銀行に出向している松村一樹(もとき)さんのレポートをご紹介したい。松村さんには金融監督業務とは全く異なった領域である「農業分野」について一から分析をしてもらった。なお、本レポートにおける考察・分析はあくまで筆者個人の見解によるもので、金融庁及びバンコック銀行としての見解を表すものではありません。

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やさしく理解する世界の水資源問題と日本への影響
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第203回

10月 08日 2021年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

o バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

はじめに

「人間は水と空気がなければ生きていけない動物だ」と言われる。一方で私たち日本人は「水と空気はただ(無料)だ」と思っている。しかし世界に目を転じると、水が入手できずに生命の危険に瀕している人たちが何億人と存在しているのである。前回第202回のニュース屋台村「正しく理解しよう!CO2問題と日本の立ち位置」(2021年9月24日付)で世界における地球温暖化問題の対応について取り上げたが、水資源問題も世界的には極めて関心の高い課題である。世界的に水資源の枯渇が危惧(きぐ)される中で、日本は果たして無傷でいられるのであろうか? 今回はデータを活用した科学的分析を試みることにより、水資源問題の現状と今後の課題を考えてみたい。

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