п»ї 場所の記憶 『WHAT^』第19回、@^の1 | ニュース屋台村

場所の記憶
『WHAT^』第19回、@^の1

8月 01日 2019年 文化

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

株式会社エルデータサイエンス代表取締役。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

生きものは場所を記憶する。自分自身や親きょうだいを認識できなくても、生きやすい場所や死すべき場所を探して記憶する。ウイルスは感染した細胞で大量の複製物を作り、細胞外にばらまいて、どこか別の細胞に感染するチャンスをうかがっている。感染する細胞は同じ個体の中かもしれないし、同じ種かもしれないし、媒介する種かもしれない。感染すべき細胞の記憶がウイルスの生活環となる。ウイルスは、細胞の中の遺伝子に潜む場合もある。その細胞が生殖細胞であれば、ウイルスは宿主の一部として遺伝情報となる

ウイルスはデジタル生命だと思う。ウイルスのイメージをデジタル化してみた。黒い点がウイルスだとすると、気体分子の統計力学とどこが違うのだろうか。ランダムであっても均等に分布していることを表現しているわけではない。デジタル表現であるため、1000倍に拡大しても黒い点は円形をしている。本当は円ではなく、正20面体をばらまきたかった。表現したかったのは、縁の線上にひっかっかているドットだ。縁から外に出ると、欠けて壊れる。分子生物学はモノとしての生きものの解明に大きく貢献したけれども、それらのモノが何処にあるのか、分子レベルで理解したとはいえない。生きものにとっての場所は、記憶すべき場所であるとともに、生活の表現でもあるのだろう。

WHAT^(ホワット・ハットと読んでください)は、何か気になることを、気の向くままに、イメージと文章にしてみます。@^(アット・ハットと読んでください)は、人工知能AIとウイルスとの共存・共生・共進化を目指して、「場所の記憶」という問いを探ります。

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