山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
石破茂首相が、新人議員15人と公邸で催した食事会で、10万円の商品券を手土産として配っていたことが発覚。政治資金規正法違反ではないか、と国会で追及を受けている。カネの匂いがあまりしなかった政治家だけに、「石破、お前もか!」である。「政治とカネ」が問題になっている最中に、初当選議員を集めて10万円を渡す政治感覚にあきれるばかりだ。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
石破茂首相が、新人議員15人と公邸で催した食事会で、10万円の商品券を手土産として配っていたことが発覚。政治資金規正法違反ではないか、と国会で追及を受けている。カネの匂いがあまりしなかった政治家だけに、「石破、お前もか!」である。「政治とカネ」が問題になっている最中に、初当選議員を集めて10万円を渡す政治感覚にあきれるばかりだ。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」。
トランプの決め台詞(ぜりふ)である。偉大なアメリカを再び。集会でこの言葉を発すると万雷の拍手が起こる。トランプが夢想する「偉大なアメリカ」とは、どんな国なのか。
団塊(だんかい)の世代である私は「偉大なアメリカ」を覚えている。圧倒的な経済力と軍事力、世界を差配する政治力。人々の暮らしは豊かで、アメリカは包容力があり、憧れの対象でもあった。「グレート・アゲイン」というのだから、今はその輝きを失った、というのだろう。で、どんな国になろうとしているのか。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
国会審議の雰囲気が大きく変わってきた。衆議院で少数与党となった自民・公明は、野党の協力なしに国会を乗り切れない。ヨ党・ヤ党の中間にあるユ党を抱き込んで予算案を通そうと躍起になっている。自民・公明が安定多数を占めていたころは、野党がいくら騒ごうと、最後は数の力で押し切ることができた。そこには議論や妥協の余地はなかった。衆院の勢力がガラリと変わり、高飛車な国会運営はもうできなくなっている。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
石破首相は2月6日夜、トランプ大統領との日米首脳会談に臨むため、政府専用機でワシントンへ向かった。権力を握った2人が「初顔合わせ」する。当然の成り行きのように見えるが、急ぐ必要はあるだろうか。
アメリカは今、「トランプ旋風」が吹き荒れ、「予測不能」の大混乱が起きている。外交方針も定かでない。なぜ日本は暴風雨の中に飛び込んでゆくのか。
トランプのアメリカは、かつてのアメリカではない。どこに向かうのか、しばし様子を見た上で、対米外交の指針を定める。会うのはそれからでいい。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
アメリカでドナルド・トランプ氏(78)が大統領に返り咲いた。就任式が行われた20日には、25余りの大統領令が出され、バイデン政権の下で進められてきた政策が、根底から覆された。お祭り騒ぎのような政権交代が進む中で、気がかりなことがある。「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」を掲げる政権と時代の最先端を走るTEC産業が一体化し、「デジタル産業複合体」が形成されつつあることだ。
温室効果ガス抑制を目指すパリ協定からの離脱、WHO(世界保健機関)からの脱退、カナダとメキシコに25%の関税をかけ、メキシコ湾を「アメリカ湾」に名称を変える。米国議会に乱入して有罪になった全員の恩赦など、世界やアメリカで通用してきた「常識」を根底からひっくり返した。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収を、米国政府は「完全かつ永久的に放棄せよ」と一蹴した。予想された展開ではあったが、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「米国の製造業と安全保障を損なう経済的な自虐行為」と論評した。
さまざまな意味で「米国の現状」を映し出す決定だった。労組まで巻き込む産業の排外主義とロビー活動、目先利得に引きずられる米国政治の劣化、そして「日米同盟とはこの程度」であることが可視化された。
アメリカの製造業が抱える諸問題、保護主義に染まった産業政策、自国第一から自分第一へと傾斜する政治――。論点は多々あるが、今回は「買収拒否」が「日米同盟」そして日本の針路に与えた衝撃を考えてみたい。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
よもや「当て逃げ」の容疑者にされるとは、思いもしなかった。
咳(せき)が止まらず、熱を測ると37度2分。クルマで5分ほどのショッピングセンターにある診療所に出かけた。「インフルエンザの疑いあり。明日、コロナ感染の疑いも含め検査をしましょう」
クリニックを出たのは正午過ぎ。ふと携帯に目をやると、見知らぬ電話番号が着信履歴に残っていた。コールバックすると「駅前交番のHというものですが、うかがいたいことがありまして」。訝(いぶか)しく思いながら、「ご用件は?」
「『習志野1011』のおクルマはご主人のものですか?」
「その通りです」
「お隣に止めてあったワゴン車が擦られたようなので、来ていただけますか?」
疑いをかけられているとは知らず、二つ返事で駐車場に向かった。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
韓国で戒厳令が発動されるなど、誰が考えただろうか。「真夜中のから騒ぎ」に終わったが、まかり間違えば、現職大統領によるクーデター的独裁が始まったかもしれない。思いもよらぬことが、次々と世界で起きている。
トランプが次期米国大統領になったのは、それなりの理由があるだろうが、驚くことは、アメリカという巨大な政治力を持つ大統領が、自らの野望を満たす手段として権力を使おうとしていることだ。娘婿の父親を駐フランス大使に指名するなど身内びいきが目に余る。
現職のバイデン大統領は、2件の刑事裁判で有罪になった次男のハンター氏(54)に恩赦を与えた。「量刑を軽くするようなことはしない」と言っていたのに、退任間際の手のひら返しである。
公私の区別が付かない人が大統領を務める。核のボタンを持ち歩く人が、この程度であることが恐ろしい。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
米国のトランプ政権の誕生に世界は身構えている。自国第一主義、温暖化対策の否定、反自由貿易……。世界秩序に背を向け、引きこもろうとする米国によってできた空白を埋めるのは中国。11月16日までペルーのリマで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合は、この地域の重心が米国から中国へと動いていることをうかがわせた。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
米国の大統領選挙は、トランプが「接戦州」を全て取り、圧勝した。4年にわたる民主党政権への信任投票だった。充満する不安・不満・いら立ちが噴き出し、「取り残され感」を抱く人々に届く言葉をトランプは持っていた。
トランプは勝った。だが、この希代の政治家は「人々の味方」だろうか。期待を寄せた米国の有権者の判断が、問われることになる。
米国有権者の判断は、世界の人々にも影響が及ぶ。日米関係も例外ではない。「自国第一主義」に沿った身勝手な要求が突きつけられることが十分予想される。
日本は、これまでのように「日米関係に配慮し」付き従っていくのか。過剰な要求には応じない「緊張感を持った外交」に転ずるか。選択を迫られることになるだろう。 記事全文>>