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個人消費はなぜ低迷するのか~貯蓄を増やし続ける高齢者
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第50回

12月 06日 2021年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

経済学の学説に「ライフサイクル仮説」がある。一生涯を通してみると、現役の間は所得の一部を貯蓄に回し、引退後は貯蓄を取り崩して消費に充てる、というものである。貯蓄は将来の消費のため、というわけだ。

きわめて自然な考え方にみえるが、実際には、日本の高齢層は引退後も貯蓄を増やし続けている。あくまで「世帯平均」の話だが、どうしてこうなるのか。

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外国人は日本の労働市場に戻ってきてくれるか(5、完)【連載企画:人口動態と労働市場(全5回)】
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第49回

11月 03日 2021年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

これからの25年は「人手不足の時代」だ。前回まで、労働力の増加を期待できるカテゴリーとして、女性と高齢者の動向をみてきた。残るカテゴリーは、外国人だ。

日本の労働市場は、すでに外国人に多くを依存している。今後も一層依存は高まるだろう。しかし、これまでの国の対応は後追い的だったようにみえる。

今後期待どおりに外国からの労働力が増える場合、快く働き、生活してもらえるだけの柔軟性が日本の社会にあるだろうか。

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「本当の人口オーナス」が始まる 高齢層の働き方は?(3)【連載企画:人口動態と労働市場(全5回)】
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第47回

9月 13日 2021年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

「人口動態と労働市場」の第3回として、高齢者の労働参加をみてみよう。高齢の就業者は、近年着実に増えてきた。しかし、長寿に見合った増え方だったかといえば、そうではない。働く期間の延びは、寿命の伸びに追いつかない。

生産年齢人口(15~64歳)の減少スピードは、今後一段と加速する。高齢人口の増加スピードも大幅に鈍る。これまで女性、高齢者の就労増で人手不足を回避してきた日本経済だったが、この姿は続かない。

生産年齢人口が減少に転じて25年。いよいよ「本当の人口オーナス」が始まる。

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女性の就業増で人口減少のインパクトを補える時代は終わった(2)【連載企画:人口動態と労働市場(全5回)】
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第46回

8月 20日 2021年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

「人口動態と労働市場」の2回目として、女性就業者の現状と先行きをみてみたい。

1990年代半ば以降の労働市場の特徴は、女性就業者の大幅増加にあった。95年から2020年の25年間に、男性の就業者は134万人減った。対照的に、女性の就業者は354万人増えた。就業者全体に占める女性の比率は、20年時点で44%まで上がっている。

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労働力は一体どれほど減るのだろうか(1)【連載企画:人口動態と労働市場(全5回)】
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第45回

7月 26日 2021年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

今回から「人口動態と日本経済」の第2シリーズとして、「人口動態と労働市場」(全5回)をお届けする。 

働き手の中心となる生産年齢人口(15~64歳)は、今後年率1%程度のスピードで減少していく。実質成長率や国民1人当たり実質成長率を維持するには、①就業者の増加と②労働生産性の向上が欠かせない。

就業者の増加を期待できるのは、女性、高齢者、外国人の三つのカテゴリーしかない。それぞれの現状評価に先立ち、第1回の本稿では、生産年齢人口の減少が労働力にどれほどのインパクトをもつかを確認してみよう。

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生産性はなぜ低下するのか
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第44回

7月 05日 2021年 政治

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

前回まで述べたように(「人口構成と日本経済〈第1回~第5回〉」)、今後の日本経済にとっては、①就業者の拡大と②労働生産性の向上が最大の課題となる。人手不足がいよいよ深刻になるからだ。

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私たちはかくも長生きする社会に生きている(5、完)【連載企画:人口構成と日本経済(全5回)】
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第43回

6月 21日 2021年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

前回、就業人口と総人口のバランスを維持するには、70歳代半ばまで働く必要があると述べた。 

今回は、少し別の角度から確認してみたい。過去、日本人が一生のうちどの程度の期間を勤労に割り振っていたかを試算してみる。改めて分かるのは、今の日本人がいかに長生きする社会に生きているかだ。

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70歳まで働く社会が必要な理由(4)【連載企画:人口構成と日本経済(全5回)】
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第42回

5月 26日 2021年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

生産年齢人口(15~64歳)の減少は、経済活動を供給面から制約する。今後就労人口が減っていけば、プラス成長の維持も容易でなくなる。人口が減少する社会では、やむをえない。

「実質経済成長率」のプラス、マイナスよりも、今後は国民の豊かさを表す「国民1人当たりの実質経済成長率」を維持することの方が重要になる。「1人当たり」ならば、分子と分母が同時に減るので、一見すると問題ないようにみえる。

しかし、そうではない。生産年齢人口が、総人口を上回るスピードで減少する。少ない人口で生み出すパイを、多くの人口で分かち合わねばならない。1人の取り分が減る。「国民1人当たりの実質経済成長率」も低下する可能性が高い。

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少子化は「老後の安心感」の産物?(2)【連載企画:人口構成と日本経済(全5回】
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第40回

4月 23日 2021年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

前回述べたように、日本の人口ピラミッドは「脚の長い凧形」に向かう。これは、少子化と長寿化の結果だ。少子化がピラミッドの下方をスリムにし、長寿化が全体の形状を縦長にする。

両者は本来独立した事象だが、実際には、長寿化を可能にした社会制度が少子化を加速させている。少子化に歯止めをかけるには、社会を貫くパラダイムの転換が必要だ。

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半永久的な「凧形ピラミッド」の縮小再生産(1)【連載企画:人口構成と日本経済(全5回】
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第39回

4月 05日 2021年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

o オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

地方の人口減少を受け、「東京圏vs.地方圏」の対立軸がしばしば持ち出される。しかし、これは将来の日本経済の主題ではない。そもそも地方消滅論自体が、誤解を招きやすいものだった。

根拠とされたのは、20~39歳の女性の数が2040年までに地方で大幅に減るという試算である。しかし、試算をさらに先まで延長すれば、東京圏でも同じ事態が起きる結果になっただろう。地方消滅とみえた事態は、日本全体の人口減少の過渡的な現象にすぎない。

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