玉木林太郎(たまき・りんたろう)
経済協力開発機構(OECD)事務次長。35年余りの公務員生活の後、3度目のパリ暮らしを楽しむ。1万数千枚のクラシックCDに囲まれ、毎夜安ワインを鑑賞するシニア・ワイン・アドバイザー。
鴎外も漱石も好きでよく読む。二人の全集をパリまで持ってきている。鴎外好きには名前(林太郎)が同じだということが作用しているに違いない。一方漱石とはささやかな地縁がある。
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経済協力開発機構(OECD)事務次長。35年余りの公務員生活の後、3度目のパリ暮らしを楽しむ。1万数千枚のクラシックCDに囲まれ、毎夜安ワインを鑑賞するシニア・ワイン・アドバイザー。
鴎外も漱石も好きでよく読む。二人の全集をパリまで持ってきている。鴎外好きには名前(林太郎)が同じだということが作用しているに違いない。一方漱石とはささやかな地縁がある。
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経済協力開発機構(OECD)事務次長。35年余りの公務員生活の後、3度目のパリ暮らしを楽しむ。1万数千枚のクラシックCDに囲まれ、毎夜安ワインを鑑賞するシニア・ワイン・アドバイザー。
この夏は、1914年8月の第1次大戦開戦から100周年、1944年(8月25日)のパリ解放から70周年なので、関連の催しや出版が目につき、ヨーロッパ全体が回顧モードに覆われていた観があった。
しかし9月の声を聞くと、パリはもう秋の気配である。
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今年は第1次世界大戦開戦100年なので、たくさんの本や写真集がパリの本屋の店先を飾っている。第1次大戦は、欧州にとって想像を絶する災禍であった。
犠牲者の総数が3700万人と言ってもイメージが湧かないが、開戦時に20歳から32歳であったフランスの男性の半数が終戦までに死亡したと聞けば、第1次大戦犠牲者追悼のモニュメントがフランス中至る所に見られるのも当然のことだと納得する。
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パリでの私の勤め先(OECDという国際機関)に日本が加盟してから、今年で50周年になる。当時の写真が展示されたり、総理が来訪されたりと、こちらではなかなかの盛り上がりで、私もやや回顧モードである。
50年前といえば1964年(昭和39年)、新幹線が開業しオリンピックで沸いた年だが、私自身はまだ東京・新宿の小学生だった。しばらくして中学に進むころにクラシック音楽に関心を持つようになったのだから、私のクラシック歴(聴いて楽しむだけだが)も長い。半世紀近く飽きずに続いた趣味はこの他には将棋くらいだろうか。音楽を聴くのに費やした時間とエネルギーを学校の勉強に向けていたら、どんな立派な人になっていただろう。
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「建物は所有者に属するが、その正面(ファサード)は全ての人のものだ。」とはヴィクトル・ユゴーの言葉らしいが、パリの街を歩けば建物の壁にはめ込まれたプレートがやたらに目につく。先日も場末の変哲もない道の変哲もないホテルの壁に「周恩来が1922年から24年までこの建物に住んだ」と彫像入りで立派なプレートがあるのを見つけた。当時この建物に在欧州の中国人青年の共産主義組織(旅欧中国少年共産党)の本部が置かれ、その機関誌の印刷を若き鄧小平が担当して「ガリ版博士」とあだ名をつけられていたそうな。
パリに来てすぐのころ、パンを買いにサン・ジェルマン・デ・プレ界隈を歩いていたら、とあるバールの脇の扉に小さめのプレートがある。近寄ってみると≪リシャール・ヴァグネールここに住む、1841年10月30日から1842年4月7日≫と読める。おお、ワグナーの失意のパリ滞在(1839年から)の最後の住処(すみか)はここか、と大いに感じ入った。
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今朝起きてみたらパリは秋になっていた。
ストラヴィンスキーは「ロシアの春は乱暴に、ある一時間で始まります。まるで大地が裂けて行くようです。少年時代、毎年最も素晴らしい出来事でした」と回想しているが、パリの春だって夏だってある日突然やって来て、ある日はっきりと次の季節にその座を譲る。
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