助川成也(すけがわ・せいや)
中央大学経済研究所客員研究員。国際貿易投資研究所(ITI)客員研究員。専門は ASEAN経済統合、自由貿易協定(FTA)。2013年10月までタイ駐在。主な著書に、『ASEAN経済共同体と日本』(2013年12月)がある。また、昨年10月末に「ASEAN大市場統合と日本」(文眞堂)を出版した。
タイでの製造業部門における労働力不足問題について、近隣国に依存した解決は難しくなりつつある。タイ政府は労働力の産業間移動を推進することで、この問題を解決に導く必要がある。また、第2エコカー政策などの本格的始動を控え、技術者不足の深刻化、質の低下が懸念される。その状況の中、日本の名前を冠した「泰日工業大学」は「日本型モノづくり」の実践教育を受けた人材を輩出し、タイの産業集積の屋台骨を支える。
◆求められる産業間労働移動促進
タイでの労働力不足を補うべく、ミャンマーを中心とした周辺国の労働人材が正規・非正規など様々な形でタイに入国し、就労している場合も少なくない。その数は200万~300万人とも言われる。
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