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憲法9条、旗竿はまだ握っている
『山田厚史の地球は丸くない』第24回

6月 27日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

公明党の山口那津男代表が憲法解釈の変更で集団的自衛権は可能と表明したことを伝える紙面に、「軍にODA解禁」という大見出しが踊っていた。援助政策の大転換である。

民生支援に限定されていた政府の途上国援助(ODA)を軍事目的にも広げる、という提言が外務省の有識者懇談会(座長=薬師寺泰蔵・慶大名誉教授)から出された。サッカーのワールドカップ(W杯)に人々が釘付けになっている間に、国家の暴走に拍車がかった。
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「吉田調書」とメディア
『山田厚史の地球は丸くない』第23回

6月 13日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「朝日新聞の『吉田調書』スクープは従軍慰安婦虚報と同じ」という記事が週刊ポストに載った。福島第一原発の故・吉田昌郎(よしだ・まさお)所長が政府の事故調査委員会の聴取に応じた陳述書、いわゆる「吉田調書」に関する記事が、意図的に事実をゆがめるもので吉田所長はじめ現場で奮闘した人々を貶(おとし)める「ウソ」を全世界に拡散するものだ、という主張である。

◆事実を公表することこそ事故の教訓だ

2号機が爆発した2011年3月15日早朝、福島第一原発にいた従業員の約9割が、所長の命令とは異なる福島第二原発に避難した。
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カジノで「お・も・て・な・し」
『山田厚史の地球は丸くない』第22回

5月 30日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

安倍首相はアジア安全保障会議に参加するため30日、シンガポールに発った。会議後、米ラスベガスのサンズ社が経営するカジノ施設「マリーナベイサンズ」を視察する予定だ。経済・金融情報を配信する米ブルンバーグは29日、サンズのアディルソン会長が「安倍首相にカジノ解禁をお願いする」と語ったことを伝えた。

安倍首相は超党派の国会議員による「国際複合型観光施設(IR)推進議員連盟」(通称カジノ議連)の最高顧問を務めており、首相の視察を機に、水面下で進んでいた「カジノ解禁」がいよいよ表面化する。
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軽自動車市場は「ガラパゴス」か?
『山田厚史の地球は丸くない』第21回

5月 16日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

日本興業銀行、富士銀行、第一勧業銀行の3行が経営統合して「みずほグループ」が誕生した時、「コメ銀行脱却できるか」という見出しの記事を書いた。護送船団行政という閉鎖市場で育った銀行は、政府の保護で成り立つコメと似ている、規模が大きくなればグローバルな競争に勝てると思ったら甘い、という趣旨の記事だった。

銀行は「失礼な」と大変なお怒りだったが、その後の展開を見ると、「みずほ」はやはりコメだった。
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「51歳女」は犯人か 逮捕して大丈夫?道警さん
『山田厚史の地球は丸くない』第20回

5月 02日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

逮捕された「51歳女」は、もう犯人扱いだ。容疑を否認しているというが、警察からリークされる情報は「この女が犯人だ」と思わすものばかりだが、確たる物証は見当たらない。逮捕は苦し紛れではなかったか。見込み捜査の危うさが漂う。

北海道警察本部の関連施設などに連続して爆発物が仕掛けられ、警察に挑戦するかのようなメッセージが報道機関に届けられた。
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日米首脳会談 将来を懸けた交渉役・甘利明
『山田厚史の地球は丸くない』第19回

4月 18日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

アメリカのオバマ大統領が23~25日、日本を訪れ安倍首相と会う。安倍にとっては日米関係を修復する正念場だが、陰の主役は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を担当する甘利明である。それは後で説明するが、今回の首脳会談は、近年に珍しく「危ういトップ会談」になる。なぜなら、①両首脳とも相手を嫌う不信に満ちた会談②主要テーマであるTPPに落とし所が見えない③それでも関係修復を演技でやらねばならない至難の業――だからである。

◆危険を冒してでもオバマを救おうとは思わぬ安倍

オバマにとって苦しい首脳会談だ。シリアやウクライナの処理で弱腰と見られた。支持率が下がっている。11月の中間選挙に勝つには、TPPで日本から大幅な譲歩を勝ち取ることが必要だ。
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消費税の盲点 越境する電子取引に抜け穴
『山田厚史の地球は丸くない』第18回

4月 04日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

ビルの地下に開店したとんかつ屋に入った。昼定食が2000円。ロースかつにエビとクリームのコロッケが付くボリューム感のあるランチ。しかし、強気の価格設定だ。

「ちょっと高くない?」。店の人に言うと、「消費税8%では1000円台は無理です」。つれない返事が返って来た。
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ボトルネック・インフレがやって来た
『山田厚史の地球は丸くない』第17回

3月 21日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

国土交通省が18日発表した2014年1月1日現在の公示地価で、東京など三大都市圏の地価が6年ぶりに反転上昇した。東京五輪の施設がやってくる東京臨海部で10%を超す伸びが目立った。

地方は軒並み下落したが、例外は震災地。宮城県石巻市の高台は15・1%上昇し、住宅地で日本一の上昇幅となった。仙台周辺で地価高騰が目立つ。福島でも19年ぶりに宅地地価が上昇した。
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地酒と電力―草の根からの脱原発
『山田厚史の地球は丸くない』第16回

3月 07日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

山口県の萩市で、うまい酒にめぐりあった。縁あって造り酒屋「澄川」の御主人と酌み交わした。持参された酒は「環起」という吟醸酒。ラベルは貼っていない。うっすら白濁している。「澱(おり)がらみ」という状態で、瓶の中で発酵が進んでいる。口に含むとほのかにツンくる後に、柔らかな旨(うま)みが広がった。芳醇(ほうじゅん)でしっかりした味わい。すいすいやっているうちに一升瓶が空になった。

手に入りにくい酒と見て、「どこで買えますか?」と尋ねると、「申し訳ないが市販していません。限りがあるので、縁のある方に配っています」。
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習・田母神の共通認識と安倍の立ち位置
『山田厚史の地球は丸くない』第15回

2月 17日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

前回のコラムで東京都知事選に立候補した田母神俊雄・元航空幕僚長が「安倍首相と私は国家観・歴史観が同じ」と強調して選挙に臨んでいることを書いたが、その田母神さんの応援演説に、なんとNHK経営委員になったばかりの百田尚樹氏が立った。「南京大虐殺はなかった」ばかりではなく「東京裁判は米軍の残虐行為を隠すための裁判だった」と街頭でぶち上げ、歴史認識問題はNHK問題へと燃え広がった。

◆愛国心を刺激する中韓との緊張関係

NHKでは籾井勝人会長が就任会見で、従軍慰安婦を「戦争している国ではどこでもあった」、国際放送について「政府が右というものを左というわけにはいかない」と発言し、NHKトップの資質が問題になった。
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