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ウクライナも台湾も 戦争を回避する方法
『山田厚史の地球は丸くない』第205回

1月 28日 2022年 国際

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

ウクライナと台湾。新たな戦争の火種がここにある。欧州とロシアが対峙(たいじ)するウクライナ、米中激突の最前線となった台湾海峡。緊張は高まるばかりだが、戦争を回避する方法があるらしい。

日本では「台湾有事に備えろ」という論議が盛んだ。しかし「どうすれば台湾有事は避けられるか」という議論はほとんど聞かない。

政治家は危機を煽(あお)って防衛力増強を主張し、そうした言動を取り上げて戦争気分を囃(はや)すメディアが目立つ。勇ましい言動をする政治家が脚光を浴び、戦争の危機を煽る雑誌や本は売れる。

そんな中で「戦争回避の戦略を考える」というワークショップが都内で開かれた。元防衛官僚で、小泉政権で内閣官房副長官補を務めた柳沢協二氏が理事長を務めるNPO国際地政学研究所の主催だ。東京・市ヶ谷の会場に行ってきた。

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「台湾有事」と敵基地攻撃
『山田厚史の地球は丸くない』第204回

1月 14日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「台湾有事」がまことしやかに語られるようになった。産経新聞は元旦の1面で論説委員長が「『台湾有事』がごく近い将来起きる可能性は、かなりある」と書いた。根拠は示されていないが、「習近平国家主席が目指す『台湾統一の夢』を甘く見てはならない」と警告している。

 安倍晋三元首相は昨年12月1日、台湾で開かれたシンポジウムにオンラインで参加し、「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある。この点の認識を習近平国家主席は、断じて見誤るべきではない」と語った。中国が台湾に侵攻したら日本やアメリカが参戦することを習近平主席は覚悟せよ、と言わんばかりの発言だ。

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「批判野党」を責めるな! 問題は「国会構造」にある
『山田厚史の地球は丸くない』第203回

12月 24日 2021年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「18歳以下への10万円相当給付」。景気対策か、貧困対策か、はたまたコロナ対策か。論議を呼んだ現金給付は、子どものいる家庭には「年の瀬のボーナス」となった。ところが、シングルマザーの一部にこの10万円が届かないという事態が起きている。給付に10月の児童手当リストを使ったため、9月以降に離婚した夫婦の場合、夫の口座に10万円が振り込まれた。面倒を見ていない父親にカネがわたり、子どもを育てる母親に連絡がない。そんなケースが多発しているという。

立憲民主党はこの問題を取り上げ、善処を求める要望書を提出した。だが、松野博一官房長官は「今般の給付では難しい面がある」と述べるにとどまった。煩雑(はんざつ)な事務的手続きがあり、対応できかねる、というわけだ。

実際に子育てしている親が支給対象になるべきだ、という立憲民主党の主張は正しい。総選挙の敗北を受けて誕生した泉健太氏を代表とする新執行部は「提案型政策」を掲げる。「子育てする母に10万円を」という政策は、提案路線に沿う。

「自公政権に足らないこと」を立憲が主張し、存在感を示す。「提案型」にはそんな気配が漂うが、それが野党の役割だろうか。

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コロナのトンネルを抜けると…
『山田厚史の地球は丸くない』第202回

12月 10日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

コロナ感染の小休止で、人と会う機会が増えてきた。話題になるのが「来年はどうなるのかな」である。コロナはいつまで続くのか? 経済の本格的な再開はいつごろか? 期待と不安が交錯する。

経済の先行きは、コロナ次第だろう。そのコロナがどうなるか、誰も分からない。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の正体はまだ不明だ。感染力はかなり強い。重症化する人はさほど多くはない、ともいわれる。

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令和の石油ショック「化石」の逆襲
『山田厚史の地球は丸くない』第201回

11月 26日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

石油の時代はもう終わる。そんな「エネルギー革命」に逆らうかのように原油価格が上昇している。ガソリンが上がるだけではない。燃料費の高騰は物流費や生産コストを押し上げる。アメリカでは消費者物価指数(CPI、季節調整済み)が10月、前年同月比6.2%増に跳ね上がり、31年ぶりの上げ幅となった。デフレの暗雲が漂っていた世界は、にわかにインフレへと目を向けるようになった。

原油・資源・食糧などの価格高騰を「一時的な現象」と見るエコノミストは少なくなかった。新型コロナの蔓延(まんえん)で世界経済は1年余も落ち込み、需要不足から様々な分野で生産が停滞、供給は絞られていた。ところが、感染が一服し、アメリカを先頭に需要が回復。経済が軌道に乗ると今度は、供給が追いつかない状況が生まれた。企業は素材・原料の確保に走り、春先からモノ不足が顕在化した。

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連合は誰の味方か?芳野体制で進む翼賛化
『山田厚史の地球は丸くない』第200回

11月 12日 2021年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

総選挙の前と後で政治を取り巻く空気はガラリと変わった。自民党に向かっていた批判の矛先が立憲民主党へと移った。世論を「右旋回」させたのは議席3倍超の日本維新の会だが、もうひとつ見逃せない勢力がある。労働組合の全国組織「日本労働組合総連合会(通称:連合)」である。

投票の翌日、連合の芳野友子会長は記者会見で「連合の組合員の票が行き場を失った。到底受け入れられない」と語った。「受け入れられない」のは、投票結果ではない。立憲が小選挙区で共産党などと行った選挙協力のことだ。この発言を機に、「立憲民主党の敗北は、野党共闘が原因」という声が広がった。

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天皇家を消滅させるのは誰?
『山田厚史の地球は丸くない』第199回

10月 29日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

秋篠宮家の「眞子さま」が、婚姻届を出して「眞子さん」になった。民間人になった彼女は、アメリカで暮らすという。

朝日新聞に掲載されている「朝日川柳」にこうあった。

「流出は、頭脳につづき、皇族も」。

眞子さんは、とげとげしい世間の目に耐えられないのだろう。

ロンドンで特派員をしていたころ、オックスフォード大学に小和田雅子さんが留学していた。今の皇后さまである。赴任する時、旧知の皇室担当に尋ねた。

「雅子さんの動向をウォッチすることは必要か?」。答えは「皇太子さま(今の天皇陛下)はご執心のようだが、彼女は外されたから、ウォッチしなくていいよ」。

アメリカにいたころ「深い恋愛」の経験があり、皇太子妃の候補から消えた、ということだった。

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新首相・岸田文雄を信用できます?
『山田厚史の地球は丸くない』第198回

10月 15日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

歩き方は、のっしのっし。風貌(ふうぼう)は、端正なお坊ちゃん。印象として、悪い人ではなさそう。でも、この人に国政を任せて大丈夫だろうか。そんなおぼつかなさを感じさせる新首相である。

国会は10月14日、解散した。衆議院選挙は19日に公示され、本格的な選挙戦が始まる。前回から丸4年。有権者はやっと国政に「一票」で参加できる。

 衆議院選挙は政権選択選挙だ。問われるのは「岸田政権を支持するか」。有権者は判断に迷うのではないか。政権の実像がまだはっきりしない。

新首相は国会で所信表明演説を行い、各党から代表質問を受けたが、答弁は紋切り型。予算委員会などで丁々発止の論議はない。なによりも不安なのは、岸田文雄という政治家が、なにを考えているかよくわからない。この首相は、どこを目指し、なにをしようとしているのか。ギラギラした野心は見えない。ただ首相になりたかっただけなのか。政権の核心にモヤがかかったまま、総選挙に突入する。

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分裂の危機・連合から女性会長-労働運動はだれのもの?
『山田厚史の地球は丸くない』第197回

10月 01日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「労働運動のナショナルセンター日本労働組合連合会(連合)は、10月6日に開かれる大会で、3期6年務めた神津里季生会長の後任に、芳野友子副会長(55)を充てる方針を決めた。芳野氏は、ものづくり産業労組連合(JAM)が出身母体、選任されれば連合史上初の女性会長となる」

そんなニュースが9月28日、一斉に流れた。連合の神津会長は知られた顔だが、「芳野友子」という名を知っていた人は、ほとんどいなかったのではないか。

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株価3万円と中国恒大集団の危機-世界は地雷原だらけだ
『山田厚史の地球は丸くない』第196回

9月 17日 2021年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

東京証券取引所の日経平均株価(225種)が9月14日、終値で3万670円10銭をつけ、バブル経済以来の最高値となった。

菅義偉首相が退陣、まもなく決まる新首相は積極財政でカネを撒(ま)く、新型コロナは最悪期を脱した、経済復興が始まる――。そんな期待感から「日本株買い」で海外から兜町(かぶとちょう)に資金が流れ込んでいる、という。

コロナ禍の日本経済はゼロ成長近辺でさまよっている。中国やアメリカなどに比べ、回復力は弱い。内需が低調だから。リストラだらけで、賃金が上がらない。消費は低調、国内市場が湿っているから、企業は設備投資に消極的。悪循環のまっただ中にある。

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