п»ї 記者Mの外交ななめ読み | ニュース屋台村
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大使の品格
『記者Mの外交ななめ読み』第5回 

10月 25日 2013年 国際

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間100冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

アメリカの次期駐日大使に指名されたキャロライン・ケネディさん(55)がまもなく正式に大使に就任して日本に赴任する。第35代大統領ジョン・F・ケネディの長女。駐日大使としては初の女性である。アメリカの大使は約7割がキャリア外交官で、残り3割は政権が任命する「政治任用」である。ケネディさんの場合、2008年の大統領選での民主党内の候補者指名争いでオバマ氏を支持したことが最大の「功績」とされ、大使ポストが論功行賞に使われたケースと指摘する声が多い。

しかし、はっきり言って、そんなことはどうでもよい。「大使の任務は特別な訓練を受けてきた外交官にしか務まらない」というのは、外交官の勝手な思い込みである。要は、大使としての外交手腕を発揮し、日米関係の緊密化に貢献する働きをすればよいのだ。むしろ、名家出身の女性大使の一挙手一投足が日米双方から注目され、実際本当に緊密なのかどうかよくわからなくなってきている日米の関係にさらに前向きな変化をもたらせばよいのである。
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「好きな国」「嫌いな国」
『記者Mの外交ななめ読み』第4回

9月 27日 2013年 国際

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間100冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

トルコ中部の観光地カッパドキアで9月上旬、旅行中の新潟大学の女子学生2人が地元の男に刃物で殺傷される事件があった。現地からの情報などによると、事件は偶発的に起きたようだ。僕は事件発生後のトルコ当局などの迅速な対応に注目した。

カッパドキアでは、地元の人たちによる追悼行事が行われた。およそ1000人の参加者が、日本語で「トルコ日本友好」「ごめんなさい」などと謝罪・追悼のメッセージを書いたプラカードや日の丸の旗を手に行進し、亡くなった女子学生を悼んだという。また、事件の翌日、東京のトルコ大使館は、現場から逃走したとみられる男の身柄を拘束したと発表(その後、誤認逮捕とわかり、別の男が逮捕されたが)。一方、成田空港では急きょトルコに向かうことになった女子学生の両親を、喪章を付けたセルダル・クルチ駐日トルコ大使夫妻が出迎え、「いつも私たちはそばにいます。何かできることがあればおっしゃってください」と声を掛けた。
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日本人学校とグローバル人材
『記者Mの外交ななめ読み』第3回

9月 13日 2013年 国際

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間100冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

NHKラジオ第1で毎週土曜・日曜の夕方、「ちきゅうラジオ」という番組があり、その中に「作文書いたよ」というコーナーがある。海外の日本人学校や補習授業校などに通う日本の子どもたちが現地で感じたことや、海外にいるからこそ日本について気づいたことをつづった作文を本人が朗読して紹介する。僕は毎回これを楽しみにしている。家にいる時は家族で夕飯のしたくをしたり、あるいは妻や娘が包丁を使っている「トントントントントン」という音を聞いたりしながら聴いている。今回は、日本人学校や補習授業校の現状から日本の外交について俯瞰してみようと思う。

子どもたちの作文には、驚かされることが多い。まず、そのユニークな着眼点と、発想力や表現力の豊かさ。こんな作文術をいったいどこで学んだのだろうかと感心させられる。また、世界のいたるところに日本人学校や補習授業校があることにも改めて考えさせられる。今年4月以降にこのコーナーに登場した子どもたちの住む都市をみると、ヤンゴン(ミャンマー)、サンホセ(コスタリカ)、シドニー(オーストラリア)、ハノイ(ベトナム)、ケルン(ドイツ)、アクラ(ガーナ)、クライストチャーチ(ニュージーランド)、ヨハネスブルク(南アフリカ共和国)、ワシントンD.C(アメリカ)などと実にさまざまである。
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知日派を生かせない日本のさみしい外交センス
『記者Mの外交ななめ読み』第2回

8月 23日 2013年 国際

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間100冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

ブルネイの首都バンダルスリブガワンで7月初めに開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)。政治・安全保障問題に関する対話と協力を通じてアジア太平洋地域の安全保障環境を向上させることを目的に1994年から始まったこのフォーラムは、ASEANを中核に日・米・中・ロ・欧州連合(EU)などを含む国々が参加し、コンセンサスを原則として自由な意見交換を重視するユニークな対話の枠組みである。

今年のARFに参加していた中国の王毅外相と、米国家安全保障会議(NSC)のダニエル・ラッセル・アジア上級部長(現在は、対日政策などを担当する米国務省の東アジア・太平洋担当の国務次官補)が、宿泊先のホテルで2日連続の「立ち話」をしたという新聞記事を興味深く読んだ。
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大使公邸料理とディプロマチックセンス
『記者Mの外交ななめ読み』

8月 08日 2013年 国際

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記者M

新聞社勤務。南米と東南アジアに駐在歴13年余。年間100冊を目標に「精選読書」を実行中。座右の銘は「壮志凌雲」。目下の趣味は食べ歩きウオーキング。

岸田文雄外相はこのほど、大使館など日本の在外公館で開くパーティーの料理の質が落ちていると指摘したうえで、在外公館予算の上積みを各党に呼びかけた。これを報じた全国紙の記事を俎上に載せて「Yahoo! JAPAN」が「日本大使館の料理予算増加をどう思う?」との問いで意識調査を行ったところ、計3万5585票が寄せられた。結果は「減らしたほうがいい」が1万7998票(全体の50・6%)、「現状のままでいい」が9080票(同25・5%)、「増やしたほうがいい」が8507票(同23・9%)だった。

この結果について、僕は「妥当」だと考える。ただし、「減らしたほうがいい」と考えるのが「妥当」なのではない。おおかたの日本人がなんでもかんでも節約節約と考えているその志向は、大使公邸の料理についても及んでいることを示した「平均的な回答」という意味において「妥当」だと考えるのだ。
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