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新首相・岸田文雄を信用できます?
『山田厚史の地球は丸くない』第198回

10月 15日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

歩き方は、のっしのっし。風貌(ふうぼう)は、端正なお坊ちゃん。印象として、悪い人ではなさそう。でも、この人に国政を任せて大丈夫だろうか。そんなおぼつかなさを感じさせる新首相である。

国会は10月14日、解散した。衆議院選挙は19日に公示され、本格的な選挙戦が始まる。前回から丸4年。有権者はやっと国政に「一票」で参加できる。

 衆議院選挙は政権選択選挙だ。問われるのは「岸田政権を支持するか」。有権者は判断に迷うのではないか。政権の実像がまだはっきりしない。

新首相は国会で所信表明演説を行い、各党から代表質問を受けたが、答弁は紋切り型。予算委員会などで丁々発止の論議はない。なによりも不安なのは、岸田文雄という政治家が、なにを考えているかよくわからない。この首相は、どこを目指し、なにをしようとしているのか。ギラギラした野心は見えない。ただ首相になりたかっただけなのか。政権の核心にモヤがかかったまま、総選挙に突入する。

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分裂の危機・連合から女性会長-労働運動はだれのもの?
『山田厚史の地球は丸くない』第197回

10月 01日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「労働運動のナショナルセンター日本労働組合連合会(連合)は、10月6日に開かれる大会で、3期6年務めた神津里季生会長の後任に、芳野友子副会長(55)を充てる方針を決めた。芳野氏は、ものづくり産業労組連合(JAM)が出身母体、選任されれば連合史上初の女性会長となる」

そんなニュースが9月28日、一斉に流れた。連合の神津会長は知られた顔だが、「芳野友子」という名を知っていた人は、ほとんどいなかったのではないか。

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株価3万円と中国恒大集団の危機-世界は地雷原だらけだ
『山田厚史の地球は丸くない』第196回

9月 17日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

東京証券取引所の日経平均株価(225種)が9月14日、終値で3万670円10銭をつけ、バブル経済以来の最高値となった。

菅義偉首相が退陣、まもなく決まる新首相は積極財政でカネを撒(ま)く、新型コロナは最悪期を脱した、経済復興が始まる――。そんな期待感から「日本株買い」で海外から兜町(かぶとちょう)に資金が流れ込んでいる、という。

コロナ禍の日本経済はゼロ成長近辺でさまよっている。中国やアメリカなどに比べ、回復力は弱い。内需が低調だから。リストラだらけで、賃金が上がらない。消費は低調、国内市場が湿っているから、企業は設備投資に消極的。悪循環のまっただ中にある。

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出だしからつまずいたデジタル庁-この役所、信用できますか?
『山田厚史の地球は丸くない』第195回

9月 03日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

デジタル庁が9月1日、発足した。「全ての手続きがスマートフォンで60秒以内に完結することを目指す」という行政のデジタル化は、巨大な公共事業であり、利権の温床になる。集められた情報は、使いようによっては個人や団体を丸裸にできる。デジタル庁には公正な運営と透明は仕組みが欠かせないが、この役所は大丈夫だろうか。

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カジノ読み違えた菅の失敗-米中対立と処女地日本
『山田厚史の地球は丸くない』第194回

8月 20日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「横浜カジノ」が菅首相の政治生命を脅かしている。22日投開票となる横浜市長選で、立憲民主党推薦の横浜市立大元教授、山中竹春候補(48歳)の優勢が伝えられる。当選となれば、「菅降ろし」が自民党内で表面化しかねない。

前回第193回「カジノは再び東京へ」(8月6日付)で、自民党が分裂選挙に陥った構図を描いたが、今回は、自民党横浜市支部連合会(自民党横浜市連)をドタバタ劇に追いやった原因は政治家・菅義偉の「読み違い」にあったこと、処女地日本の市場を国際カジノ資本に開放するとは、どういうことなのか、菅首相の「判断の甘さ」に触れてみたい。

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不平等五輪と日本の政局
『山田厚史の地球は丸くない』第192回

7月 16日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

無観客五輪とワクチン失速。菅義偉首相の再選シナリオは狂った。オリンピックさえ始まれば、国民の気分は一変する。オリパラが終わる頃、ワクチン接種は一巡し、感染への不安は薄らぐ。五輪の高揚感と、コロナ危機の沈静化。そのタイミングで解散に打って出れば勝機はある。自公安定政権を守れば自民党総裁選を突破できる――。

 都合のいい楽観論だが、これ以外に政権延命の道はない。政治家人生を賭けた大博打に出た、というのが現状である。

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「社説」に渦巻く乱気流 朝日新聞への取材てん末記
『山田厚史の地球は丸くない』第190回

6月 11日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

東京五輪に関する朝日新聞の「ダブルスタンダード(二重基準)」について前回、触れた。「中止」を主張する社説と、オフィシャルパートナー(OP)として五輪協賛を続ける経営が矛盾するという指摘は、ネットメディアを中心に広がっている。朝日の社内では「社説」に風当たりが強まっているという。改めて考えてみたい。新聞の社説とは何だろう。

私は、朝日新聞社が東京五輪の協賛企業になっている事実を確認するため、朝日の広報室に「スポンサー契約書(OP契約書)」の開示を求めた。併せて、「協賛企業になったら、言論活動に影響が出ませんか?」などの疑問を投げかけた(5月21日)。広報室から回答が来たのは5月26日。「中止」を主張する社説が出たその日だった。その後のやりとりを含め、朝日新聞の回答には、納得のいかないことが多い。新聞のあり方を考える人たちの参考になればと思い、取材経過をここに公開する。

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朝日新聞の二重基準
『山田厚史の地球は丸くない』第189回

5月 28日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

朝日新聞は5月26日、東京五輪の開催中止を求める社説を掲げた。コロナ蔓延(まんえん)、医療の逼迫(ひっぱく)、緊急事態宣言など挙げ、この夏、東京で五輪・パラリンピックを開くことは「理にかなっているとは思えない」とし、「開催の中止を決断することを菅首相に求める」と主張した。

朝日は、東京五輪に批判的な紙面を作ってきた。オピニオン面では、開催支持の意見とバランスをとりながらも開催を疑問視する識者の意見を載せ、「声」欄は「中止」を求める投稿をしばしば載せてきた。世論調査では毎月、五輪開催の賛否を聞く問いかけを続け、「中止43%」「延期40%」などと紙面化している。

読者や識者の「反対」は載せながら、新聞社としての考えである社説は慎重だった。開催まで2か月と迫り、国際オリンピック委員会(IOC)が「緊急事態宣言が出ても開催する」という姿勢を見せる事態になり、ついに「中止」を表明した。

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これでコロナに勝てるのか? 感染を身近に感じた日
『山田厚史の地球は丸くない』第188回

5月 14日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

今月の連休中のことだった。女房が、不調を訴えた。孫の面倒を見て疲れが出たのかもしれない。体がだるく微熱がある。5日は朝からせき込むようになった。喘息(ぜんそく)の症状が現れ、掛かりつけの医者に電話した。出ない。休診らしい。徒歩で行ける医院も閉まっていた。

やむなく昼過ぎからクルマで病院を訪ね歩く。どこも閉まっている。やっと見つけたのが救急医療センター。普段は夜間の応急医療を担当し、地元の医師が輪番制で当たっている。連休中はほとんどの開業医が閉まっているため、昼からやっていた。

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ダーティー・カーボン・ニュートラル
『山田厚史の地球は丸くない』第187回

4月 30日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

老朽原発が再稼働される。あの事故から、私たちは、何を学んだのか。

福井県の杉本達治知事は4月28日、関西電力の高浜1号、2号、美浜3号の原発3基を再稼働することに同意した。いずれも運転開始から40年を経過している。「原則40年」とされてきた耐用年数を超える老朽原発が再稼働されるのは国内で初めてだ。原子力規制委員会はこれを受け入れるという。

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