п»ї 週末農夫の剰余所与論 | ニュース屋台村
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データ意味論
『週末農夫の剰余所与論』第13回

5月 05日 2021年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o 株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

ルバーブは酸っぱい野菜で、英国ではジャムやパイにする。日本で育てる場合、茎を赤くするためには、日光を多少制限するとよいらしい。早春に収穫すれば、茎が赤くなくても味は変わらないと思う。筆者の農園では、春に2、3回収穫している。野菜の味は様々だけれども、ルバーブは特に個性的だ。ルバーブとしては、酸っぱい味で茎を守っているつもりかもしれないけれども、私たちはおいしくいただいている。日本でも栽培されるようになったのだから、おいしくいただくということは、予想外に、ルバーブの繁殖領域の拡大戦略でもある。英国野菜はおいしくいただくことができるけれども、筆者にとって、英国の経験主義の哲学はいただけない。大陸の哲学を、もっとおいしく調理できたはずだ。同じようなことを、日本の哲学でも感じている。ギリシャ哲学が受容されたのは、ギリシャ料理を楽しんだギリシャの人びとがいたからだ。絶対無二の真理を求めたとしても、料理は多様だからおいしい。データの世界は本質的に多様であって、データの探求は、哲学よりは調理に近い。

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BI (Biomimetic Intelligence)
『週末農夫の剰余所与論』第12回

4月 16日 2021年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o 株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

農園に春が近づいている。農閑期も終わりだ。正確な語源は調べてはいないけれども、アグリカルチャー(農耕)はカルチャー(文化)の始まり、食の安定が文化活動の条件だったという話を読んだ。こういう解釈は無数に考えられるし、正解はないと思う。しかし、植物が哲学、もしくは人びとの思考に与えうる影響は、過小評価されてはいないだろうか。人間と動物の違いや、神や唯物論の議論はあっても、植物が中心となる哲学はほとんどない。その例外を紹介しよう。

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機械学習は学習機械ではない
『週末農夫の剰余所与論』第11回

2月 03日 2021年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

米国新大統領は民主主義の勝利だと宣言した。民主党の勝利だったかもしれないけれども、大きな違和感が残る。ドナルド・トランプ前大統領は民主主義の自爆テロだった、しかも自国民に対するテロだ。テロとの戦いには見通しが立たない。いつまでも泥沼が続くのだろうか。 記事全文>>

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「所与の哲学」としての計算機哲学試論
『週末農夫の剰余所与論』第10回

1月 26日 2021年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

 

農閑期となり、あてどもなく剰余所与論を書き続けている。剰余所与論は「文明論的な時間スケールで、所与としての季節変動を見いだす試み」なのだけれども、「所与としての季節変動」はウイルスが一番よく知っている。ウイルスは、「種」としての属性が明確ではない。おそらく、種の起源は生命の始まりよりもずいぶん後の話で、ウイルスには種の起源以前の記憶が残っているのだろう。ウイルスのように、属性が明確ではない「データ」が爆発的に増加している。従来のデータベースは、まず属性を定義してから、属性にデータを与えていた。現在は、インターネットや監視カメラのように、膨大なデータから逆に属性を抽出している。データ技術としては急速に進歩していても、データに関する人間の理解は、近代哲学の「城」のまわりをうろついているだけだ。 記事全文>>

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場のデータと、データの場をつなぐ
『週末農夫の剰余所与論』第9回

1月 20日 2021年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

 

思想家カール・マルクスは、戦争と革命の20世紀を、経済学の用語で決定づけた。マルクスの意に反して、21世紀でも資本主義経済は生き延びている。覇権国家が延命し、地球全体の生命が脅かされている。若い21世紀の哲学者マルクス・ガブリエルは、意味の場の複数性を頼りに、新しい全体主義と戦っている。自然科学であっても、意味の場を過度に独占すると、全体主義に陥(おちい)るという。筆者の文脈では、数学を過度に論理的に基礎づけようとすることの戒(いまし)めでもある。Googleはデータの世界を全体主義化しているのだろうか。米国司法省がGoogleを反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴した。この覇権国家権力とインターネット上のデータを独占する企業の戦いは、どちらが勝っても新しい全体主義の始まりのような気がする。 記事全文>>

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自助・共助・公助とDXの政治性
『週末農夫の剰余所与論』第8回

1月 11日 2021年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

感染防止や生活保護において、「自助・共助・公助」がどのような政治的文脈で語られていたのか正確には記憶していないけれども、まず自助で努力してから最後が公助という立場と、公助によって社会的な不均衡を是正することで自助ができるようになるという考え方の違いがあったはずだ。筆者は「ウイルスはデータとして生きている。ウイルスとの『共存・共生・共進化』は、データとの『共存・共生・共進化』でもある」などと、全く政治的ではない文脈で、共助を強調してきた。NPO活動は共助そのものなので、主義主張としては一貫しているつもりだ。つまり、自助をスタートにしても、公助をスタートにしても、共助が機能しない限り、社会プロセスとしては「廻(まわ)らない」と考えている。 記事全文>>

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数理哲学期待論
『週末農夫の剰余所与論』第7回

1月 04日 2021年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

週末農夫は農閑期となり、読書量が増えてきた。新型コロナウイルスの緊急事態宣言で、県をまたぐ移動が制限されたとき、週末農夫としての生き方に本腰を入れるため、栃木県に住民票を移した。東京への出稼ぎ生活ではあるけれども、幸いデータ解析はリモートワークが主体なので、種まきのような待ったなしの作業ではない。週末農夫は、行政的には二地域居住者と表現されるようだけれども、このようなマイノリティーへの行政サービスは整備されていない。二地域居住者を意識した情報サービスが、地方生活者および地域産業への情報サービスとしても未来志向に「共助」できるように、NPO活動を始めた。農閑期こそ、新しいチャレンジの時期でもある。 記事全文>>

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ゼロ神論
『週末農夫の剰余所与論』第6回

12月 23日 2020年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

「ニュース屋台村」に寄稿し始めた4年前、拙稿「データを耕す」第1回(2017年1月31日)の結語は「『データ』はコンピュータにとっての『自然』そのものであり、『神』はプログラムを正当化するアルゴリズム(計算手順)と考えることで、デカルト、スピノザ、ライプニッツの時代までさかのぼり、『データを耕す』ことにしよう」だった。このような「強いデータ論者」にとって、スーパースターはライプニッツであることは明らかだった。ライプニッツが万能計算機とデータ(所与)の概念を発明したのだから。しかし、スーパースターの上を行くのがスピノザだった。ライプニッツは人類初のスピノザ主義者として死んでいったという、筆者の勝手な解釈が現在まで続いている。現代を生きるイタリアの哲学者、アントニオ・ネグリが言うように、スピノザは近代の始まりであるとともに、あり得た別の近代の物語でもある。 記事全文>>

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火・空気・水・土
『週末農夫の剰余所与論』第5回

12月 14日 2020年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

冬支度をするMagley2号農園と隣の農園に出没したオスザル=11月22日、筆者撮影 記事全文>>

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スモール イズ ビューティフル
『週末農夫の剰余所与論』第4回

11月 23日 2020年 社会

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株式会社エルデータサイエンス代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

日本には四季があり、二十四節気や七十二候などの中国由来の暦が生活や文化に豊かな言語表現を与えている。異常気象が続く今日では、四季の気候変化が失われつつあるのではないだろうか。英国で生活していると、日照時間の変化が大きく、長い夏と冬の間に短い秋と春が挟まっている感じだった。中国の国土も砂漠化しているので、実際に四季が感じられる地域は限られているだろう。地球のどの地域でも、夏と冬はあるのだから、春と秋がどの程度の期間で、変化に富んではいるけれども予測可能な気候変動となるのかということを定量的に評価すれば、「四季率」を定義できるだろう。「四季率」は地域ごとに長期的な変動を示すので、地域差や長期変動の要因を探索する。四季率の高い地域は生態系が多様なように思える。しかし筆者の仮説は因果関係を逆転して、生態系の多様性が四季を作るということを考えている。人工衛星から計測可能な気象データから計算できる四季率によって、生態系の多様性が失われる状況を全地球的に監視できるかもしれない。 記事全文>>

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