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「平和学の父」の死、私たちに平和学を近づけるために
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第277回

4月 15日 2024年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆同じ円卓を囲んで

「平和学の父」と呼ばれたノルウェーの平和学者、ヨハン・ガルトゥング氏が今年2月、93歳で亡くなった。「積極平和」活動を提唱し、度々来日、世界的権威でありながらも、草の根の市民運動に姿を現し、平和のための行動を説いていた。

20年以上も前の話だが、私も東京で行われたガルトゥング氏のセミナーに参加し、その後の懇親会で同じ円卓を囲んだこともあった。その際はセミナー後の砕けた雰囲気の中でとりとめのない話に終始し、内容は忘れてしまったが、平和学の大家と空間と時間を共にした感動は鮮明で、私にある行動を促すことになった。 記事全文>>

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壊して交わることから始まる宮城の障がい者×生涯学習
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第276回

4月 08日 2024年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆「参加する」「対話する」

宮城県教育委員会が文部科学省から委託を受け実施する「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」が同県利府町の利府町文化交流センター「リフノス」でこのほど開催された。同県は、県内の自治体、障がい者支援団体、関係機関と連携しての「学びを通じたみやぎの共生社会推進事業」を開始して1年目。コンファレンスは1年の実践を共有する場であり、まずは「知り合う」「交じり合う」ことから始めようとの趣旨で、これまでのコンファレンスとは違った雰囲気で共生社会に向けた一歩を踏み出した印象だ。 記事全文>>

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学びを「つなぐ」意識とライフワイドに広げる大分の可能性
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第275回

4月 01日 2024年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆ロングではなく横幅で

共に学び、生きる共生社会コンファレンス(九州・沖縄ブロック)が大分市でこのほど開催された。テーマは「つなぐ~学校卒業後の学びへ」。大分県では文部科学省の委託研究事業を受託し、県教育庁が県内各地域に呼びかけ、大分大学や地域の公民館で障がい者の生涯学習が取り組まれている。

基調講演で國本真吾・鳥取短期大教授は「ライフロング」と訳される生涯学習について、障がい者を含めた生涯学習の充実には縦の「ロング」ではなく、横幅を広くとる「ワイド」の感覚を取り入れ、障がい者の学びの幅を社会で広げる「ライフワイド」の考えが重要だと指摘した。 記事全文>>

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「完全なる日々」は共生社会の中にある
映画「PERFECT DAYS」から
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第274回

3月 25日 2024年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆ダウン症男性の出演

映画「PERFECT DAYS」(パーフェクト・デイズ、原題:Perfect Days)が2023年12月に公開された。ヴィム・ヴェンダース監督が東京を舞台に、かねてから出演を熱望していたという俳優、役所広司氏を主役に迎え、日本・ドイツ合作で制作されたドラマ作品である、東京の公衆トイレを掃除する清掃作業員の男、平山を演じる役所氏はこの作品で第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最優秀男優賞を受賞した。 記事全文>>

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哲学があるからできること、言葉があるから動けること
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第273回

1月 29日 2024年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆「水とともに生きる」

共生社会の実現に向けて社会教育を目的とした公共施設を誰もが不自由なく使える場所にする取り組みはまだまだ不十分なのが現状だ。その不十分さを認識し、具体的な行動を促進するのを目的に先日、「インクルーシブ&ダイバーシティな場づくりを考える 民間指定管理者による公共文化施設のサービスからの学び」というシンポジウムを開催した。

みんなの大学校と共同研究するサントリーパブリシティサービス株式会社(SPS)の青木正樹さんを講師に、全国で公共施設を指定管理するSPSの蓄積された知見から学ぼうとの趣旨。特に民間企業では来年度から合理的配慮が義務化されることで、具体的な対応が求められているのも開催の背景にある。

SPSからの話が、飲料メーカーのサントリーの企業理念と紐(ひも)づけられ、キャッチフレーズである「水ととも生きる」に込められた思いが、インクルーシブな社会づくりにつながることも示された。やはり動きには思索の深い哲学が必要である。 記事全文>>

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「メタバースだから」できるインクルーシブな生涯学習
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第272回

1月 22日 2024年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆新技術の創るプロセス

「Fujisawaメタパラダイスof Arts」(主催・認定NPO法人藤沢市民活動推進機構、一般社団法人ソーシャルアートラボ、協力・文部科学省、神奈川県・藤沢市)が昨年11月に行われた。認定NPO法人藤沢市民活動推進機構に関わるNPOや市民らが協働してメタバースを使い障がい者とともに「アート」の空間を創出する取り組みである。障がい者の生涯学習の枠組みで文部科学省も協力し、私自身も文科省の障害者生涯学習アドバイザーとして参加した。

最近、「何かを学ぶ」という学習から、「一緒に創(つく)る」プロセスそのものが生涯学習になるとの認識は確立しつつあるが、それが「メタバース」という新しい技術であれば、なおさらに障がいの有無に関係なく、同じスタートラインに立つ参加者がインクルーシブなコミュニティーの中で機能し、学びの充実が図れる可能性が高まっていく。

その形が自然に成り立てば、さらなる学びの進化につながるのだろう。 記事全文>>

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学生らが考え、形となった共生社会の学びから学べるたくさんのこと
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第271回

1月 15日 2024年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆大学生発に期待

「障害の有無を超えて、共に学び、創るフォーラム」超福祉の学校(主催・NPO法人ピープルデザイン研究所、共催・文部科学省、渋谷区、東京都教育委員会)のシンポジウム「大学生発!みんなのマナビ、私のマナビ」は文部科学省が企画した大学生の関わりを焦点化して障がい者の学びの実践を共有する内容だった。

冒頭で文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課 障害者学習支援推進室の鈴木規子室長は障がい者の生涯学習を推進する上で大学の役割が期待されている点を強調、当事者が「憧れとして大学、学びたいという声を多く聞く」と話し、現在は全国で複数の大学が障がい者への学びを提供していると説明した。

履修制度などの障がい者向けのプログラムや先端研究でも始まっている、とし、この作用として「プログラムに関わっている学生に対するポジティブな影響、よい変容が生まれている」との声を紹介した。 記事全文>>

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「共に学ぶ」の先の「生きる」に価値観崩すアートの破壊力(下)
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第270回

12月 25日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆公民館に期待

「障害の有無を超えて、共に学び、創るフォーラム」超福祉の学校(主催・NPO法人ピープルデザイン研究所、共催・文部科学省、渋谷区、東京都教育委員会)のシンポジウム「『共に学ぶ』の先にある『共に生きる』を考える」で、静岡県浜松市のNPO法人クリエイティブサポートレッツ理事長の久保田翠さんは、市街地で障がい者と共に生きる機会を提供する中で、今後の広がりに向けては公民館に期待を寄せている。

「公民館には希望を持っている。中学校区に一つはあり、誰でも歩いて行ける場所にある。これがよくなればという妄想もある」と話す。 記事全文>>

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「共に学ぶ」の先の「生きる」に価値観崩すアートの破壊力(中)
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第269回

12月 18日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆障がい者と過ごす不安

「障害の有無を超えて、共に学び、創るフォーラム」超福祉の学校(主催・NPO法人ピープルデザイン研究所、共催・文部科学省、渋谷区、東京都教育委員会)のシンポジウム「『共に学ぶ』の先にある『共に生きる』を考える」で示された「アートNPO」として活動する静岡県浜松市のNPO法人クリエイティブサポートレッツの活動は一般的な福祉の考え方を基準にすると斬新な視点と行動に驚く人も少なくない。

障がい理解の先にある「共に生きる」を形にするのが運営するシェアハウスに泊まって障がいのある利用者と直接触れ合うプログラムである。登壇した群馬県の福祉施設で働く原菜月さんはこのプログラムに参加して人生が変わった1人だ。 記事全文>>

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「共に学ぶ」の先の「生きる」に価値観崩すアートの破壊力(上)
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第268回

12月 11日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆超福祉の化学反応

「障害の有無を超えて、共に学び、創るフォーラム」超福祉の学校(主催・NPO法人ピープルデザイン研究所、共催・文部科学省、渋谷区、東京都教育委員会)が、渋谷区のヒカリエを会場としてインターネット配信で開催された。2018年度から同法人と文科省の共催で始まったイベントは、2021年から発信地域として渋谷区、2022年には文科省が事業委託する「共生社会コンファレンス」の一環として東京都教育委員会が加わった。

私自身、第1回から参加し、ここから「新しい福祉」「新しい取り組み」をキーワードにした多くの出会いがあり、その出会いは「障がい者への学び」の提供に活力を与え、具体的な協働を継続しているものもある。それは私だけではなく、参加した人どの人にも起こる変化、化学反応であり、常に新しさを追究してきたイベントだからこそ、期待感は大きい。 記事全文>>

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