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密室の有識者会議 「あやつり劇場」で決まる防衛増税
『山田厚史の地球は丸くない』第225回

11月 11日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

11月10日付の朝刊各紙に「防衛費財源、増税論が大勢 有識者会議」(日経)と伝える記事が一斉に載った。「増税論が大勢」(共同)、「増税を念頭に」(産経)、「復興増税を参考に」(朝日)――。首相官邸で9日開かれた「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の議論を伝えた記事。岸田首相の肝いりで始まり、安保情勢の変化に伴う防衛力の強化をどのような観点から進めればいいか、「有識者」の声を聞く会議という位置付けだ。 記事全文>>

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危うし日本の自動車産業-中国に頼るトヨタのEV
『山田厚史の地球は丸くない』第224回

10月 28日 2022年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

トヨタ自動車は、中国市場に投入する電気自動車(EV)を中国の新興メーカー、比亜迪股份(BYD)と共同生産すると発表した。「トヨタともあろうメーカーが、なぜ中国企業の手を借りるのか」と思った人は少なくないだろう。テレビCMで16車種のEVをずらりと並べ、豊田章男社長が豊富なラインアップを誇ってみせるトヨタが、あろうことか、中国メーカーとなぜ「共同開発」しなければならないのか――。

こうした感覚は、どうやら今や時代遅れになったようだ。コロナ感染で日本人が海外へ出る機会を失ったこの2年間、世界の自動車事情は激変した。いずれ訪れるだろうが「ずっと先の話」と考えていた「自動車のEV化」が、目前の課題となって迫ってきた。 記事全文>>

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「村上処分」その前にすべきこと-自民衰退を映す「異論抹殺」
『山田厚史の地球は丸くない』第223回

10月 12日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「私に言わせりゃ国賊ですよ」。安倍晋三元首相を語ったひと言で、自民党衆議院議員の村上誠一郎氏が党内で窮地に立っている。10月12日には党紀委員会が開かれ、「役職停止1年」という「処分」が下された。旧統一教会との深いつながりばかりか、「安倍政治の功罪」に触れないまま催された国葬に異を唱えた村上氏。「役職停止」とは、村上氏が正論を展開する舞台にしてきた党総務会への「立ち入り禁止」を意味する。口封じのような処分に、懐の深さを失った自民党の姿が見える。

◆「国賊発言」の発端

村上誠一郎と安倍晋三。ほぼ同世代、政治家一族に生まれ、若くして政界に出た。村上は1952年生まれ、当選12回、安倍は54年生まれの当選10回。源流をたどると、村上は石橋湛山、安倍は岸信介である。戦後の保守政界で首相の座を懸けて激突したリベラル・右派の政治思想が、70年の時を経て「国賊発言」の背後に漂う。 記事全文>>

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安倍亡き後も安倍路線-国葬後の岸田政権
『山田厚史の地球は丸くない』第222回

9月 30日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

故安倍晋三氏の国葬が9月27日に執り行われた。隠然たる力を退任後も誇示していた「安倍支配」は、騒然たる賛否を巻き起こした国葬で終わった。最大派閥である安倍派も空中分解がささやかれている。そうはいっても安倍政治は、まだしばらく岸田政権を縛りそうだ。専守防衛を蹴散らす防衛力の抜本的強化、新型小型炉開発を含む原発再稼働、インフレ放置の金融緩和継続。元首相が先鞭(せんべん)を付けた暴政は、岸田政権によって実行へと移される。 記事全文>>

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入国は羽田、それとも横田?-安倍「国葬」 ハリス米副大統領の来日
『山田厚史の地球は丸くない』第221回

9月 16日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

今月27日の安倍元首相の「国葬」に、アメリカからはカマラ・ハリス副大統領がやって来る。就任して初の来日となるハリス氏の行動予定は在日米大使館が調整しているが、関係者が注目するのは「入国は、また横田基地から?」という点だ。

5月に来日したバイデン大統領が、横田基地から入国したことは「ニュース屋台村」の拙稿第213回「バイデンは親会社の社長? 首脳会談から見える日米同盟の現実」(5月27日付)で書いた。「国家を代表する者が勝手口から出入りするのは無礼」という空気は徐々に広がり、民族派の論客から「ハリス氏がどこから日本に降り立つか注目している」という声が上がっている。

右翼団体「一水会」の木村三浩代表はYouTubeのデモクラシータイムス(9月11日配信)で「日本の玄関は羽田です。台湾を訪問した米国のペロシ下院議長は韓国から入国した際、横田基地から入った。ハリス副大統領がまた横田を使うのか、注目している」と語った。 記事全文>>

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誰のための原発復権か-置き去り被災地と事故の教訓
『山田厚史の地球は丸くない』第220回

9月 02日 2022年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

原発政策の大転換が始まろうとしている。岸田首相は8月24日、「休止中の原発再稼働、老朽原発の運転継続、次世代型原発の開発・建設」の3点について、諮問機関である「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」に検討を求めた。3•11福島事故を受け「脱原発」が課題となっていたが、政府は一転して原子力を「クリーンエネルギー」として積極活用する方向へ舵を切った。

旧統一教会と自民党の癒着、安倍元首相「国葬」の是非に世間の目が集中している時、原発復権が突如持ち出された。しかも「再稼働」だけでなく「新増設」まで踏み込んだ。

背後には「産業と技術の消滅」に危機感を募らせる人たちがいるが、11年前の福島第一原発事故から私たちは何を学んだのだろうか。 記事全文>>

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旧統一教会と安倍「国葬」
『山田厚史の地球は丸くない』第219回

8月 19日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

無難一筋の政権維持に努めてきた岸田首相に、「高転び」の気配が漂う。目の上のタンコブだった安倍元首相が消え、運が巡ってきたかに見えたが、「非業の死」が残した「旧統一教会汚染」が、政権の足元を揺さぶっている。安倍元首相の葬儀を「国葬」にしたことは、今に思えば、誤算だった。

安倍元首相の命を奪った銃撃から1か月余り、事件の背後に浮かんだ世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政権党との癒着が連日、メディアを賑わしている。 記事全文>>

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安倍消えて自民は内戦-野党無力 岸田の狙いは清和会つぶし?
『山田厚史の地球は丸くない』第218回

8月 05日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

この1か月、日本の政治は大きく動いた。

参院選で自民は圧勝。元首相・安倍晋三の「暗殺」が押し上げた。これから3年間、国政選挙はない。世論を気にせず策を打てる「黄金の3年」を岸田政権は手にした、といわれる。

安倍の「非業の死」は、岸田に「ほろ苦い幸運」をもたらした。政権運営の重しとなっていた「目の上のタンコブ」が消えた。

事件の背後に、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」があったことは好都合だった。保守派の牙城(がじょう)・清和会を弱体化する好機が巡ってきた。 記事全文>>

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成果のない安倍元首相がなぜ国葬?-「外交」淡い願望の惨めな結果
『山田厚史の地球は丸くない』第217回

7月 22日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

安倍晋三元首相の葬儀は「国葬」になるという。吉田茂首相を最後に、政府は「国葬」をやめていたが、復活して行う、という。

どのような人物なら税金を投じる「国葬」に値するか、基準はない(制度がないから規定などない)。政治家の国葬はさしずめ「国民栄誉賞・政治家部門」ということだろう。

岸田首相は、①憲政史上最長の8年8か月にわたり卓越したリーダーシップと実行力をもって総理大臣の重責を担った②海外でも知られ高い評価を得ている③凶弾に倒れ非業の死を遂げた――などを理由として挙げた。

「権力の座に長くいた」「外国の首脳からたくさんのお悔やみが寄せられた」「暴挙を許さぬ姿勢を示そう」ということである。 記事全文>>

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東京・杉並区長選で岸本聡子はなぜ勝てた?-与党圧勝の参院選と自治体選挙の違いは
『山田厚史の地球は丸くない』第216回

7月 08日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

7月10日投開票の参院選を前に、報道各社による世論調査の結果が相次いで発表された。新聞の見出しは「自公 改選過半数の勢い維持 立憲、改選議席割る可能性」(朝日新聞)、「与党改選過半数の勢い 立民 伸び悩み」(読売新聞)、「自公 改選過半数の勢い 立民伸び悩み」(日本経済新聞)。

どの新聞も「政権与党の圧勝」を予想する。投票日はこれからだというのに、「大勢は判明した」と言わんばかり。そんな「選挙結果」が伝えられた。

「リベラル勢力」は退潮傾向で、野党第一党の立憲民主党は議席を減らすという。一方、自民・公明・維新・国民民主など「改憲勢力」は憲法改正を発議できる3分2の議席を獲得しそう、との見通しで、既に3分2を確保している衆議院と併せ、選挙が終われば、国会は憲法改正を発議できる。改憲勢力の大勝で、参院選後の政局は、戦争放棄をうたった憲法9条の改正が焦点として浮上する、と予想される。 記事全文>>

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